大好きな人7

俺の細くなった体は体力もなくて、お風呂はいつもカカシ先生と入る。外出はほとんどしないし、するとしても涼しくなった夕暮れにちょこっと・・・。
俺は早く消えたいのに、俺の中の化け物はしぶとくて困っちゃう・・・
カカシ先生は俺のためにあまり任務に行かなくなった。7班の任務は俺を抜かして日々確実にあるはずなのに、カカシ先生は影分身をいかせてるからと言ってる・・・サクラちゃんやサスケがお見舞いに来た時に、カカシ先生はいつも通り何にもせずに本ばっか読んでるって言ってたから、きっとそこまで支障はないんだろうなぁ。
俺はなんでここにいるんだろう?俺がいることによってカカシ先生を拘束して、みんなに迷惑をかけて、それでもなんで生きてんだろう・・・
「早く死にたいってばよ・・・」
なんて、小さくつぶやけば、キッチンにいるカカシ先生が
「なんか言った?」
なんて、顔を出した。さすがはエリート忍者。隣の部屋で呟いたのに・・・
「おなかすいたってば」
この言葉を口にすると、カカシ先生は決まって嬉しそうにご飯を作りに行ってくれる。俺は、カカシ先生が作るリゾットが大好きで、いっつも一口って決めてるのに、ついつい食べちゃうから、カカシ先生は3日に一回はリゾットを作る。
俺は決死の覚悟で今日こそは食べないぞぉとか思うんだけど、ついつい食べちゃって、そのたびにカカシ先生は嬉しそうに俺の頭を撫でて「たくさん食べれたね」って褒めてくれる。それが嬉しくもあって俺は余計に食べちゃうんだよね・・・
「ナルト・・・今日はチーズリゾットだよ!!」
カカシ先生が持ってきてくれたリゾットはやっぱりおいしそうなにおいがして、普段イルカ先生が持ってきてくれるお重もおいしいんだけど冷めてるからそこまでにおいしないんだけど、作りたてだからものすごくいいにおいがして、いっつも節食(?)してる俺にはもう耐えられないんだ・・・
「いただきますだってばよ」
俺がやけどしないようにちょっと冷まして持ってきてくれるリゾットは、ちょっとゆるめなんだけど、俺には食べやすくてとっても好き。
パクパクつい食べちゃった・・・でも器の半分くらい食べたらおなかいっぱいになっちゃって、なんかちょっと眠くなってきっちゃった・・・
「ナルト・・・今日はたくさん食べれたね・・・ナルトは生きてていいんだ・・・だから、もっとたくさん食べて、元気になってよ・・・サクラもサスケも待ってるし、俺も・・・ナルトと任務に行ったり、遊びに行ったりしたいんだ・・・」
カカシ先生がうつらうつらしてる俺に話しかけてる?・・・違う・・・たぶん俺が寝てると思ってるんだ・・・
「俺ってば化け物飼ってるってばよ・・・俺が弱ると回復力が弱まるんだ・・・たぶん俺に連動して化け物も弱ってるんだと思うんだってば・・・だから、俺ってば弱ってるくらいがちょうどいいってば・・・」
眠くて、なにいってんのかわかんなくなってきちゃって、ついつい言っちゃったら、カカシ先生が俺の頭を撫でながら、
「ナルトが元気がないと、俺が暴れちゃうよ?里くらいぶっ壊しちゃうよ?ナルトが元気になるならなんだってする。里抜けでも、テロでも・・・ナルトはどうしたら元気になってくれる?ご飯食べてくれる?俺はナルト以上に大切な人もモノも場所もないんだ・・・ナルト・・・元気になってよ?」
カカシ先生の声が心底泣きそうな悲しそうな声だったからなんだか眠いのに寝れなくて困る・・・俺はカカシ先生が大好きな里を守りたいし、カカシ先生が幸せに暮らせたらそれでいいのに。なんでそんなに悲しそうなの?俺がカカシ先生を悲しませてるのかな・・・
大好きなカカシ先生・・・やっぱり里の大人と一緒で俺が存在してるとカカシ先生を悲しませてるのかな・・・本当にごめんね・・・でも、四六時中カカシ先生がいるし、カカシ先生が離れてても気配探られてるから、俺が俺を殺すことをゆるさないじゃん・・・どうしろって言うの・・・
「大丈夫・・・ナルトは俺が守ってあげる。ナルトがそばにいてくれるなら、俺が里全部敵に回してでも、守って見せる!!」
なんか、目が覚めた・・・カカシ先生は俺をちゃんと好きなんだ・・・目が、手が、声が、ちゃんと俺に伝わるようにって、思いが詰まってる。
俺は、カカシ先生と一緒にいてもいいのかな・・・
「カカシ先生・・・俺ってば勘違いしてッかも・・・」
「どんな?」
「カカシ先生が俺のこと好きだって・・・」
カカシ先生が盛大にため息をついて、俺のリクライニングベッドを起こして、座ってるカカシ先生を目線が合うと様に座らされる・・・
「それは合ってるようで勘違い・・・」
やっぱりそっか。そうだよね。俺を好きになるなんて、この里の大人が俺を好きになるなんておかしいよね。ごめんねカカシ先生
「俺はナルトのことすきじゃないよ。だって大好きだもん。そういってるでしょ?」
カカシ先生は臆面もなく俺の目を見ていってくれた。嘘じゃないよって伝えてくれてるその真摯な瞳になんだかほくほくしちゃって、俺の心がふにゃって柔らかくなった気がした
「俺もカカシ先生が大好きだってばよ・・・」
告げた瞬間に抱きしめられ、顔中にキスの雨。
「知ってる!!!」
なんか力強く言われて悔しかったけど、俺はカカシ先生の胸の中で泣いて、それから笑って、最後はちょっと恥ずかしかったけどチューして、カカシ先生に促されるままに眠った・・・なんか、今までで一番あったかいベッドだった。


さぁ、カカシ先生のために俺は明日からがんばって元気にならなくちゃ!!!



☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三 ☆三

  みなさんこんにちは。レオです。短いお話内にある長い話・・・
もうちょっと続きます。あとちょっとお付き合いをお願いします。これからはカカシ先生奮闘+ナルトのリハビリ・・・というか甘甘新婚生活(?)の予定でございます。



 

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