カカシ、大失態・・・

「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
リビングに流れる微妙な空気・・・
なんでかって?
理由は簡単・・・
俺のミスでナルトが大変なことになっちゃったんだよ!!
俺はついつい相手の術を体を反らせてよけちゃって・・・
でも、俺はナルトと背中合わせで戦闘してたワケで・・・
皆まで言わないでも察して・・・。
「なんとかしやがれ・・・」
俺のナルトが・・・俺のナルトのお尻からはウサギさんのしっぽ・・・俺のナルトのかわいいい頭からは、ウサギさんのお耳がピョン・・・
そして、かわいいナルトの恐ろしい殺気・・・泣きそうだよ・・・
だって!!!
「忍の習性でついついよけちゃったんだよ!しかも、すっごい人数だし、すっごい強い奴とかいたじゃん。」
「俺は全部うけてたがな・・・そして、すべて跳ね返した。ついでにいうと、お前が任せろというから背中を安心して任せていた・・・大事なことなのでもう一度いう。お・ま・え・が・任せろというから、俺は安心してお・ま・え・に背中を預けたんだ。」
すっごい怒ってる。俺のナルトとの距離は最近ぐっと近づいてたのに、ぐっと離れたような気がするよ。でもさぁ・・・どんなに怒ってても迫力ないよぉその耳とそのしっぽ・・・はぁぁぁかわいい。あいつらどんな術かけたんだろう?会得したいなぁ是非っ!そういえば残党を捕まえて精神解析してもらってるんだっけ?
そいつはこの術しってるかなぁ・・・すっごい欲しい!絶対手に入れてやる!コピー忍者をなめるなよぉ!!
「ひとつ言っておく。先日捕まえた残党はすでに俺の管理下にある。」
あらら?
ナルトの管理下ってことは、強度の洗脳からのナルトの部下かぁ・・・
ナルトの影となり手足である部下たち。暗部の中でも少数しか知らないナルトのためだけの部隊。ナルトの秘密を守り、ナルトの駒たる部隊。
暗部総隊長の直属の部隊だけに、志願者はたくさんいるのに、なぜか配属先として存在したことのない部隊。
時に残酷なナルトの手ゴマにされる里にもっとも被害のない人材。
そういうとナルトが非情に聞こえるけど、結局は洗脳された連中を誰も使いたがらないから、殺されそうになってるところをナルトが拾って居場所をあげてるんだよねぇ・・・中には里になじんでそのまま結婚して、この里に定住して、今じゃ受付やってるお嬢さんとか、中忍として普通に任務してるお兄さんとかいるから、きっとナルトがこっそり里の戸籍を書き直してるんだろうなぁ・・・
はぁぁぁ・・・ツンデレなとこも魅力的だよね!
「螺旋丸!!!」
「ぎゃーーーーーーー!!!っナルト!危ないでしょ!」
「・・・なんか不穏なものを感じた。無礼で不穏で・・・カカシ。変なことはかんがえるなよ?」
思いっきり術かました後に睨まれたら、もう冷や汗だよ。
でもさ・・・すごもうか、怒ろうがかわいいんだよその姿!まず耳だよね。そんでちょっと怒ったときにプクっと膨らむしっぽ。
ま、全部俺ので、俺以外みせるつもりはないんだけど、見せびらかしたいくらいかわいい。
でもさ、これのせいで術の解読終わるまでの間、ナルトは7班の任務も、暗部の任務もお預け。この家から出られないんだよね。外の風に当たってるのが好きなナルトには本当につまらないだろうなぁ・・・
「ごめんな。ナルト・・・」
なんか、すっごいわるいことした気になって、すっごい凹む。俺最低。
「・・・お・・・」
ナルトがなんか言った?おってなんだ?
「お・・・お前が術にかからなくて・・・よかったよ・・・」
ぬっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!今からでも敵忍全員にお礼言いに行こうかってくらいうれしい!ナルトがデレた。ナルトがデレた!ナルトがデレたぁぁぁぁぁぁ!!!!
もうツンデレっていうよりもツンツンだったナルトが・・・
「・・・お・・・お前がウサギじゃキモイからだ!!」
顔真っ赤だし、耳がせわしなくフルフルしてるし、きっとホントはしんぱいしてくれてるんだよね?
ナルトはウソつきで正直だね・・・。
さ、俺もナルトの術を解くために、ちょっくら文献さぐりますかね!!
「じゃ、俺出てくるから、ナルトはたまにはのんびりしなよ?」
「カカシ・・・昨日から徹夜なんだから、ちょっと寝て・・・」
「大丈夫。それより、早く元にもどしてあげるからね?」
心配そうに俺になんか言いたそうにしてるナルトに、普段は一緒にでるか、ナルトのほうが早いからあんまり言えない
「いってきます」
を言って、ドアをでると、小さな声で「いってらっしゃい」って聞こえる。
小さいけど、なによりもうれしいね?
大失態の結果。
いつもは味わえないものが味わえました。ちょっと嬉しい失態・・・
ナルトに怒られちゃうね。



  FIN
おまけ
「な・・・ナルトさん!?この夕飯は?」
「ん?テンプラ」
「・・・なんで?」
「俺の耳は誰のせいだ?」
「・・・イタダキマス泣」
心配はしてくれても、許してはくれてないみたい。

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