言葉の違い・・・3

「俺は、あんたの都合のいい人間なの理解してるってば。カカシ先生にとっては貴重な男だもんな・・・でもさ、俺だって心があるんだ。最初のころはカカシ先生の子心が俺に傾いてくれればって頑張ってたんだけど、もう疲れたってばよ・・・毎日毎日くるかもわかんないカカシ先生のためにサンマとナス買って、飲みもしないコーヒーの買い置きして、なんかもう・・・疲れたってばよ・・・だから、もう来ないで?俺ってばもう、カカシ先生の「アイシテル」に傷つきたくないんだ・・・」
・・・俺の言葉が傷つく?どうしてだろう・・・俺の言葉に世間の女はみんな嬉しそうにほほ笑むのに、ナルトだって最初はほほ笑んでたのに・・・
「ナルト・・・どうして?俺、ナルトのこと好きだよ?」
ナルトは下を向いたまま、ただ肩を上下に動くだけ。泣いてるの?
「だから!!その言葉に泣きたくなるんだ!!俺はほかの女の子たちとは違う!!!」
なんでナルトが泣いてるんだろう・・・
他の女と違う?どういうこと?俺は、確かにナルトはほかの女ども違う扱いしてきたよ?しかも、3日に一回は帰ってきたし、多少うざくても一緒に寝たし・・・
「そうだよ・・・ナルトはほかの女とは違う。俺の大切な恋人だよ?」
・・・俺は、ナルトとの別れが怖い・・・どうして・・・ナルトの健気な姿勢がちょっと気に入ったんだ。きっとそうだ・・・
「カカシ先生・・・とにかく、今日は帰ってよ。俺、このままだとカカシ先生を嫌いになりそうだ・・・」
なんてことだ・・・嫌われる?そんあ馬鹿な・・・俺はこれまで、切りたい相手には嫌われてきたけど、相手から嫌われるなんて・・・ありえない・・・でもここで出かけないときっとホントに嫌われる・・・
「・・・じゃあ、行ってくる。だけどきっと帰ってくるから・・・」
俺は泣いてるナルトの旋毛にキスをして、家を出た。家を出て近場の女の所に出向く。そこの女はナルトと俺の関係を知っている。


「あらカカシ・・・どうしたの?」
ドアを開ければ40をとうに過ぎてるのに妖艶で美しい女性が迎えてくれる・・・
俺が唯一、抱きたくならない自身がある女・・・。元遊女で、俺の夜の先生・・・
「相談があるんだ・・・鼓蝶・・・」
俺はこの人の本名をしらない。遊女時代の源氏名しか知らない・・・だって、「本名は夫以外呼んでも意味がないの・・・」が、彼女の口癖だった・・・遊女になってまで、夫の治療費を稼ぎ、その夫がなくなってしまえば、早々に見受けされて今は悠々自適に囲われている・・・
「カカシ・・またあの坊やに怒られたの?」



俺は、詳細を語った・・・俺の心の中にあるモヤモヤも一緒に・・・
「まず、ナルト君と他の女の子の違い・・・あんたにわかる?」
わからないから悩んでるんだ・・・いや・・・正確には、俺の思ってる違いと、ナルトの思ってる違いは、明らかに違う・・・
「女の子は、カカシ君がそばにいることにあきらめを持っているのよ・・・そのうえで、手放せないでいるの。あなたの事が好きなんだね・・・困ったことに、世の中の女はみんなあんたの顔にクラっとくるし、カカシが家に通ってくるって時点で自慢にもなるし、そのうえであきらめない女はあんたには重いんでしょ?
でも、ナルト君はあなたと共に生きて行きたかったのよ・・・カカシ君に嫌われるきらいならなにも望まなくなった・・・そして、あきらめてしまった。最近よく、奈良家の御子息が遊びに来てるわよ?」
「えっ?」
鼓蝶の家から、ナルトの家の前の通りは良く見える。俺の鼓動が速くなる。おれ、ほんとにナルトに捨てられる?
俺にとってのナルトは、いつも思い通りになって、いつでも居心地のいい環境を持ってた・・・どうしよう。思いのほか俺はナルトの興味があったのかも・・・
「あんた・・・ナルト君のこと好きなんでしょ?」
・・・俺が好き?ナルトを?
「違う!ナルトは、俺専用の家政夫で、俺の気に向いたときに抱かせてくれる都合のいい・・・」
「違うでしょ?専用だと思うのはなんで?他の女の子が誰とくっつこうが気にしなかったあんたが、なんで、ナルト君だけ気になるの?なんで、専用って言いきっちゃうの?なんで・・・そんなに暗い顔でいるの?」


なんだろう・・・
心が渦まく・・・
ナルトはなんで、墓なんていったんだろう・・・
ナルトはなんで、今日だけは俺を追い返したんだろう・・・
なんで・・・
なんで・・・
なんで・・・


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