びじょ(?)と野獣1

ここはとある田舎町。
のどかな田園広がる街。
ここに発明家のおじいさんがいました。みんなからは火影とよばれていました。
そして、その火影には、かわいい孫がいました。名前はナルト。街一番の美人で、気立てが良く愛嬌あるその姿に、街の男たちはみんなメロメロでした。
とくに、街一番のイケメンである狩人のサスケは、言い寄るレディ達には目もくれず、毎日毎日ナルトに求婚します。
「ナルト!!けっこんしてくれ!!」
「無理だってばよぉ?俺ってばおとこのこだもん・・・」
そういってほっぺを膨らます姿も、周りの野郎どもはクラクラです。
「もう!!毎日毎日からかうなってばよ!!」
野郎共がクラクラしてるうちに、プリプリしながら家に帰っていくのです。
「じぃちゃんただいま」
そういって火影の研究室に入ると、そこには、大きな機械が・・・
「ナルトや。街はどうじゃった?」
そういって、機械の調整をしつつ声をかける火影に、ナルトは今日もサスケにからかわれたと街で会った事をしゃべります。
「そうかそうか。ワシは明日の朝に、このからくりを隣街に届けにいくのでな。」


そうして、火影が家をでてから一日が過ぎました。
「じいちゃん遅いってばぁ・・・」
とっても心配になったナルトは、家の外にでました。
すると、森の方から走ってくる火影の乗っていたはずの馬・・・
「なんでお前だけかえってくるんだってばよ!!じぃちゃんになんかあったんだってばね!?」
そういって、ナルトは馬にまたがります
「じいちゃんの所にいくってば!!!」



そのころ・・・
「すまん・・・迷い込んだだけなんじゃ・・・ここから出してくれ」
森の奥深くのさらに奥。
薄暗い奇妙な城の中にある牢の中に、火影は閉じ込められていた。
「ワシは道に迷ってしまって!それで、狼に追いかけられて!偶然ここまで来て一晩の暖を・・・」
「だから、あげてるじゃん?暖・・・」
たしかに、火影には温かい毛布と暖かい茶が出されていた。
そして、火影の牢の前にしゃがみこんでいるのは、銀色の毛並みの狼のような存在・・・
「もう家に帰してくれ!!」
「ムリ〜」
呑気にエロ本らしきものをひろげて気のない返事をする。
「あんたはなんなんじゃ!!」
「俺?俺はカカシっていうの。ここらへんの領主だったんだけどさ、綱手っていう魔女に仕事たのまれたのサボったらこんなになっちゃったの」
「ワシをどうする気じゃ!?」
そう叫ぶ火影をよそに、銀色の獣は優雅に座る。
狼の様だといっても、二足ほこうをして、ちゃんとタキシードのようなものをきている。しかし、すがたが獣なのだ。姿勢やしゃべり方は人だが、その姿は獣・・・
「おれさぁ、ちょーとわがまましちゃったら、魔女にこんな姿にかえられちゃったワケ?んで、運命の相手とチューしないと元にもどれないらしいのよ・・・カワイソウでしょ?でさ、あんたがここに来たのって運命じゃん?じゃ、あんたを確保しとけば、相手がそっちからくるんじゃねって俺はおもったワケ。ま、果報は寝て待てって事で、俺寝るから。テンゾウよろしく。」
そういって、燭台に向かって手を振る。
テンゾウと呼ばれた燭台は勝手に動き出して、火影に差し出されていた湯呑にお茶を足す。
「すいません。センパイがあのままだと僕らも戻れないんで、ご協力お願いします。」
そういって、火影の牢の燭台に火をともす。
「燭台がしゃべりおった・・・」
火影がさっと体をずらしてその燭台を見聞すると、さっと自己紹介をしだす
「俺はヤマトって言います。もとは人だったんですけど、呪いの余波でこんなすがたに・・・」
涙ぐましい献身ぶりの反省まで語ってくれたテンゾウは、その横で眠りに落ちている火影にそっと毛布をかけて、牢を後にするのであった・・・


つづく

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