受難のちハッピー

「俺のナルトがぁぁぁぁぁ!!!!」
俺を抱っこしながら泣いているのは、この里の上忍で俺のあこがれの人。はたけカカシ先生。
「クスン・・・ナルちゃん・・・お前の眼は綺麗な青だねぇ・・・まるでナルト見たいだよ・・・ま、本物のナルトのほうが1000倍かわいいし綺麗なんだけどね・・・」
「コン!!(そのナルトが俺だってば)」
「あぁ・・・ごめんよ。お前のも綺麗だよ?世界でナルトの次に綺麗・・・ハァ・・・ナルトはどこにいっちゃたんだろうねぇ?」


そう。
俺は、朝起きたらなぜか狐になってたんだってばよ。
しかも、普通の。しっぽが9本あるわけでも、妖力があるわけでも、チャクラが無尽蔵に作れるわけでもない・・・普通の狐(-_-;)
それで、なんとかかんとかカカシ先生の家まで来て、インターフォンが届かなかったからドアに体当たりしたんだってばよ。
そしたら先生が、なんかしらないけど、俺を抱っこして部屋に入れたんだ。
俺ってばてっきり俺だって気づいてくれたんだとおもったんだけど、なんか違くて・・・
「なんか、ナルトみたいに綺麗だから、おまえは今日から『ナル』って名前な?あぁ、トイレとかエサとか買わないと・・・狐ってなにたべるんだ?」
とか言いながら、そっと俺の脚を拭いてリビングに入れてくれたんだってば・・・
「とりあえずこれ食べて?」
出されたのは、白いご飯に味噌汁かけたヤツ。
「俺の朝ごはんののこりだけど、今日の帰りに油揚げ買ってくるから」
「コン!!(俺ってばラーメンがいいってばよ!!)」
「お!お前は頭いいなぁ・・・返事してくれるんだぁ・・・ヨシヨシ。油揚げ楽しみにしててよ」
「コンコン!!(だから!!俺ってばらーめんがいい!!)コ〜ン!!(っていうか、俺ってばナルトなんだってっば!!)」
「ハイハイ。ちゃんと買ってくるから」
俺の頭をヨシヨシってなでながら、カカシ先生が玄関に向かう。なんとなく、ついていってみれば、玄関マットで足止めされた
「おすわり」
条件反射で座る俺
「お前は本当に頭がいいなぁ・・・よし!落ち着いたら俺の右腕になってもらうよ。」
カカシ先生が嬉しそうに笑うから、俺ってばなんかわかんねぇけど、カカシ先生に前足をかけて顔をなめたんだってば
「コラコラ。」
怒ってないのに怒ったみたいなこと言ってるってば。
もっとなめちゃえ!!
「アハハ・・・くすぐったいよ。ハァ・・・ナルトともこれくらいちかければなぁ・・・」
「コン?(どうしたんだってば?)」
突然、なんだかわかんねぇけどシュンとしちまったカカシ先生に、俺はすぐに舐めるのやめて向きなおったんだってば。
「アララ。なぐさめてくれるの?かぁわいいねぇ・・・ま、ナルトの次にだけどね?」
そういって、俺をそっとどかして立ち上がるカカシ先生
「俺は任務に行ってくるからここでゆっくりしててね?ペットOKのマンションだけど、あんまりうるさくはしないでね?」
あぁぁぁぁ!!!俺ってば任務行きたい!でも、この姿じゃ・・・
「行ってきます」
「コン(いってらっさい)」
条件反射で応える俺・・・はぁ・・・どうするんだってば・・・
なんか変なもん食ったかなぁ・・・昨日は、確かサスケにもらったクッキー食べて、パン食っただけだよな。ん?サスケからもらったクッキーになんか入ってたのか?
いやいや・・・
だってアレはだれかからのもらいもんだって言って、捨てようとしたところを俺がもらってやったんだってば・・・
あぁ・・・俺ってばこのままずっと狐なのかなぁ・・・一楽のラーメンたべたい
『バン!!!』
あれ?
「コン(おかえり〜)」
なぜか血相変えて忍犬つれたカカシ先生登場。
「なんでナルトのにおいをたどったら俺の家〜!!!!!????」
俺に向かって盛大にほえる忍犬達。
うなだれるカカシ先生・・・
で、冒頭に戻る


「クスン・・・俺の・・・俺のナルトが行方不明・・・」
俺の首根っこつかんだままのカカシ先生が心配で、そっと涙をなめてみる
「お前はやさしいねぇ?あ・・・油揚げかってないや・・・」
「コン!コンコン!!(そんなのいいってば!俺ってばここにいる!!)」
一生懸命訴えてんのに
「あぁ、おこんないでよ。後で買いに行くからさ。あぁ、影分身に行かせようかな・・・」
もうなんか・・カカシ先生が雑だってばよ。いつものらりくらりとしてっけど、こんな適当に忍術使う先生初めてだってば・・・
「俺のナルト・・・うぅぅ・・・忍犬でも、追尾型エリート上忍の俺すら見つけられないなんて・・・ナルトォォォ・・・すきだぁぁぁぁ!!!結婚して!!もうナルトが見つかるなら俺遊郭行かないし、色任務しないし、イチャパラも1日1冊にする!!!ナルトォォォ!!!!」
『ボフン』
「カ・・・カカシせんせ・・・」
俺、こんなタイミングで戻っちまったってば・・・
「ナルトォォォォ」
涙でいっぱいのカカシ先生は俺を抱きしめて、さっきの言葉を繰り返す。そりゃもう。
10分とか、20分とか繰り返してた。
「・・・ナルト。俺と付き合ってください」
・・・遅いってば。順番間違ってるってば。
でも。
「いいってばよ?」
恥ずかしくて下向いた俺の顔をそっと上向かせて、カカシ先生がそっとキスをした。


  FIN
「ナルトにやったクッキー・・・動物変化の薬はどうなったカナ・・・
たまたま通りかかった風にして、狐になってるナルトをそっと助けて、面倒をみる。優しい俺に惚れるナルト・・・かん・・・ぺ・・・き・・・」
ボソボソといいながら、ナルトの家に向かう途中のサスケが目にしたのは、仲睦まじく手を繋いで一楽に行くナルトとカカシなのでした・・・

[ 59/95 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -