感情×愛情2

ナルトを病院に運んで、ひとまず事態を火影様に報告に行く。
なんて言えばいい?
とりあえず倒れたとだけ伝えよう。


「バカモノがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
倒れた旨を伝えようと火影様の部屋に入った瞬間に怒鳴られた。
看護忍のほうから報告が入っていたのだろう。
「すいません・・・体調が悪いのに気付きませんでした・・・」
なんて、とりあえずの謝罪を入れれば、今度は火影様の隣に控えていたイノイチさんに叩かれた。ま、避けたけど・・・
「ナルトの精神が崩壊したんだよ!!お前が壊したんだ!!あの子の精神世界を見せてやる!!」
そう言って、イノイチさんに引っ張られてなんだか特殊な部屋に連れてこられた。元暗部の俺ですら入ったことのなかった部屋。
そこにナルトが寝ていた。
「あれ?病院に・・・」
「病院では話にならんのでな、こっちに連れてきたんだ。」
「はぁ・・・」
あぁ、面倒だなぁ。だいたい、倒れたのって俺のせいなワケ?
「始めるぞ」
印を組んでそれをナルトの胸元に寄せた瞬間、世界が真っ暗になった。
真っ暗な中に、俺の姿がある。
俺と歩く女の姿がある。
俺と寝る女の姿がある。

ナルトの手を払いのける俺が・・・いる。
「これは?」
「ナルトの精神世界だ。」
そんなのわかってる。どうしてこんなの見せるんだろう?だってナルトは平然としていて、俺が誰とキスしようが誰とセックスしようが涙もチャクラの乱れもなく普通にしてたのに・・・
「カカシ!!!ナルトはまだ子供だ。」
そんなのわかってるし・・・ナルトのことなら体の隅々まで知ってる。
「そうですね・・・知ってますよ?」
「ナルトが大丈夫だなんて、どうして思ったんだ?」
見透かされてる?
「・・・平然としてましたから」
「おまえ!!!・・・・・・・・・はぁ・・・いつからナルトを見てないんだ?」
そういってイノイチさんに促されるままにナルトの寝顔を見る
!?
なんでこんなに白いの?
なんでこんなに細いの?
なんでこんなに傷だらけなの?
「俺はナルトの精神世界の深層を見た。お前の行動がこの子の心にずいぶん深く刺さっていたぞ・・・。よくいままで耐えてきたモノだ。初めての恋人がすることすべてが「普通なこと」と思っているナルトにとって、己の嫉妬が「普通ではない」事に思えたんだろう。だからおしこめて押し込めて抑えきれなかったんだろう」
「・・・俺にも、見せてください・・・」
この精神世界の中は暗くて寒い。そして、きっとナルトの心の中が暗くて寒い原因になっているのが俺の浮気。
ならば、見なければならない。
ナルトの精神世界を。
ナルトが今、どんな状況にあるのかを・・・





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