カンチガイ

「俺ね・・・お前が好きだ」
先生・・・大丈夫だよ。
俺、わかってるってばよ?
だから、そんなにつらそうにしないで?
大丈夫だってばよ。
男のからだなんて気持ち悪いよな?やわらかい女の人のほうがいいよな。でも、カカシ先生は優しいから俺をフらないでくれてるんだよな。
大丈夫だってばよ
俺ってばわかってるよ。
でも、もうちょっとだけ時間をください。先生を先生として見られるだけの時間をください。そしたら俺からフってあげっから。
大丈夫だってばよ。
俺ってば独りは慣れてっから。
ベッドで寝ていた俺を起こして、俺のひざに顔をうずめて懺悔する先生が俺にはかわいそうでかわいくてしょうがない。
俺ってば涙も出ないくらい先生の浮気には慣れてるのに、どうして毎回こんなにも心が痛いんだろう?きっと、先生を苦しめているからだね?ごめんってばよ・・・
「先生?どうして泣くの?俺ってば大丈夫・・・だ・・・てば・・・グス・・・」
あれ?
どうして涙がでるの?
ほかの女の人を抱いて、その女の人が誇らしげに付けるキスマークなんて見慣れてるし、先生から匂ってくる香水も先生の背中についてる引っかき傷も見慣れているのに・・・
「ナルト・・・泣かないで?ごめん・・・俺・・・ホントにごめんね・・・」
いつもの言葉『任務だったんだ』って言って、きっとなかったことにしようとするんでよ?俺ってば大丈夫。
「先生・・・俺ってば、大丈夫だから。独りでも全然平気。先生が戻ってきてくれるの知ってるってば。どんな任務でも、俺んとこに帰ってきてくれるの知ってっから大丈夫だってばよ」
先生・・・俺ってば終わりにしても良いってばよ?大丈夫。
「でも、もう帰って来なくていいってばよ。もう解放されて良いってば。ずっと、先生からの愛を喜んでばっかりで、先生に枷をはめてるのに気付かないフリしてただけなんだってば。もう大丈夫。もう、先生はここにとらわれる必要はないんだってばよ・・・」
先生が顔をあげた。いつもはとってもキレイな顔がぐしゃぐしゃで俺ってばなんか笑っちゃった。
「先生には美人でスタイルのいい優しい人がお似合いだって「ナルト!!」
言い終わる前に先生がとめた。
「浮気したのは謝る。でも、お前を手放す気はサラサラないから。」
「でも・・・先生は素敵は人がいるんだろう?」
「・・・ねぇ、どうして俺の名前を呼んでくれないの?」
・・・それは、先生と生徒に戻るため。担当上忍と下忍に戻すため。
「俺は、お前を生徒に戻す気はないよ。俺はお前がかわいいし、大好きだからもとの生活になんて戻れない。お前のところに帰れない生活なんて送るきないから」
「じゃあ・・・」
俺の中にあった決壊が崩壊しちまった
「じゃあなんで浮気なんてしたんだってばよ!!毎日おんなじ香水のにおいさせて、同じ場所にキスマークつけて、しまいには背中の引っかき傷はなんだってば!!!そりゃ、男の俺を抱けねぇのはわかってっけど、毎日毎日勝ち誇った女の影に悩まされる俺の身にもなってみろってば!!!だいたいカカシはいっつも俺のこと考えてなさすぎだってばよ!!」
「ナ〜ルト!!俺の名前呼んでくれたね?すっごいうれしいよ!」
「それどころじゃないってば!!」
「俺ね、浮気はしたけど、ヤってないよ?」
・・・え?また見え透いたウソだってばよ・・・
「じゃ、毎日する香水の匂いはなんだってば!!」
「今、任務で遊郭張ってるからさ〜・・・不安ならアスマに聞いてみて?」
・・・むむぅ
「じゃあ、背中の引っかき傷はなんだってばよ!!」
「コレは毒殺した遊女に断末魔にやられちゃってさぁ・・・キスの時に歯に仕込んだ毒流し込んだからさ・・・これも不安ならアスマに聞いてみて?なんなら一緒に任務した中忍紹介しようか?」
・・・アレ?たしかに・・・なんか、確かにやってるときにしては傷が深くて長いような・・・
「じゃあ・・・じゃあそのキスマークはなんだってば!!!!」
「お前はホントに下忍なの!?よく見て!!コレは虫さされ!!」
あらら?ほんとだってばよ・・・
「さっきあんなにつらそうだったのは?」
「それは、ナルトのぷにぷに太ももを前に我慢を強いられたらそりゃ誰でもきついよ・・・!最近、誘うと断られるからまた我慢なのはつらいのよ・・・」
・・・あらららら?なんか・・・危険だってばよ・・・でも!!
「でもでもでも!!カカシさっき浮気認めたってばよ!!」
「・・・それは!!すいません!!!ナルトは最近ヤらせてくれないから右手のお世話になりまして、エロDVDみちゃいました!!」
はぁぁぁぁぁぁぁ!?
なになに?
俺ってばカンチガイってやつ?
うわっ!はずかしいってばよぉ・・・
「ねぇねぇ?機嫌直った?」
カカシ先生の声が優しいってばよ・・・
「じゃ、別れようとしたオシオキしてもいいよ・・・ね?」
訂正
カカシ先生の声が怖いってばよぉぉぉぉ!!!
その後、俺は派手な勘違いを激しく後悔させられた。

 
FIN

「おはよう諸君。」
「おはようどざいます、カカシ先生。今日はナルトは?」
「今日はちょっとコシが痛くて立てないからお休みしますってさ〜」
「・・・ウスラトンカチが。ぎっくりか?」


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