カカシ、任務へついてった。

ナルトと二人でさっさと寝ようとか思ってさっさと帰ってきた家の門の前・・・
見たことのある少年が俺の待ちかねたように待っていた・・・忍犬を従えて・・・
「ん?カカシ先生のお客さんだってば?」
(・・・浮気か本気かはっきりしろよ?)
一部、暗部にしか聞こえない特殊音声を使用しております。
俺、すっごい冷や汗・・・忘れてたよ。遊郭で見つけたナルトくらいの男の子・・・かんっぜんにナルトの目がヤバイ・・・

「あの・・・俺・・・助けてもらって・・・あの・・・俺・・・どうすれば?」
あららら・・・ナルトの抑えきれてない怒気にやられちゃったのかな?完全に震えちゃってるよ・・・
「こんなところで話しできないから中に入るってばよ?」
表面上は面倒見のよさそうなニカッとした笑いを向けて中に入るように促すナルト。
そっと男の子の背に手をあてて、安心させるようにさすってあげてる。
「・・・あの・・・俺なんにも持ってなくて・・・」
きっといろいろと怖い想像してるのかな?
大丈夫。
俺にはナルトは救い出せないけど、ナルトのように残酷な運命を残酷だと思わないままくらすようなつらい日々に陥ろうとしている男の子をこっそり助けるくらいの力量はあるからさ。
ナルトの背中越しに俺を見てくる子ににこって笑いかけたら、ナルトに門を閉められた。
「カカシせんせ・・・さっきの質問の答えは?」
(てめぇ・・・これ見よがしに俺と同じくらいの年の男連れてきやがって・・・このへんたいが!!この子は一般人だぞ!!)
うわぁ・・・キレるところそこなんだ・・・浮気を疑ってキレてよせめて・・・
「あの!!!僕、売られてあそこに居たんです!!それで、あの銀髪の人が助けてくれるって・・・だから、怒らないでください!!!!」
俺とナルトはびっくりした。
ナルトは表面上怒気を孕んでいることを察するのは難しい。
かすかなチャクラの流れを本能的に感じ取ることはできても、きっとナルトのチャクラだと判断するには難しいだろう。俺だってナルトの深層をチャクラを読むのは苦労する。でも、この子はそれを修行なしにやってのけた。
「君は、どうしてナルトが怒ってるって思ったの?」
ナルトが俺に目配せしてる。
冗談抜きに話さないといけない場になりそうだから、さっさと門を入って屋敷に入っていく。
歩きながらの質問にもオドオドしながら応えてくれた
「あの・・・僕、昔からへんなのが見えるんです。体に点みたいなのが見えてそこからマグマみたいに吹き出てるモヤが・・・」
きっとチャクラの流れが修行することなく見えてしまう特異体質なのだろう。きっと世間の上忍級のやつらの数段上を行く才能だ。この子をこのままにしておくにはもったいない。
きっと、ナルトも同じ考えなのだろう。
「君・・・忍者になる気ない?」
ここでノーと言っても忍の道をすすんでもらう。
こんな才能を放置なんてしない。
逃がしてあげたかったけど、残念ながらこの子にはもうすでに宿命、運命がのっかっている。忍以外の道に進めばきっとこの子はこの眼の使い方が分からずに消耗激しく死んでしまう。せめて使い分けられるまでは教育を受けさせてあげないと・・・
「もしかすると血縁のどこかに百眼が入っているのか?先祖がえりは珍しいことじゃない。それとも他里の・・・」
ナルトは完全に見解を考察しだしちゃってて全くどうしたものか。
「僕・・・帰る家がないんです。逃げ出す場所はもうないから、ここに居たいです。」
小さく泣くその顔がやっと子供らしくなって、俺もナルトもちょっと安心した。この子はまだ心がある。そして、自分で自分を考えられるだけの頭もある。
だから、大丈夫だ。
「ここには置けないよ。ここは里でもっとも危険な場所だもの。たくさんの秘密を守る場所だから。でも、遊びに来るぶんには構わないし、面倒見のいい奴を紹介してやるから、万年中忍のセンセイを・・・ね?」
にっこり笑った俺にナルトが怒る
「イルカ先生は上忍にならないだけで、立派な忍なんだってばよ!!」
あららら・・・完全にお怒りモード。
「でも、適任だ。きっとあの人なら・・・よし!そうときまれば色々かんがえなくちゃね」
ナルトが本当に満足そうににっこり笑って、ソファに座った。




「よし!!君は今日から『楓』って名のりなさい?」
そういって、ナルトのおしゃれ着を適当に着せてみる。色々と話し合った結果、火影様に包み隠さず話して育ててもらおうってことになった。俺もナルトもいない時間が多いし、誰かに何かを教えられるほどの時間は正直さけないし、しょうがない。
楓はうれしそうに服を着た自分を鏡でみてる。
「君をこれから火影様に渡すことになってるから、そろそろ行くよ?きっと楓はこれからいろんなことを学ばなきゃいけなくなるから、毎日大変だと思うけど、頑張るんだよ?」
ポンポンと頭を撫でてやれば、ただただ嬉しそうに笑う
「僕、勉強なんてさせてもらってことないから、嬉しいです!!頑張ります!!」


そうして、ナルトは暗部総隊長の姿に代わって、俺は俺で面だけ付けて火影様の前に楓を連れていく。
「ほう。どこまで見えておる?」
「・・・この狐の人からは表面上は穏やかなモヤが見えます・・・でも、奥で赤っていうか黒っていうか・・・怖い感じのモヤが見えます。あのドアの向こうにやわらかい感じのモヤが見えます。」
指さして言った瞬間、イルカ先生がノックの後に入ってきた。やわらかいチャクラ・・・納得。
「火影様お呼びですか・・・ッ!!その狐面は・・・暗部総隊長殿!?副隊長まで!!何事ですか!?」
イルカ先生に俺から事の次第を話してみたら、イルカ先生は楓をみてほほ笑んだ。
「すまんのう・・・イルカ。今日からこいつの面倒を見てやってくれ。しばらくはお前の宿舎の隣部屋に入らせる。」
「お任せください!!」
イルカ先生の元来の性質上、困った子供をほっておくワケがない。ひとまず安心して任せられる大人に託せた事に安心して、俺とナルトはその場を去った。


「イルカ先生がいてくれてよかったってば・・・」
まだ里の中を歩いているから、ナルトは無邪気な落ちこぼれで、俺はその担当上忍師。
「ナルトはさみしくない?」
「俺ってば大丈夫!あいつに抜かれないように修行がんばんないとなっ!」
にかって笑ったナルト。俺たちにはわかってる。
きっと楓は暗部を目指す。きっと俺たちの立ち位置を目指してくる。救いを差し伸べた人間を強烈なまでに追いかけるのは人の業だから。
それまでずっと暗部総隊長、副隊長を死守していかなきゃね?なんて、視線どうしで会話して、俺はナルトを抱っこして二人の愛の巣(笑)へ帰るのでした!!


  FIN

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