しあわせな結末・・・

俺はうずまきナルト。里の落ちこぼれ下忍。
そんで、里の嫌われ者で、ついでに担当上忍にはさらに嫌われてて、俺はその担当上忍に恋心驀進中・・・


みんな望みすぎだってばよ・・・好きだから付き合いたいとか、好きだから見てほしいとか・・・
俺ってばしってるんだ!!
本当に好きなら、ただ相手を見れるだけで幸せなんだってばよ・・・
例え、相手から刺すように冷たい殺気のこもった視線で見つめ返されても・・・



「か〜か〜し〜先生!!!」
俺ってば今日も元気。俺の大好きなカカシ先生に抱きついて、今日も触れられる幸せに浸る。
「触るな化け物」
小さな・・・小さな声で耳元でささやかれても気にしない。
俺ってば聞こえないふり。見ないふりは小さいころから得意なんだってば。
でもこれ以上抱きついてると、殺気で気絶しそうなくらい圧迫感あるし、今日のところはそろそろやめとこう。
「もう!!ナルト!カカシ先生に抱きついてないで!!今日の任務の内容聞かなきゃ」
サクラちゃんがいっつもナイスタイミングで俺をたしなめるから、それにしょんぼりするみたいなフリしてささっとカカシ先生の背中から降りる。
「さて、今日はきのこ取りで〜す。」


カカシ先生に連れられて来たのは、木の葉の裏にある大きな山の松の林。
「ここで、木の葉の料亭で出す松茸をとるのが今日の任務です。この時期はきのこがたくさんなってるけど、その分、冬眠前のクマとかも出るから、各自気を付けてね。」
そういって割り振られた場所にそれぞれ向かう。
俺の割り振られた場所は、岩場・・・きのこなんて生えてない。むしろ、木が生えてない。
「・・・またかぁ」
小さくつぶやくと同時に、旋毛風が現れ、その中心にカカシ先生が現れる。
「やっぱり気づいてたんだ・・・」
カカシ先生の目は普段の、隠した殺気を孕む目ではなく、明らかな殺気・・・
「毎日、毎日へばりついてくるから、てっきり聞こえてないのかと思った・・・」
妙にニヤ付いた顔で近寄ってくるカカシ先生は、なんだかとっても楽しそうで、ちょっと怖い。
「お前見てるとさ〜・・・殺したいほど憎いのに、大切な師匠との約束守らなきゃいけないから、ちょっと葛藤とかあって、ずっとイライラしてたんだけど、もう決めた・・・ちょっとさぁ、死んでみて?」


カカシ先生のクナイが、俺の顔を貫いた・・・ように残像が残る。
「ん?お前によけられるような斬撃じゃないよ?」
カカシ先生の笑顔が、凍りつく。
「・・・カカシ先生・・・俺ってばずっとずっと、殺される寸前まで追い詰められることがたくさんあったんだってば・・・そんで、ちょっとずつ強くなったんだってば・・・
火影のじっちゃんが俺にいろいろ教えてくれて、今はカカシ先生の監視任務のために、ここに配属されたんだってば・・・」
カカシ先生の顔がドンドン強張っていく。そりゃそうか、、、監視対象と思いきや自分が監視されてるんじゃ、、、ね・・・
俺は普段のドベから一転して、感情の乏しい、忍らしい顔でカカシ先生に対する。
「はたけカカシさん。あなたは里の秘法であり、血系限界の車輪眼を持つ里の誉れ。
そして、私の担監視任務をこなす日々の中で、少々チャクラの乱れを感じる部分が多く、精神に異常を来たしては困りますので、火影より監視任務を任されておりました。特別暗部のうずまきナルトと申します。
これよりあなたの記憶の操作を行います。抵抗する場合は容赦なく拘束いたしますので・・・」
俺ってば、仕事をしなくちゃいけないから、簡単な術式を地面にクナイで書いていく。カカシ先生はその間全くといっていいほど動く気配がなく、ただうつ向いている。
『シュッ』
カカシ先生からクナイがとんできたから、それを指で受け止めて、カカシ先生の手甲に投げ返す。
『チチチチチチチチチチ・・・』
なんだか嫌な音・・・あらら・・・やっぱり雷切りか・・・
「くらえ!!」
カカシ先生がこっちに向かってくるから、俺ってば隠し刀を抜いてさっと前方に線を引く
「これ以上私に近寄った場合。あなたを拘束します。」
その線をカカシ先生が越えた瞬間に、俺は背後に回り込んでカカシ先生の体にチャクラを練りこんだ鋼線を巻く。
「下手に動けばここでバラバラ殺人事件になりますよ?」
手には雷切り。目は車輪眼全開。その状態のカカシ先生があっけなくへたり込む。
「・・・」
たとえるならがっくりッて感じ。とりあえず術式の中心に誘導して座らせる。
ここまでしちゃったら、俺の記憶を消さないとだめだろうな・・・今の出来事とか、カカシ先生の心を乱す何かを消すだけだと危険だ・・・カカシ先生から俺の存在を消さないと・・・さみさいいなぁ・・・
でもいいんだ。監視任務がある限り、その姿を見ることはできる。
本当の恋は、見ているだけで幸せになれるんだ・・・


「好きです!!!つきあってください!!!」
・・・あれ?
「俺。強い人好き!!っていうか、俺がかなわないって思うの、これで二人目!!一人は妻子持ちだったし、もう死んじゃってるし・・・ナルトのお父さんなんだけどね!!ナルトは俺にあんなにラブビーム向けてたんだし、フリーだよね!!じゃあ、もう付き合うしかないでしょ!!ま、俺はお金も地位もあるし、ナルトのためだったら暗部に返り咲いてもいいなぁ・・・ね?付き合おう?」
・・・なんだこの展開・・・もしかすると、恋は見てるだけの方がよかったのかも・・・とりあえず逃げよう。こんなカカシ先生逆に怖い。。。


「ナ〜ル〜ト〜・・・もし逃げたら里中にお前の正体ばらすよ?特別暗部って絶対バレちゃいけないでしょ?」
にこやかな脅しの元に、俺、捕獲されました・・・



みんな贅沢だってばよ・・・
恋は見ているだけの方が幸せだったってば・・・
「ちなみに俺、強い人を組み敷くのが大好きだから!!」
そんな言葉と共に、茂みに連れ込まれる俺・・・
しあわせな結末には程遠いけど、ちょっぴり嬉しい結末です。

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