狂喜の愛情

愛してる
あいしてる
アイシテル
ア・イ・シ・テ・ル


この世界がこわれてもいいってくらいに、俺はナルトが大好きで。
その想いに答えてくれないナルトが大っきらいで。
俺はナルトを閉じ込めた・・・


「カカシ先生・・・俺ってば、どうしてこんなところに・・・」
暗くてしめっぽい座敷牢にナルトは幽閉されている。
なんの罪もない。
ただ、九尾を封印されているって理由で・・・
里の定例会議で毎回毎回出る議題。九尾の小僧をどうするか。毎回毎回結論が出ないのに、今回は『幽閉』という結論が出た。
かんたんな話。俺が全員に幻術をかけただけ・・・おれは猛烈に反対するフリして、最後まで粘った・・・ナルトを幽閉するなら抜け忍になるとかなんとかいって、なんとかしようとしてる担当上忍を熱演して、最後は自分が監視員となれるのであれば、一時の幽閉を認めた・・・
俺は毎日暗い暗い座敷牢の中のナルトと二人きり。
「カカシ先生・・・俺ってば外にでたいよ・・」
泣きながら毎日暮らすナルトに、俺は献身的に世話をする。
「きっと俺が出してやるから、今はおとなしくしておくんだよ?」
にこっとちょっと疲れた感じで微笑めば、ナルトはそっとちいさく「ありがと」っていって、いつも座ってる牢のはじにちょこんと座る。
こっちをそっと、チラチラ気にしながら・・・
きっとナルトは俺を好きになる。
いぜんからずっと、好きだと言い続けていた俺がずっと一緒にいて、状況はわからないにしろ、きっと多方面から俺がナルトのために頑張っているって聞かされているだろう。そのために面会OKの許可をもぎ取ったんだし・・・
この暗くて心細い空間に、俺という存在がどれほどナルトの心に安定をもたらすというんだろう。
あぁ・・・きっとナルトはもう俺なしじゃいきていけないよね?
もうちょっと。
あとちょっと。
ほんのちょっと・・・
ナルトとふたりきりの生活をエンジョイしよう。
そしたら、里の連中の幻術をといて幽閉を解除しなくちゃね?
そんで、俺と一緒に里で暮らそう?
ずっと一緒に・・・
でも、その前にナルトには俺なしじゃ生きていけない体になってもらわないといけないから・・・
「うっぅぅぅぅぅっぅ!!!!!!」
さっき配膳された朝食には結構な毒もっておいたから。
「ナルト!?」
心配したように近寄って、のたうちまわるナルトの足に麻痺が出る注射を打つ。
血を吐いて、泣きながらも俺にすがるナルト・・・
「今、解毒薬を足に打ったからね?ちくっとしたデショ?だから、大丈夫だよ?」
さぁ、九尾よ
お前とて一気にどちらもは治せないだろ?
命をとりとめる代わりに、足の麻痺を残すことになるだろう?
アッハハ・・・
ナルト、愛しているよ・・・
狂おしいほどの愛をお前に・・・



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