カカシ、じみてる・・・。

今日は木の葉の最高会議。
上忍以上のメンツが集合する非常に厳粛な会議・・・。
そのため、警護は厳重で暗部がそこかしこに配置されている。
もちろん、特別上忍のナルトも会議にさんかする・・・。
とは言っても席はなくカカシがしっかり会議に参加しているのを褒めるのがその仕事である。
「ナルト。今日もいい子にしてようね?」
早々に会議に到着して議題とおおまかな内容が書かれている冊子に目を通しはじめたカカシ・・・。その膝の上で器用に尻尾をカジカジと噛んでいるナルト。
「かぁし〜・・・なぅとしっぽがかゆいのよ〜?」
9ほんもある尻尾を噛んでは変えて噛んでは変えて・・・ナルトは大忙しである。
それもそのはず、獣は今ちょうど毛の生え換わりの時期であり、ナルトもご多分にもれずちょうどその時期にはいっているのである。
「じゃ、今日は会議をお休みしておうちかえって毛づくろいしようか?」
早々に冊子を投げ捨ててナルトを抱っこして部屋を出ようとするかかし・・・。
しかし
「で・・・でられない・・・」
なんと、ドアを押しても引いてもたたいても蹴っても術で爆破してもまったくもってうごかないのである。
「フフフ・・・」
そういって笑い声と共に現れたのは、カカシ以外の上忍たち。
「あんただけ逃げられると思ってんの!!」
そういって声を荒げながら見せつけたのは獣用結界に似た結界呪。
「この結界は獣は入れても出られないようにしてあるのよ!あんたは出られるけどナルトは置いていくことになるわねぇ・・・」
ニヤっと笑いながら見せつけられ、カカシが愕然と見守る。
「ちなみに、ナルトの毛がかゆいのは私のクシ貸してあげるから。」


そんなこんなで、結局会議開始。
お姉さん方にしこたま毛をきれいにしてもらったナルトは大満足でカカシのひざに寝ている。起きる気配のないナルトにカカシがやる気をなくす。
「あんた!!いつもみたいにちゃきちゃき会議進めなさいよ!!」
「さっさとしなさいよ!!」
カカシに対してずいぶんな暴言を吐きながら、なぜか会議の短縮化を図る上忍のお姉さま方・・・
「なんで?」
カカシの率直な疑問に
「今日はバーゲンの初日なの!!わかってんの!?あんたのかわいいナルトの洋服だって安く売ってるし、今回はこのバーゲン限定で砂の国の有名メーカーも出店してんのよ!!しかも数量限定!!あんたわかってんの?そのメーカーはナルトのお気に入りのヒヨコさん浴衣のメーカーよ!!」
隣に座って力説している紅にカカシはハッとしたように言う
「あのヒヨコ柄!なかなかないと思ってたらブランド品だったの!?っていうか早く行かなきゃ!!」
気づいたカカシは早かった。
いつものようにいつものごとく会議をけん引して見事に終了させ、結界を説いてもらった瞬間に瞬身でさっさと会議場を抜け出してさっさとバーゲン会場へ。
そのまま店中のありとあらゆるヒヨコ柄を買いあさり、ついでに在庫であると言っていた浴衣を買いあさり、そのまたついでにナルトでも着れそうなファスナー型のワンピース(尻尾が邪魔して基本的にはズボンはけない)を買いあさり、世のお母さん方の鋭い視線をモノともせずに買い物を終了させたカカシ。
すっかり疲れて獣姿になっているナルトをのせて、大きな袋を抱えてホクホク顔で買えるカカシは、なんとも所帯じみていて、かつては木の葉No.1のモテ男だったことなぞ見る影もないのでした・・・。


モウモウ様
たいっへんおまたせしました!!
所帯じみたカカシです!!
気に入っていただければ幸いです。

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