助けを呼ぶ声9

それからの日々、俺はナルトとともに生活をしている。
もうだいぶ経ってて、かれこれ3週間くらいずっと一緒にいる。
俺が買い物に行くときは忍犬か影分身を置いていくし、ナルトが外に出たいと言えば一緒に付いていく。お互いに一人になれるのはトイレくらいカナ?
ナルトは体はだいぶ治ってきたけど、心が伴ってこない。相変わらず無表情にベッドに横になっている。
あまり動かないからなのか、それとも心がそうさせるのか、ナルトは食が細くて今は女の子みたいに細くて白い。


「「「「こんにちは〜!!」」」」」
この部屋には毎日たくさんの来客がある。今日はサクラ、サスケ、いの、シカ丸、チョウジという面々が来た。ナルトはあいかわらず無表情なんだけど、もう3週間もずっと一緒にいるとちょっとだけ嬉しそうなのがわかる。
「ナルト〜あんた真っ白ね・・・うらやましいわ・・・」
興味深くナルトの肌を凝視するサクラといのに、シカマルもチョウジも笑う。
「この中で一番白くて華奢で可愛いのはナルトだなっ!!」
こどもって怖い・・・
確かにナルトはこの中だけじゃなくて里一番・・・いや国?世界!!世界一かわいいからしょうがないんだけど、それを病んでるナルトにいうなんて・・・気にしちゃったらどうしてくれるのさ!!
「それは褒められてるんだってば?」
ナルトが喋った。なんだか無表情の中にも楽しげな雰囲気を醸し出して、ナルトが喋ったから、みんながナルトを見る。
「なんだよ。褒めてんだよ・・・めんでくせぇ」
照れたように頬を掻くシカマルに、ナルトは「じゃ、ありがとうってば」とか、ちょっと嬉しそうな顔で笑った。
最近のナルトは、俺にしかわからないかもしれないけど、良く笑う。
黙ってただみんなのうしろに控えているだけの俺と目があった瞬間にスッて細める目が、まるで俺に向けて笑ってくれてるような気がする。
俺は自分のしたことに責任があって、何があってもナルトを守ってそばにいるって誓ったから、ナルトから言葉をきくまでは決してぶれない。何物にもナルトを傷つけさせない。この心愛しい生徒たちがたとえばこの場でナルトを傷つければ、俺は迷わず切り捨てる覚悟がある。守って見せる。


「お邪魔しました〜」
騒がしくあわただしい滞在も、夕暮れが終わりを告げればさっさと帰っていく。
「カカシ先生・・・」
こどもたちを見送って一息入れたらナルトが俺を呼んだ。
「今日は、カカシ先生の卵粥が食べたいってば・・・」
ナルトが
俺に
小さいわがままを言った・・・
なんて嬉しいことだろう。
なんて幸せなんだろう。人間幸せになると涙が出るんだね。
「わかった。とってもおいしいの作ってくるから。」
涙でかすんだ足元をじっと見つめていつものように忍犬を出して、キッチンに向かう。


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