花粉症はつらいよ

「クシュン!!」
今日も今日とて庭の草むしり任務の最中に大きなくしゃみが一発・・・
「ナルト!!あんたなんでこっち向いてくしゃみすんのよ!!」
サクラの怒りの声を聞いて、謝ろうとするナルト・・・
しかし・・・
「クシュンクシュン!!!!」
おもいっきりくしゃみに阻まれて謝れず、ナルトが涙目でサクラに助けを求めようとしたとき
「花粉症じゃねぇか?」
だまって事の成り行きを見守っていたサスケが割って入る。
「花粉症ってなんだってば?」
「簡単に言うと、この時期になると花とか木とかが花粉っていう粉を飛ばすの。その花粉って言うのに反応してくしゃみが出たり鼻水が出たりするのよ・・・」
サクラの解説によってだいたいは理解したナルト。
そして、この庭の横にあるのは大きな杉林だということにも気づく・・・
「サ・・・サクラちゃん・・・この木が出してる黄色い空気が・・・その花粉ってやつだってば?」
コワゴワといって体できいてくるナルトに、サクラもサスケも首肯すれば
「俺んちの隣・・・この黄色い空気出す木がいっぱいはえてるってば・・・」
もう真っ蒼な顔で泣きながら「どうすればいいってばぁぁ」とか言いながら泣いているナルト・・・
「じゃ、俺んちくる?」
そう言ったのは、音もなく背後に立ったカカシ。
もちろん、下心ありありの顔で・・・
「ナルト!!アタシの家にきなさい!!こんな下心ありありな人のところに行ったら何がおこるか・・・」
サクラが睨めつければ、カカシがにやにや・・
「恋という字の下には心だよ」
そういって、すばやく印を組んだら何人ものカカシが出現して一瞬にして庭の雑草が消えていく。



最後は集めた雑草を灰も残らないように燃やして、茫然としているサクラとサスケにポンッと任務完了報告書を渡したと思いきや、ナルトをさっとお姫様だっこしてしまった。
「さて。じゃ、ナルト!!行こうか!!」
「なんで抱っこされなくちゃならないんだってばよ!!」
暴れようとするナルトに
「花粉症は歩くと悪化するんだよ?」
なんて、先生然とした立派な顔で「知らないの?」なんて言ってしまえば
「しってるってばよ!!」
って返ってくるのはわかりきってることで・・・
「ナルト!!!何かあったら噛み切ってでもにげるのよ!!!」
ものすごいスピードでその場を後にするカカシに背後から聞こえるのはナルトを心配する面々の声だけだった・・・



  数日後
「おはよう」
「おはよってば!!」
花粉用マスクをしてカカシに抱っこされて来るナルトが見慣れた光景になったころ・・・

みんなそろって受付で任務完了報告書を出していた時のこと
「イルカ先生っチューして!!」
「!!!????」
その場にいた全員が度肝を抜かれた。
約一名だけ冷や汗を流している片目の銀髪以外は・・・
「カカシ。どういう状況じゃ?」
受け付けに居合わせた火影の尋問によって出された答えは
どうやらくしゃみが出そうな時は誰かとチューすると治ると教えられたらしいナルト。



その後、カカシはしばらくの間、里外任務に就かされたとか・・・


  FIN

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