ひろいもの4

しばらくはナルトが見ている母犬の消えたほうをみてたんだけど、そろそろ寒いし、おなかすいたし、ナルトを首輪から解放すべく、近づいてみる。パックンもいっしょだからか、ナルトは腰は引けてたけどにげることなくその場にいる。
『カチャン』
とりあえず首輪にかかった鍵がどうしようもないから鎖だけ解いて、抱っこしようとしたら・・・
『ガブ』
・・・うん。かまれたよね・・・ま、そんなにいたくないからいいんだけどねぇ。
さて、どうしたもんか・・・プルプル震えながら思いっきりかみついてきてるナルトを抱っこして連れてきたのはいいんだけど、明らかに怖がっちゃってるよねコレ・・・俺には抱っこされていたくないケド、床に下ろされるのもイヤ・・・的な感じなのカナ?俺の首にぶら下がるのはいいんだけど、結構苦しい・・・でも、俺が手を出して支えると手から逃げる・・・どうしたもんか・・・あれ?
自分で床に下りたぞ・・・あぁ・・・パックンみて大丈夫だって判断したのカナ?しきりにパックンを見てるあたり、学習能力は低くないみたいだねぇ。

さ、ごはんにしましょ・・・
この子は何を食べるんだろう?
っていうか、あの大名はなにをあげてたんだろう?
どうすっかなぁ・・・ま、一応俺と同じ食事をあげてみましょ・・・。



さて、たぶん箸なんて無理だと思われるから平たい皿に盛った見方によってはロコモコ・・・ま、ただ白飯にハンバーグ(冷凍のチンするヤツ)乗っけて、適当にケチャップかけたのを、そっとナルトの前に出してみた。
フンフン臭いはかぐんだけど、その前にお座りしてて食べる気配なし・・・
おなかすいてないのかな?
ま、俺はさっさと食べるけどねぇ・・・
食べなかったら無理やりたべさせましょ。こんな細っこいんじゃイロイロ心配だしね?
俺がテーブルにハンバーグとかおいて座ったら、ナルトが膝の間に座り込んだ。
「ワフッ」
一言吠えるとともに俺のズボンのファスナーを下ろし始めた。
俺はあまりのことにびっくりしすぎて固まってたら、ナルトが俺のオタカラ掴んで舐めようとするもんだから、とりあえずその手をつかんで立たせる。
「パックン!!!これどういうこと?」
あせって聞いた俺がバカだった・・・
「わぅ?」
ナルトがパックンにワゥワゥ言ってて、パックンが例に及んで通訳してくれたんだけど・・・
「ぬぬぅ・・・ご主人様のペロペロしないとご飯は食べちゃだめだったそうだ・・・」
苦虫を10匹くらいかみしめたような苦々しいことこの上ない顔でパックンが俺に告げたんだけど、たぶんソレきいた俺の顔は苦虫1000匹噛みしめたくらいだったかも・・・。あり得ない・・・人生でこんなに怒りがわいてきたのは初めてだよ・・・
「ナルト。もうしなくていいよ?今度からはご飯が出てきたらいっぱい食べていいから」
俺がゆっくり目を合わせて話したら、なんとなくわかったみたいでソロソロご飯の皿に歩いて行って、こっちを見つつも食べてくれた。
あの大名を木っ端微塵にすることを考えつつ、俺はナルトとの初めての食事を楽しんだ。

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