つくってみました3

無言の空間があたりを支配する。聞こえるのはナルトのしゃくりあげる声と、外の喧騒だけ・・・


「ねぇナルト・・・結婚しよう?ちゃぁんと結婚式あげよ?籍だけじゃなく、子供に自慢できるような大きな式にしてあげる。」
泣きながらコクンとうなずくナルトがかわいくて、カカシはそっとナルトをベッドに横たえて、泣きやまないナルトをなで続けた



それからの日々は大変だった。翌日に朝一番にシカクをたたき起して診察してもらい、そのまま火影に報告。ついでにナルトの産休申請をだし、カカシは連休の申請を出した。
「さぁナルト!とりあえず妊婦さん用の服とか靴とか買って、今日から安静にしてなきゃね!シカクさんの診察だと今は安静にしてたほうがいいって言うし、俺はしばらく連休だから、ナルトはゆっくりしてね?あ〜・・・胎教のためになんかいいものないかなぁ・・・」
まったくもって浮かれマックスのカカシに、ナルトが引き気味でその後を歩いていく。

「ねぇねぇ・・・俺、パパになるんだぁ」
なんて、道行く知り合いに言うカカシの顔は本当にうれしそうで、カワイイなんて思ってしまうナルトであったりする。
カカシは、木の葉にある大きな衣料品店に入っていき、マタニティウェアをしこたま買いあさり、ついでに同じフロアにあるベビィ服を散々買いあさり、店員が思わず止めに入るほどの量をお買い上げ、それらすべてを自宅配達にして、自分たちはゆっくりと歩いて帰る。
「ナルト大丈夫?」
「歩いて平気?だっこしようか?」
「つかれてない?」
「アワワワ・・・帽子なんて俺が拾うから落としたままでいいから!!」
とにかく過保護。
信じられないくらい・・・正直、まわりから見ててもうざいくらいに過保護。
しかも・・・
「あんたみたいな化け物がカカシさんと結婚なんて許さないわ!!」
なんて、あきらかな嫉妬や見当違いな憎悪駆られてナルトに近寄る者はことごとく
「胎教に悪いでデショ?」
というカカシの声とともに、どこかへ葬られてしまう・・・


カカシが任務の日はこれまた過保護な火影がつけた暗部がナルトの傍らにそっと控え、カカシが帰ってくるまで身辺警護抜かりがない。
「・・・ラーメン食べたいってば・・・」
なんて、つぶやけば暗部が一楽にテイクアウトしに行く始末。あまつさえまたまた甘い一楽店主のテウチに味噌ラーメンの上に大盛りの野菜を乗せられる。
「これもカカシの差し金だってば!?こんな野菜・・・むむぅ・・・子供にはカカシに似てほしくないってば・・・」
それでもかわいいわが子のためにとナルトが一生懸命野菜を食べて、ミソラーメンをおいしく頂き、最終的には睡眠・・・

「ただぁいま!!」
カカシの帰宅とともに暗部がさっさと任務完了して帰っていく。
「おかえりぃ」
眠い目をこすりつつ、そっと額に落とされるキスを享受してナルトが準備しておいた夕飯に火を入れる。
「ナルト・・・俺たちの式なんだけど、来月の10日で良いかな?そこなら任務もないし、火影様も参加できるみたいなんだ。急なんだけど・・・いい?」
もっぱら暇してる妊婦さんであるナルトがOKを出せば、夕食時だというのにカカシが影分身を出す。
「あれ?最近ナルト料理うまくなったねぇ?」
ひとしきり影分身を出して招待状からなにからの準備をさせて落ち着いたカカシが、すすった味噌汁がおいしいと喜ぶ。最近暇になってしまったナルトが、暗部の面々からこっそり料理を習っているのである。
「お母さんになるし・・・」
なんて、照れながらカカシに褒められ、上機嫌に煮物を差し出しつつ答える。



そんな夫婦の幸せいっぱいな食卓をよそに、事務忍の皆さまは大慌て・・・
「カカシさんから連絡が入った!!・・・来月10日!?おいっ!!だれか火影様に伝えてこい!!あと、下忍連中の任務の調整と・・・上忍の方々もだ!!あと、今里外にいる奴らも調整付けて戻ってこられないか確認をとれ!!クッソ〜!!!なんでこんな急なんだよ!!里一番のビッグカップルがこんな急に結婚式なんて!!!」
荒れ果てる事務忍さんたちは、事務長の声とともに一斉に各所に動き出した。
里一番の迷惑ビッグバカップルの結婚式は、どうやら本当に盛大になりそうである・・・


FIN
おまけ

もちろん、火影の執務室にも
「おぉ・・・カカシの影分身か?」
「はい・・・ここのほかにも、式場と友人数名と事務のほうにも影を飛ばしてます。」
あらかたの状況と、報告を済ませたカカシが、部屋を出ようとすると、
「お主、最近まったくチャクラ切れを起こさんそうじゃな。どうした?」
火影の言葉に、カカシは
「お父さんになるんで」
なんて答えて、その場でボフンと消えた。
・・・みなさんお気づきでしょう?
似た者夫婦。。。

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