つくってみました2

数ヵ月後・・・
いつものようにカカシの腕の中から這い出るナルト・・・
「うぅ!!」
唸り声とともにうずくまる。
「どうしたの!?」
異変を察知したカカシが起き上がって、ナルトを見れば明らかに真っ青な顔と、口にあてた手で察してナルトをトイレに連れていく。
「うげぇ」
ナルトの背中を根気よくさすりつつ、カカシはどうしたもんかと悩む・・・
「病院行く?」


そんなこんなで・・・
「シカマル〜・・・朝から気持ち悪いんだってばぁぁ」
奈良家に連れてこられたナルト。奈良シカクであればナルトの事を預けるに足る人物であることを知っているカカシは、診察と処方をお願いして任務に出かける。
シカクの横にいるシカマルはなれた様子でナルトの背を支える。もうすっかりナルトが女であることになれたナルトの友人は、ナルトの些細な変化を見つけた・・・
「お前、ちょっといい体つきになってきたな・・・前は普通にナルトだったのに、ちょっとの間にどうした?」
それをきいたシカクはそっと、ナルトにあるものを渡す。
「これをのむってば?」
「いや。舐めるだけでいい。すぐに吐き出すんだよ?」
シカクに言われてポイっと口に放り込んだものを吐き出す。
「おぉ!!赤くなってるってば!!」
さっき口に入れた時は黒い球だったはずのものが赤くなっていた。
「おめでとうナルト。お前はこれからお母さんになるぞ」
うずまきナルトあらためはたけナルト16歳・・・目の前が真っ白になる。



「ナルト〜?」
そっこうで任務を終わらせてきたカカシがちょうどいいタイミングで帰宅する。
「カカシよ・・・今日はナルトを連れてかえっていい。また明日にでも見せに来い。」
シカクの厳かな声と、とてつもなく張りつめた顔をしているナルト。
カカシはなんだなんだとにやけつつも、内心はナルトが病気なのではないかと真剣に悩みだしてしまっている。
「シカクのおっさん。ありがとだってば。シカマルも・・・」
そう言って、カカシの隣に立って、ナルトが真っ青な顔で玄関に向かった。
「ナ・・・ナルト!?大丈夫!?」
カカシが心底心配そうにそっとナルトを姫だっこする。
「シカクさんありがとうございました。では」
カカシはナルトの靴をナルトに持たせて、そのまま瞬身で自宅に帰る。


「カ・・・カカシ。座ってってば。話が・・・あるってばよ・・・」
めずらしく緊張した様子のナルトに、キッチンでナルトの体に良いものをとの想いで作っていたおかゆを火からはずし、ナルトの寝ているベッドに腰掛ける。
『ゴクン』
ナルトが唾を飲み込んで、カカシを見つめる。
「あの・・・その・・・オレ・・・ってば・・・あっ!!私・・・」
サクラに日々散々言われて直した「オレ」という一人称が出てしまうほどの重大な何かをはなそうとしているナルトに、カカシがギュッと手に力をこめて、言葉の衝撃に備える。
「あの・・・ね・・・カカシ・・・驚かないでって方が無理だし、オ・・・私の事嫌になったら、言ってね?出てくから。ついでに、これから言うことに関して、俺はその事の決定をカカシに任せて文句言わないし、後悔もしない。だから、カカシの判断を聞かせてね?」
ナルトの表情は、決心した顔だった。でも、目に涙をためて、不安におびえているようにも見えた。
「ナルト。言って?」
カカシの微笑みとともに、ナルトが大きく息を吸い込む。
「・・・妊娠したってば」










「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇ!!!!!!!!!!!」

カカシへの決死の告白のあと、静止してしまったカカシを不安に想い、ナルトがベッドから腰を浮かせた瞬間の絶叫。ナルトがびっくりして大きく傾くと、カカシがあわてて手を伸ばす。
「危ない!!気をつけなきゃ〜!!」
カカシのあわてぶりが面白くて、ちょっぴり落ち着いたナルトが、カカシを見つめる
「産んでもいいってば?」
「何いってんの!!もちろん!!俺とナルトの子〜・・・ナルトに似たらかわいいのになぁ・・・。」
「・・・カカシの子。産んでもいいんだってばね?」
泣き出すナルトに、不安にさせていたのだと悟ったカカシがそっと、肩を抱いて慰めだす。


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