ヘタレ返上!!

俺ははたけカカシ。車輪眼のカカシとか、コピー忍者とか言われてるけど、実際には好きな子に告白もできないヘタレな男。
「カカシさぁ〜ん」
しなだれかかる女をその日の気分で抱いてみたり、はぐらかしてみたりする。夜の街では不夜城の城主とか、ろくでなし下半身、なんていわれるくらい夜ふかしでふしだらな男。
でも、好きな子に触れただけで理性がくずれそうになるヘタレな男。


「カカシせんせ〜!!!お願いがあるってば!!」
ナルトは今日も元気に俺の元へ走ってくる。
今日もきっと「修行つけてくれ」っておいんだろうなぁ・・・
でも俺はナルトの修行は付けない。なんでかって?特別な感情を持って指導すれば、きっとナルトが疲れきった隙をついてイロイロしたくなっちゃうから・・・
「なぁに?」
でも、ナルトにお願いされるのは嫌いじゃないから、とりあえず聞いてみよう。一楽連れてってとかだったら、喜んでつれてっちゃうんだけど。
「あのさぁ・・・」
ナルトが下を向いて、ゴニョゴニョ言葉にならない言葉を発してる。
上忍の俺の耳でも聞き取れないから、たぶんホントに言葉になってないんだと思う。ま、ナルトと長い時間居れるのは嬉しいし、気長に待ってみましょ・・・こんなためらってるナルトなんてなかなか見れないし。
「どうしたの?」
ちょっと時間がかかってるから、いつもの修行云々じゃないのはわかりきっているから、悩みごとでもあるのかって心配になってきた。
「・・・カカシ先生は俺よりサスケの方が好き?」
・・・は?なに言っちゃってんのこの子は。あんなクソガキ好きになんてならないよ。そりゃ、あの忍としてのセンスとか、努力を惜しまない姿勢とかは好きだけど、その数十倍ナルトの一生懸命なのにドジなところとか、ときどきとんでもない力を発揮するくせにツメの甘いところとか・・・とにかく可愛い。
「俺は、ナルトもサスケも、サクラも大好きだし、みんな大切な仲間だよ?」
一応先生らしくふるまってみたけど、ナルトの表情が晴れない・・・どうしたんだろう?
「ナルト?」
「・・・カカシ先生にとっての俺は、あいつらと同じなのか?」
いいえ。全然違います!!!・・・なんて言えるわけもない。たぶん腹の中の事を気にしてるのかな・・・
「大丈夫。ナルトも他の子と一緒の大事な里の宝だよ?」
俺は、ナルトにとってはあこがれの上忍で、先生で、大人で・・・俺の中で精いっぱいの良い先生になってるのに、ナルトの表情は曇るばかり・・・
「俺は特別じゃないってば?」
「ナルトは普通の子だよ。大丈夫。」
優しい笑顔を貼りつけて、抱きしめてあげたくなるその小さな肩を掴む。
「ナル・・・」
「俺、先生の特別になりたい!!」
顔をあげたナルトは大きな目に涙をいっぱいためて、ただただ可愛そうになるくらい震えながらも、一生懸命に伝えてくる。
「・・・え?それは・・・どういうこと?」
俺の脳内の細胞が俺の都合のいい方へ事を運ぼうとする。
「カカシ先生!!俺、お願いがあるってば!!!俺を特別にして!!
俺・・・カカシ先生が好きなんだってば。先生は男だし、俺も男なのに・・・」
うつむいて、ただただ眉を寄せるナルトが本当に愛しくて、ついつい抱きしめてみれば、思ったよりも小さくて、すっぽり収まって心地いい・・・
「それがナルトのお願い?それ聞いたら、ナルトも俺のお願いきいてくれる?」

「カカシせんせ?」
「・・・俺も、ナルトの特別になりたい」
抱きしめてるナルトが身じろぎして、笑う
少しはヘタレを返上できたかな・・・
「もう特別だってば・・・」
今日、俺に可愛い恋人ができました。毎日早く帰ります!!
ナルトのために早く帰って早く寝て、休日には昼間から出かけます。夜ごはんはふたりで食べようね?
不夜城の城主は、陥落しました。。。
「ナルト・・・とりあえず、俺の家来る?」
ろくでなし下半身は・・・好きな子を前にして手を出さないのは無理でしょう!!
ナルト限定で、ろくでなし下半身って事で!!!

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