助けを呼ぶ声7

火影様に報告をしたら、俺とナルトは無期限の長期休暇をもらうことができた。
ただし、俺は指名の任務には行かなきゃならないから、そこら辺は渋々了承してきたけど・・・
さっさとスーパーで適当に食材を買って、忍具屋で造血薬と痛み止め、それから切れないクナイを調達してさっさと帰宅する。
「ただいま〜」
職務がおわったらこちらに来ると言っていた火影様の言葉を思い出していそいそと掃除をし出した俺に、ナルトが無表情にこっちをみてる
「らーめん・・・」
「ダメっていってるでしょ?せめてもうちょっと元気になってからね?」
そういった瞬間に一瞬ナルトがほっぺを膨らませて怒ったようにみえた。昔みたいにふてくされて「カカシ先生のいじわるぅぅ!!」って言ってはしって帰る後ろ姿を見てたあのころみたいに見えた・・・
「ナルト・・・」
思わず呼んでみたら、いつもの無表情に戻っちゃった・・・。でも、ちょっとだけでもナルトに表情があるのが嬉しい。
なんか涙出てきちゃって、恥ずかしかったから掃除してるふりして後ろを、向いて隠した。
そして、掃除のついでにナルトのクナイを子供用のゴムクナイにこっそり変えた。
まだクナイなんて握ったことのない子供に持たせるモノだから、殺傷能力なんてないおもちゃ。いまはナルトにクナイなんて持たせたくないし、でも忍の矜持たるクナイがないのはかわいそうだから、その代わりってことで。
しばらくはおれがそばにいるし、忍犬だっているから見た目まるっきりクナイのおもちゃに気づきはしないだろう・・・。


『ピンポーン』
来た。火影様だ・・・
「はい」
ドアを開けて、さっさと寝室に案内すれば、ナルトは起きあがって火影を迎えた。
「じっちゃん・・・」
「ナルト・・・なにがあった?」
火影様がナルトの寝てるベッドの横にそっと立つ。俺の差し出した椅子に座ることなくただただナルトの顔を見て憐れんだように頬を撫でて・・・
「俺ってば里の誰かに殴られたんだってば。蹴られたんだってば。んで、もう嫌になって死のうと思ったらそれをカカシ先生が助けてくれたんだってば。」
ナルトはぎりぎりのラインで間違ってたこと、嘘はいっていない。
「俺」という「里の誰か」にやられて、俺に助けられた。ま、ナルトは助けたなんて思ってくれてないんだけど、でも俺はナルトを助けられてよかったよ。
「そうか・・・ナルト。つらかったのう?でもカカシがこれからお前のそばにいる。ずっと守ってくれるからあんしんて養生しなさい。」
火影様もあわただしいスケジュール管理の中をきてくれていたから、そばに控えていた暗部に促されて何度か振り返りつつも帰って行った。




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