かぐや姫くん8

「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」
きっと地上最強のショタコンナルト馬鹿と、天上最強のファミコンナルト馬鹿の戦いは、壮絶を極めた。
ナルトののいる台所をのぞいた屋敷内ほぼすべてを破壊し、さきほどまでは、きれいな庭園の広がっていた庭には、大きな穴ができていた。
「このショタコン!!君とナル君じゃ年齢だいぶ違うし!!ナル君には僕みたいにしっかりしてて、包容力のある人がいいんだぃ!!」
なんて、金髪ナルトバカが叫べば、
「なにいってんですか!!いい歳して、ナル君ナル君って、ファミリーコンプレックスの塊じゃないですか!!ファミコンは、ナルトの幸せだけを考えて、俺みたいに才色兼備揃ってて、しかもかなり愛しちゃってる素敵な年上の男に任せとけばいいんです!!」
なんて・・・銀髪ナルトばかが叫ぶ・・・


時間がたつにつれて、被害が拡大していく。
家の中から廊下、廊下から庭、庭からついには垣根をはかいし、ナルトのお気に入りのサクラの木が被害をこうむりそうになったその瞬間・・・


「やめぇぇぇぇぇいぃぃ!!!!!」


大きな声と、おそらく付きの民と思われる兵をひきつれて、月の光に乗って、降りたもうご老人・・・
「・・・とうさん」
そう呟いたミナトは、ハッとしておもむろにカカシを睨む
「こいつがナル君が帰るの邪魔するんだもん!!しかたなく・・・」
そういいわけがましく口にするミナトも、老人から睨まれてしまえば尻すぼみに声を小さくする。
「お前はだまっとれ!!すまなかったな。こやつは月の国の第4代の長・火影と呼ばれる地位にある男で、ワシはその先代じゃ。みなには三代目と呼ばれておる。ナルトや。お前の爺じゃぞぉ?」
まったくもってキョトンのナルトに、三代目が手を振ると、ナルトもその人懐っこさから手を振り返す。
「私はこの国の天皇で、カカシと申します。ナルトをお嫁さんにほしんですが、コイt・・・ミナトさんに反対されてまして・・・」
カカシは一応改まって申し出てみる。
「コヤツはナルトに近づくものすべていやなんじゃよ。何のためにナルトを下界におろしたかわかりゃせん・・・」
なんて、渋面つくっていう三代目に、カカシは問う。
「・・・え?ナルトがここにいる理由は、なんか罪を犯して、ここに落とされたんじゃ・・・」
カカシの問いに、今までは聞いてんのは来てないのか・・・だったナルトが反応する。
「火影のじっちゃん!!俺ってば悪い子なんだってば!?」
さっきまで鳥子にご飯をあげてご満悦だった顔に、緊張が走る。
「・・・それはの・・・」
「「それは・・・?」」
二人の顔が三代目に近づく。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!ナル君は知らなくていいんだょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉウグゥ!!」

さきほどまで三代目に睨まれて黙っていたミナトが叫びだす。
それをだまって見ていた綱手と自来也が押さえこんで、黙らせる。それを見やった三代目が、ため息と共に告げる。

「ミナトがあまりにもナルトナルトと仕事をしなくなってのう?月界の業務がなんにも進まなくなって反乱がおき、それを留めるためにナルトをミナトのそばから離したんじゃ。ナルトに何ら罪なぞない。あえていうなら、可愛すぎることが罪じゃったんじゃ・・・」
そう告げ終わるやいなや、三代目の連れてきた兵がミナトの両脇を抱える。
「え!?こうやって仕事を終わらせて迎えにきたんじゃん!なんでぼくだけ!?」
ミナトの抵抗も空しく、三代目の兵に無理やり起たされてしまう。
「アホ!!そもそもそなたはたまにナルトの事を見に来たり、ナルトの求婚者を半殺しにしたり、まだナルト病が治っていないことは明白じゃ!!それでも迎えに行きたいというお前をいかせたのは、こんな大乱闘を起こさせるためではない!!やっと仕事を片付けた褒美として呼び戻すはずが、お前ときたら・・・」
明らかな怒りを含んだ三代目の様子に、一瞬ひきかけたミナトであるが、ここぞとばかりに喰ってかかる
「だって!!やっと迎えに来てみたら!!こんなデカイ虫が・・・(泣)
しかも、ナル君は間近でみたら、覗いてみてるのの数万倍かわいいし!
もう僕のそばにおいとくためならなんだってしちゃう!!」
そういって瞬間ミナトは、兵たちをぶっ飛ばして、颯爽とナルトをさら・・・う、予定であったが、三代目に難なくとらえられてしまった。
「冷静さを欠いたお前を捕まえるなぞ、造作もない・・・」
そういって、三代目はミナトをさっさと牛車にのせてしまう
「ミナトのナルト病がおちつくまで、ナルトは地上にいなさい。ナルトのために道をあけよう。満月の晩に月を見上げて、ワシを呼べば一旦はこちらにこれるようにしてやろう。たまには会いにおいで」
そういって、ギャーギャー騒いでいるミナトを押し込んだ牛車ごと、月の民はみんな消えてしまった。
朝になったのだ。
周りを見渡せば、一帯が荒野となりはてている。今まであったことは嘘ではないと、状況が語っている。


「さ、輿入れの準備だな」
そういって、いつのまにか居たアスマがカカシの頭を軽く叩く。
「そうだな。でも、入内するまではどうしよう・・・」
そういって、いまさらナルトの住居をこわした事を後悔し出すカカシ
「大丈夫。俺んちから輿入れした方が方角もいいし、身分もそれなりに見える。わが猿飛家が盛大な輿入れにしてやるよ?」

ってことで、ナルト一家はアスマの家の遠縁と言うことで輿入れとなり、それに伴い、ナルトの事情を知っている貴重な人員はすべてカカシに召しあげられて、ナルトのお世話をしている。もちろん、綱手も、自来也もナルトのそばに・・・


一夜にして荒れ果て、見る影もなくなったナルトの家。その住人も消えて、あるのはサクラの木が一本・・・
いつしかおかしな噂が流れる。
『ここの家の姫は大層美しく、まるで輝いているような姿だった。妙齢のころに月からの迎えが来て月に帰ったのだ・・・』と・・・


それは、生涯たった一人の后しかもたないという、なんともかわった天皇が統治した時代のおはなし・・・




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