言葉の違い・・・1

「いらっしゃい」
「ナルト・・・ただいま。」



俺とナルトは3か月くらい前から付き合いだした。正確な日時なんて覚えてないし、どうだっていい・・・
ナルトが俺を好きだと言うから付き合った。
だって、ご飯作ってくれるし、掃除洗濯もやってくれて、朝起こしてくれるし、ヤらせてくれるし、なによりほかの女たちとちがって束縛してこないし、俺になにも求めてこない。だから、こうして俺は週に何度となくナルトの家に泊まりに行く。
女の家で情事の後、どうしてもしつこく独占欲出してしなだれかかる女を任務だと払いのけて、ナルトの家にさっさと帰ってくる。

「ナルト〜!!今日のごはんはなに?」
「カカシ先生はなにが食べたいってば?」

俺が帰ってくる時は決まってそうやって聞いてくれる。ま、気に入らないご飯だったら速攻で別の女の所にいくけどね・・・
「今日は、あっさりおひたしとか・・・あと、デザートはナルトで」
俺はちょっとだけ、他の女よりナルトに甘い。貴重な中だし出来るし、好き勝手にしても文句言わない大事な性欲処理家政婦さんだから(笑)
普通の女は高給取りの俺に『宝石』とかモノを欲しがるけど、ナルトが欲しがるのは『言葉』「アイシテル」なんて陳腐な言葉をささやけば、ナルトは何でも許してくれる。街中で他の女と歩いているのを見ても、責めないし、たださっさと耳もとでささやけば、すべてにカタが付く。そんな気象で都合のいい存在を俺は、ほかの女たち寄り大事にしてる。


「できたってばよ」
ナルトの手料理が並べられたテーブルを、さも嬉しそうに見回す。本当は、俺がここに帰ってきてやってる時点で当然なんだけど、そんなこと言ったらせっかく俺の具合のいいようにしつけたのも無駄になっちゃうじゃん?だから、今日も俺はささやくんだ。
「アリガト。アイシテル」
感情なんて乗っていないただの陳腐な暗号のような言葉を吐けば、ナルトは嬉しそうにほほ笑む。


「カカシ・・・おかえりなさい。今日はカカシのためにシチュー作ったの。毎晩ちゃんとご飯作って待ってるのに、なんで帰ってきてくれないの?」
・・・めんどうだなこの女もそろそろ潮時か?俺の家はたくさんあるし、ここだけにいられるほどアイシテナイ。ナルトほどはアイシテナイ。
「ごめん。これから任務だから、においのあるものは食べられないんだ・・・ホントにごめんね・・・食べたいんだけど・・・」
当たり障りのない、けど、一般人にはわからない理由を付けて適当に処理・・・
「すぐ行かないと・・・」
「・・・そう・・・いってらっしゃい・・・」
ドアを閉めて、さっさとその場を後にする。もうここに帰ってくることはない・・・
そういえば、ナルトは俺に「おかえり」も「いってらっしゃい」もいわないな・・・
ちょっと早いけどナルトの家に帰ろう。
・・・あれ・・・ナルトがもうご飯食べてる・・・
窓から見える景色は不思議だった。いつも自炊のイメージがあるナルトなのに、今日はカップ麺・・・
とりあえず、ちょっと待ってみよう。食べ終えてから行こう・・・カップ麺なんて食いたくない・・・


「ただいまナルト」
「いらっしゃい。カカシ先生」
いつものように言われたあいさつに今日は釈然としない。
「ナルト〜・・・ご飯なに?」
「カカシ先生は何食べたいんだってばよ?」
いつものように言われた質問がえしに今日は釈然としない。
「じゃあ、今日はサンマ」
数分後に出てくるサンマの塩焼きは2尾。そんなタイミング良くサンマが入っている冷蔵庫なんてないだろ・・・ホントに釈然としない・・・


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