ポエムが届く・・・

だれでも笑えば、笑顔はかわいいなんて言ってる人いるけど、俺はそうは思わない。
だって、俺はあの子以外の笑顔なんてどうでもいい。

正直、あの子の周りの笑顔なんて、殺してやりたいほどにむかつくんだよね・・・
たとえばさ、君の隣にいつもいるあの大人とか、あの黒髪の男の子とか、ピンクの髪の女の子とか、本当な殺してやりたいくらいなんだけど、俺は君の笑顔が大好きだから、絶対に君を悲しませたりしないよ。

君があの大人の家にお泊りにいっても、きっとまた笑顔であいさつしてみせる。
君があの子たちとじゃれあってっても、きっとまた周りで笑っててあげる。
君が、もしも、誰か俺以外の人と笑い合ってても、俺は邪魔せず見守ってあげる。
君がいればいい。
笑っててくれればそれでいい。

でも、一個だけお願い。
なんでもいいから、俺に、俺だけに話かけて笑ってね?
毎朝、いつも、きっと。

あと、できれば・・・
俺と付き合って?
ナルト・・・
大好きです・・・




「カカシせんせ〜!!俺んちに変な手紙入ってた〜!!」
朝も早い時間からカカシの家を訪ねるナルト。
『ガチャ』
「おはようナルト・・・今日もかわいいね?」
ドアを開けるや否やかすめるようにチューをして、さっさと部屋に引き入れるカカシ・・・
「どれどれ・・・うん!キモチワルイ!!!!」
カカシはナルトから受け取った手紙を読むや、『ゲッ』みたいな顔をして、ナルトを抱えてベッドにもぐる。
「ナルト〜・・・最近、ナルトの周りに変なことない?」
「ないってばよ?」
「じゃ、毎朝決まった場所にいる人とか、なんでかよく会う人とかいない?」
「・・・」
「なんでもいいよ?ヒントにならないかもって、おもっても教えて?」
カカシの眉がよった顔に、ほんのり安心したナルトは、日常を思いかえそうとウンウン唸る。
「・・・よし!!口寄せ」
『ボフン』
あらわれた忍犬に、手紙ににおいをかがせる。
「このにおいの人探して居場所を教えて!!」
そういって、カカシの指示と共に、忍犬が窓に走る
「「「ワンワンワンワンワンワンワン!!!!」」」
なんと、忍よけのついているはずの場所に、カカシにすら気配を悟られずに、ベランダに佇む忍がいた・・・

「あっ!!コンビニの兄ちゃん!!!」
そういって、ナルトに指を差されたコンビニの兄ちゃんは「手紙・・・」と、小さくささやいて、ナルトの手に握りしめられてくしゃくしゃのポエム入り手紙を見つめる。
「ねぇ・・・もしかして、手紙の中の大人って俺?」
さっとナルトを背後に隠し、寝起きのラフな格好に、手近にあったクナイを構えて威嚇する。カカシにすら気配を悟られずに佇むその異質さに、カカシの頬に走る苦笑い。
「困ったねぇ・・・こんあところでやりあえる相手じゃない気がする・・・」
カカシはナルトを背後に隠しつつ、見えているのに気配を感じない男に、視線を突き刺す。
「大丈夫・・・俺はあなたがナルト君を離してくれればなにもしないから」
その視線は異質で、カカシは脳内の上忍リストを片っ端から検索する・・・
「お前・・・まだ長期任務のはず・・・」
長期任務から帰還した連絡のない、一人の上忍に思い当たり、カカシは声を張る。
「うん。帰還報告の途中でナルト君を見かけてね・・・驚いた。かわいらしさのかなにある艶めかしさ・・・俺は即ナルト君を追い掛ける生活になったんだ。上忍という地位を隠して、コンビニの店員になって、毎日ナルトくんが行く時間にゴミ出ししたりしてさ・・・これでも苦労したんだよ?それを、上忍師ってだけでなれなれしい・・・」
ちなみに、ベランダから玄関は見えません・・・
「しかも、あまつさえ一緒に寝ようとしてるし・・・」
ちなみに、カカシの手はナルトの下半身にありますが、掛け布団の中なので、見えません・・・
「でもさ!!でもさ兄ちゃん!!俺ってばカカシ先生の彼女なんだってば!!だからつきあえないってばよ?」
爆弾を無邪気に投下するナルトに、男はそのまま失神し、カカシは緊張を解くと同時に、その男に強力な暗示をかけて、「うずまきナルト」の記憶を消した。


「ナァルト・・・お前は危ないから、もうここに住んじゃいなさい!!むしろ、もう今日からナルトは俺の奥さんで!!」
カカシの断固たる決定にナルトは嬉しそうに返事をする
「はぁいってばよ!今日から俺がカカシ先生のお嫁さんだってば!!」
その後、勢いで火影邸に結婚報告に行き、三代目が失神したのは、里ではちょっと有名な話・・・

   FIN


[ 47/95 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -