いざ任務!! 1

「おはよう諸君!!」
俺の登場は決まって集合時間の数時間後(笑)それでも集合時間通りに来てる子どもたちって本当に偉いよね・・・ナルトなんて俺が集合時間にはまだベッドの中にいるのを見てるはずなのに、ちゃ〜んと集合場所に来てるあたりがかわいいっていうか、抜かりがないっていうか・・・
「遅いってばよ!!」
元気にどついてくるが、上忍の俺には本来は下忍の攻撃なんて簡単にかわせる・・・でも、ナルトは普通の下忍ではない・・・片目しか出していな俺に、動けないように術をかけてから、いかにも軽く叩いたくたいにしか見えないようにして攻撃してくるが、目にも止まらぬ速度で蹴りが・・・イタイよナルト・・・


「今日はなんの任務だってば?」
俺が悶絶しているのを軽く流して聞いてくるあたりでもう鬼ですよね・・・サクラもサスケも完全に俺がふざけてしゃがみこんだと思ってるから、モノッすごい面倒くさそうにこっち見てるから、俺も任務の説明しないとな・・・でも、立ってるだけで結構根性いるくらいには痛いのよ・・・俺。
「え〜っと・・・今日はこれから裏山を越えて行商に行く商人の護衛です。ただし、里の中だけね?里外は専門の忍が他に付くそうなので・・・」
この任務はおそらく一筋縄ではいかない。今までのドベのナルトしか知らない俺なら受けなかった『危険な任務』Dランクになっているが、それなら里内だけ別の忍を頼んだりしないだろう。里の内部こそ危ないから、忍を雇う。外に出てしまえば安全だからこそ、他を雇っている事にでもしているのだろうね・・・
「今日の任務は危険があるかもしれないから、各自装備はちゃんとしてね?ナァルト!!ちゃんとクナイとか持ってる?」
何食わぬ顔でよそ見をしているナルトに注意をする・・・と、いうか、明らかに誰かに監視されていることにナルトも当然気づいて、そっちを見ているのを、辞めさせる。明らかに『ナルト』が気付く気配ではないから。俺は、ナルトの実力が里にばれるのはいやなんだよね。引き裂かれるなんて絶対イヤ!!
「さて、それじゃ、遅刻する前に行こうか!!」
俺の言葉を皮切りに、何かと文句を垂れつつ、下忍3人が付いてくる。
『カカシ・・・』
もちろん、特殊音声で、ナルトが話しかけてくることも想定済みです。
『わかってるよ・・・任務があやしいんでしょ?』
『あぁ・・・何を隠してると思う?』
『大方、行商を装った忍なんじゃないの?最近の木の葉急成長の原因を探りに来たんだよ・・・』
会話を続けていつつも、普段のようにはしゃぐナルトと、それをたしなめる俺の表面上の会話とかはしてるから、サスケもサクラもなんにも気付いてないだろうけど、俺たちは、このまま任務に就くにしても、この二人を守りながら不測の事態に備えなければいけない状況を切りぬけるべく作戦を立てる。
『カカシ・・・もしどうにもならなかったら俺をおいていったん逃げろ。こいつら守りながらじゃ、もしもの時おれは本気を出せない。』
ナルトの言い分はもっともなんだけどなぁ・・・そこは、ヒーローな俺が残るべきじゃない?カッコよく「行け!!」なんて言葉と共に、俺がナルトたちを逃がすんだ・・・きっとナルトだって俺に惚れ直してくれるんじゃないかなぁ・・・フヘヘヘ・・・
『カカシ・・・考える事が手に取るようにわかるぞ。キモイ。俺とお前の実力はわかんだろ?俺が本気出せれば大抵の敵は消せるぜ?』
・・・はい。俺玉砕。
俺かわいそう・・・実力NO.1の忍なんて、表向きだけじゃん!!裸の王さまじゃん!!ピエロじゃん!!

なんて、拗ねてたら任務の集合場所に付いちゃった。行商人と、その荷物と、数名の従者・・・さてさて、何が出るかはお楽しみ・・・
楽しい任務のお時間ですよ・・・


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