大好きな人8

俺の体力は本当になくて、カカシ先生と一緒にリハビリがてら近くのスーパーまで歩くのがやっとだった。こんなに弱ってると回復するのも時間がかかるってカカシ先生が俺をおんぶしながら教えてくれた。あいかわらず里の商店は俺を怖がって入場を拒否しているから、カカシ先生が入ろう?っていってくれるんだけど、丁重に辞退して、近くの椅子で座って、カカシ先生の買い物が終わるのを持っている。とはいっても、買い物に言っている間も心配なのか、隣にはいつも忍犬が2〜3匹いて、近づく人すべてに唸ってる。
だから、俺をみてこっちに来る大人たちも、俺になにかしてくることはない。カカシ先生の忍犬だってわかるへのへのもへじマーク。カカシ先生が守ってくれてる証。
心がほくほくして、いっつも忍犬を抱っこして笑ってしまう。


「ナルト。お待たせ・・・ってまた抱っこしてる!!」
カカシ先生にまたばれちゃった・・・だって可愛いんだもん・・・
「ナルト!!忍犬はナルトを守るボディーガードなんだからね!!」
もう耳タコだ・・・またやってしまった。
「カカシ先生ごめんってばよ・・・今日のご飯はなんだってば?」
適当に謝って話をゴマ化したら、カカシ先生はちょっと大げさなため息をついて
「今日はハンバーグです!!」
最近の俺はあんまり肉が食べれなくて、食べてもはいちゃうからお肉の主流は豆腐をたくさん使ったハンバーグ。それにあっさりおろしポン酢が最近のブームなんだ。カカシ先生に合わせて使ってたポン酢にうっかりハマってしまった・・・今じゃなんでもポン酢かけて食べてる。
・・・最近は前みたいにたくさんは食べれないけど、食べるように心がけてる。食べないと体力付かないし、食べた分だけカカシ先生が安心したみたいな顔するから。


「さぁナルト・・・帰ろう?」
自然に手をつないでゆっくり、俺の歩調に合わせて歩いてくれるカカシせんせい・・・
「化け物が!!」
里の大人の言葉なんか聞こえない聞こえない・・・カカシ先生はさりげなく殺気を叩きこんでるから、大人たちは腰を抜かしたり悲鳴をあげたりしてるのも気にしない気にしない。俺は強くなるんだ。カカシ先生の右腕になってやるんだ。
「カカシに近づくんじゃないわよ!!!」
里の女の人たちがいっつも俺を殺したそうな恨めしい目でみてくるのも、仕方がない。
「あんたのせいでカカシまで里の厄介者扱いよ!!!」
あぁ・・・やっぱりそっか・・・カカシ先生まで・・・そうだよね・・・ごめん・・・
「ナルト!!そんなことないよ!!気にしないで大丈夫だから!!」
カカシ先生の必死に訂正する様が本当のことを語ってる。
俺にとってはなんてことない日常も、カカシ先生にはつらくないんだろうか?毎日のように俺が受けてきたことがカカシ先生に起こったらどうしよう・・・


俺は、やっぱり強くなんてなれないみたいだ・・・



「ナルト・・・ごはん食べてよ・・・」
還ってから俺はすぐにベッドに入った。
カカシ先生が急きょメニューを変更して作ってくれた和風リゾットすら食べる気がしなくて、カカシ先生がポン酢をかけてくれたんだけど、普段はおいしそうなにおいも、なんだか気持ち悪くて、吐いてしまった。
「カカシ先生ごめん・・・食べる気しなくて・・・」
汚してしまった床を掃除しようとベッドから降りる俺を手で制してカカシ先生が掃除してくれた。
「さっきの言葉は気にするんじゃな〜いよ?俺は普段通り生活できてるし、もし俺を迫害なんかして、俺が里抜けでもしたら里にとっての損害の大きさは一般の人たちすらわかると思う。だから大丈夫。ナルトはなんにも気にしないで、俺のために元気になってくれればいいから」
カカシ先生がほほ笑んでくれた。優しく包み込む。
「カカシ先生ありがと。でも今日はちょっともう食べたくないってば・・・でもポン酢のリゾット食べたいから、とっておいて?」
そう言えば、カカシ先生が俺の頭を撫でてキッチンに鍋を持って戻っていった。
その隙にそばにあった窓に走って飛び降りる。




さぁ、これで楽になれるかな・・・




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