カカシ、緊張の一瞬・・・

「かぁし〜・・・なぅとおにゃかへったぁ・・・」
おなかが減ったことをアピールすべく、思いっきり浴衣のすそを持ち上げておなかが減っているにもかかわらずポヨンと出ているおなかを見せる。
しかし
「ナルトは今日は健康診断だからご飯食べちゃいけないんだよ・・・ごめんね?もうちょっと我慢して・・・」
涙ながらにナルトのポヨンポヨンのおなかをさりげなく撫でまわしながら、カカシはナルトのオネダリビームを直視しないように下を向く。
「ぅぅぅ・・・」
目に涙をいっぱいためて、そりゃもう悲しげな声をあげて嗚咽するナルトに、カカシは後悔の念にさいなまれて頭を抱える・・・
何をそんなに悲観しているかって?

木の葉の里で忍の健康診断が本日あるのです・・・
カカシは毎年パーフェクトにすべて基準値以内に収まる・・・が!!!
カカシが日々甘やかして抱っこしておんぶしてるナルトのプクプクさんがヤバイようで、カカシが昨日の晩に測定した体重は、おそらくちょっぴり太り気味さんに認定されてしまうであろう数値をたたき出していた。
そして、困ったことにナルトとて任務をもらう立派(?)な忍。
基準値を過ぎていると、与えられる任務が体力系になっていく・・・
可愛いナルトに筋肉がもりもりに付いていることを想像して、嘆くカカシ。
一方でご飯が与えられないことにしょんぼりして嘆くナルト。
木の葉有数の高級マンションから朝9時から響き渡るすすり泣き・・・
隣人たちは息をひそめ、我関せずを貫くのです・・・


「ナルトく〜ん。はたけナルトく〜ん・・・」
受付横に作られた広いスペースに作られた健康診断用の受付に呼ばれて、ナルトを抱えたカカシが入っていく。
「宜しくお願いします・・・」
しょぼくれて魂がどこかに行ってしまったかのようなカカシに比べ、興味心身でフンフンと鼻を鳴らしているナルト
「おねがいしましゅ!!」
カカシの腕から颯爽と下りて、看護士さんに導かれるままに身長をはかる
「わ〜!!ナルトくんは90センチもあるんだねぇ!すごいねぇおっきぃねぇ!」
看護士さんに褒められてご機嫌のナルトは体重計に・・・
「はぁぁぁぁぁ!!!!」
カカシの良く分からないため息と共に、いい子だとかすごいとか言われてすっかり調子こいてしまっているナルトが体重計に乗る
カカシの精神が研ぎすまされる。
ナルトの足が体重計に乗る・・・
緊張の一瞬の後・・・
「うん!!18キロだねぇ・・・」
「ぎゃーーーーー!!!」
看護士さんの声が聞こえるや否や、カカシが悲鳴とともに崩れ落ちる。
「ナルト〜!!!」
「かぁし!!どうしたの〜!!!!????」
絶叫とともにナルトに抱きつくカカシにおどろいたナルト。
「・・・ナルトはこれからやせなくちゃならないんだよ・・・甘いのダメ。ラーメンダメになるんだよ・・・」

ガーーーーン!!!

と、ナルトの背中に背景が出そうなほどにショックをうけるナルト・・・
しかし、
「ナルト君は特別除外認定ですから、大丈夫ですよぉ?」
看護士さんの言葉に、カカシがハッとする。
世の中には太っていることが武器になる忍や、長期休暇中の忍、変装として太っている忍、産休ぎりぎりの忍・・・その他、なにか事情があって規定外であっても任務の変更やダイエットの要請のない忍がいる。
それが除外認定・・・
ナルトはまだ成長中だし、獣の子供はふっくらしてしまうものであろうという理由から除外認定をもらっているようである。
「よかったぁぁぁぁぁぁ!!!!」
嬉しそうにナルトを抱えて帰るカカシに、笑顔で手を振る看護士さん。
木の葉は今日も平和です・・・。

FIN


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