びじょ(?)と野獣2

その頃ナルトは・・・
「じぃちゃんホントにこっちなんだってば?」
馬相手に必死に語りかけ、なんとかかんとか気を紛らわせてくらい森を進行中・・・
「・・・お城だってば・・・ん?」
なんとかかんとか見つけたカカシのいる城の門の中に落ちているマントを見て、火影のモノだと気づいたらしく、意を決して中に入る。
「ごめんくださ〜い」
返事のない室内を見渡し、そぅっと呼ぶ
「じぃちゃ〜ん・・・」
「ナルトか?」
小さな声に小さな返事がかえってくる。ナルトは嬉しそうに階段を駆けあがり、火影のいる小さな牢にたどり着く。
「ナルト!!すぐに帰りなさい!!ここは危険なんじゃ!!」
血相をかえてなんとかナルトをここから帰そうと必死になる火影の声に、さきほどまで寝ていたカカシが起きる
「あらら・・・超極上品・・・これ、あんたの孫?」
そういって、銀色の毛並みを惜しげもなく月光に当てて、ナルトの前に立ち上がる。
「・・・孫にはなにもしないでくれ!!頼む!!」
叫ぶような祈りのような声に、カカシは耳を貸すことなく、ナルトをしげしげと観察する。
「ペッたんこだけど、そこは俺のテクニックで・・・」
上から下まで舐めるように見上げて見下ろして、カカシはフと気付く
「俺が怖くないの?」
告げられたナルトは、きょとんとして
「怖いけど・・・でもじいちゃんの方が先だってば!!」
ギロッと大きな目でカカシを睨めつけ、じいちゃんを出せってばよ!!とか、さんざん叫ぶ姿が、カカシにはさらに可愛く思えて、思わず抱きしめる。
「じゃ、このまま・・・え〜っと・・・」
「ナルトだってば」
「ナルトがここにいてくれるなら、じぃちゃん出してあげる」
「いいってばよ?でも、ここはラーメンないってばねぇ・・・」
そんなナルトの真剣な顔に、カカシは破顔して近くにいたヤマトに
「コック長に今日の夕飯はラーメンにしてって伝えて?」
なんて言ってみる・・・
「マジってば!!じゃあ、ここにいるってば!!あんた優しいってばねぇ」
なんて、キラキラした目で見つめつつカカシに抱っこされたまま抱き返す。
「・・・ラーメン一個でこんななの?じゃ、今日からご飯はナルトが決めていいよ?うちのシェフはだいたいなんでもできるから」
そういって銀色の毛並みに隠された隻眼を細めてナルトにほほ笑む。
「・・・狼のにいちゃんかっこいいってばねぇ?」
「あ・・・俺はカカシだよ?カカシって呼んで?」
すっかりイチャイチャしてしまっていますが、じいちゃんは牢の中です。
「ウェッホン」
なんて、おもいっきりわざとらしい咳払いを火影がすれば、慌てるでもなくカカシが牢の鍵をあける
「はい。自由だから。」
なんて、おもいっきり片手間にてを振って、ナルトを肩に座らせるように抱っこしつつ、さっさと階段を降りて行く。
「この馬車に乗って行って。勝手に街まで行くから。」
「・・・じぃちゃん・・・たまには会いに来てね?俺ってば、街のパンも食べたいってば・・・あと、甘栗甘のぜんざいも・・・あと、できれば牛乳買ってきて・・・あと、・・・」
食べ物の要求を延々繰り返すナルトに、火影は辟易しつつ、カカシを見やる。
「ま、ナルトが来てほしいって言うなら来てもいいけど、そのうち俺が街にいくかもね・・・」
ニヤッとした顔で火影を見たカカシに、火影はなけなしの祖父の威厳を醸し出しつつ
「婚前交渉はみとめん!!」
なんて、勝手に動く馬車が動き出す寸前に吐き捨てるように告げつつ。街に帰って行った。
「さ、ナァルト・・・お風呂にしよっか?」


かなり色々とたくらんでいるカカシなんて気にする風でもなく
「おぅ!!」
なんて、元気な返事をするナルト・・・
悲劇がまっているとも知らずに・・・


つづく

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