感情×愛情4

ナルトが意識を失ってから3日が経過した。
いまだに意識を手放したままで、眠っているナルトの頭を撫でてみる。
俺が記憶してきたよりずっと小さい頭、ホアホアの柔らかい髪。
子供だったこの子の心に一気に傷を付けて壊したのは俺だし、これからその傷をいやすのもきっと俺。誰にも譲ってあげないよ。俺がナルトをいやして愛してあったかくしてあげるんだ・・・


「ん・・・」


ナルトの口から声が漏れた。
「ナルト!?」
即座に顔をのぞいてみたら、ナルトの目が暗い・・・きっと心が壊れちゃったから俺が好きだった輝く瞳も壊れちゃったんだね。
「良かった・・・目がさめたんだね。お医者さん呼ぶから待っててね?」
そう言ってそばにあるナースコールを押して人を呼んだ。

それからすぐに火影様とかイノイチさんとかみんな来てくれて、ナルトの目覚めに安堵し、その瞳の暗さに胸を締め付けられる。
「カカシ・・・頼んだぞ」
「御意」
ナルトの事をここまで壊したのは俺なのに、みんなが俺に任せてくれることに感謝しつつ、俺はナルトのベッドを見る。
ナルトはまったくの無反応で、俺が呼ぼうが誰が呼ぼうがただ目を開けてそこに居るだけ。
「ナァルト・・・ご飯にしよう?」
看護婦さんの持ってきてくれたご飯をナルトの口元に運ぶ
「口をあけて」
そういうとナルトが口を開けてくれた。
「噛んで」
そう言ったら今度はモグモグと口を動かしてくれた
「飲み込んで」
ひとつひとつすべてに声をかけなければナルトはなにもしてくれない。
そこにナルトの意思な介在してないけれど、それでもいい。
今までの俺ならこんな面倒なことしなかったけど、今はナルトの心に触れて変わった俺ならナルトのことなら喜んで引き受ける。きっと惚れ直すこういうことをいうんだろうね。
ナルトは体調自体はまったくの良好で、明日にでも退院できるってことだから、俺はナルトを俺の家に連れて帰ることにした。

「ナルト。靴を脱いでリビングまで進んで」
玄関を入ってからそう言えば、ナルトは素直にそれに従う。ただ俺の言葉に反応する。
リビングまで進んでそのまま立っているナルトにソファに座るように言って、俺はコーヒーを入れにキッチンに移動する。対面式のキッチンがこんなに便利なものだなんて士らなかったよ・・・コーヒーにミルクと砂糖を入れてナルトの前に出す。
「コーヒーだよ。飲んで」
そういえば、ナルトはコーヒーを飲む・・・冷ましもせずに
「ナルト!!大丈夫?熱いデショ!?」
そう言ってあわててコーヒーを取り上げても、無反応。
口元を良く見ると思いっきりやけどしてるのにいたがるそぶりもない
「お前は・・・自分を守ることもできないくらい疲れちゃったのか?」
俺の言葉にも応えない。
でも、俺はちょっとだけ嬉しかった。自己防衛すらできないナルトは本当に俺に守られて俺に助けられなきゃ生きていけないんだから、このまま俺だけのナルトで・・・なんて思ったけど、ナルトのきれいな瞳って結構気に入ってるんだよね
「ナルト。やけどしないように気をつけてコーヒーを飲んで」
そういえば、ナルトはフーフーしながらコーヒーを飲んだ。なんか、命令してる気分だけど、俺が言わないとナルトはなんにもしないからしょうがないか・・・


「お散歩しよう」
そう言ったら、ナルトが玄関に行こうとするそぶりを見せた
でも、靴をはかずに外に出ようとするから、俺が引き留める
「靴を履いてドアの前に居て」
そういったら、ナルトが靴をはきだした
そうか!!この子は心が崩壊して、新たに心を作りなおしてるんだ。
心だけが子供の状態なんだ。
そうか・・・
そうか!!!きっとナルトは復活するんだ!!
俺は、玄関でまつナルトに軽くキスをして、意気揚々と月夜の散歩に出かけた


  続きます〜

[ 86/95 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -