ナルト、バイトする2

そんなこんなで、今日も今日とてお留守番のナルト。
「ナルト。じぃじと一緒にここにいてね?今日はちょっとおそくなるから・・・」
悲しげなカカシを余所に、ナルトは鼻息も荒く
「今日はにんむしゅんの!!」
と、昨日からいいつづけていて、カカシには意味不明の宣言をしつつ
「かぁし!!いってらっちゃい!!」
なんて、いつもなら悲しげに言われる台詞を元気に言われて、カカシはなにがなにやらな状態で、今回の任務のツーマンセルである上忍にひっぱられるようにして任務へと向かった・・・


「じぃじ!!なぅとはにんむなの!!いってきましゅ!!」
火影の腕から脱出したナルトは、ニコニコして見つめてくる火影にびしっと敬礼をしつつ、部屋を出ようとする・・・と
「ナルトや。何をする任務なんじゃ?」
見守っていた火影に聞かれて、ナルトが元気に事の次第を話し出す。
もちろん、そばに控えているシカクの通訳なしでは火影には伝わらない拙いおしゃべりを火影はホウホウと相槌をうちながら聞いている。
「あぁ・・・そやつなら今は自宅療養中じゃなぁ・・・シカク。ナルトと一緒に行ってやれ。思いを伝えたい忍犬の言葉を確かに主人に伝えてやらんとなぁ・・・」
平たく言えば、通訳の通訳・・・。
シカクがナルトをさっさと抱きかかえて瞬身で件の忍犬のもとへ移動する。



「ワンワンワン!!ワゥン?(来てくれてありがとう!!その人は?)」
「コンコン!!(カクだよぉ!!)」
「わん!!(そっか!!)ワワワワン(入ってくれ)」
忍犬とのあいさつを済ませて、さっさと進んでいく忍犬について忍犬の主人の寝ているベッドにたどり着く。
「シカクさん!?お!!お見苦しい恰好を」
突然自室に現れたシカクに慌てふためいている主人をよそに、忍犬がモジモジしだす。
「きにするな。療養中にすまないな・・・ちょっとナルトに付き合ってやってくれ」
そういって、シカクはナルトの行動に目をうつし、壁にもたれかかった。
言われた主人はわけのわからない言葉に、ちいさくうなずいてナルトの様子をうかがう。
「ワンワンワン!!」
一方で、やっと意を決したようにナルトから視線をずらして主人を見つめて吠える忍犬に、ナルトがぐっと前に出て通訳しだす
「なぅとね!!このわんわんのいってぅことわかんの!!
あんね!!
いつもありがとぉって!!けがしていたぁのよ?だからめっよ〜?ぼくがまもんにょだからね!!」
ナルトの言葉に困惑している主人に、シカクが助け船をだす
「ナルトは狐の妖だからな。その忍犬の言っていることがわかるんだ。
それで、その忍犬から言葉を通訳してほしいと頼まれたようでな。
『いつもありがとう。
でも、怪我してまで、痛い思いしてまで守らないでください。僕が貴方を守るんだから』と、その忍犬は言っているようだ」
シカクの解説にさっきからそういってるでしょ!!とばかりに尻尾を持ち上げて得意満面の誇らしい顔つきでさきほどからあたりを見回している。
「そうか・・・こいつはそんなこと思ってたのか・・・」
ホロホロと涙を流す主人の頬に寄り添って忍犬が頭をすりよせる。


「ナルト。我々はお暇しよう」
シカクにそっと促されてナルトが部屋の外に出る。
「よし!!任務完了だ。火影様に報告して任務の報酬をもらわないとな!!ナルトは何がほしい?」
シカクからのその問いにナルトが待ってましたとばかりにピョンピョン跳ねる
「なぅとね!!かぁしにプレジェントしゅんの!!これくらぃのひよこしゃんのカップよぉ?」
どうもナルトの中で任務完了で好きなものが貰えるという方程式が出来上がっているようで、シカクはそっと式を飛ばして火影に報告を入れる。
そして、火影に受付でお目当てのカップがかえるほどのおこずかいをもらえるように算段を付けた。



IN受付
「はい。確かに任務完了を確認しました。今回の報酬です」
ナルトの前に出されたのは、なんだかよくわからないきらきらしたモノ
「カク〜?」
一枚取り出してシカクに見せると
「それはおかねと言って、それがあればいろんなモノが買える。これをもって町でカカシのプレゼントを買いに行こうな」
見事に任務完了の報告業務とお金というモノの説明、ついでに買い物の仕方まで教育したシカクはひそかに満足して、商店で買ったひよこさんカップを大事そうに抱えるナルトを抱えて、夕暮れの街をカカシがかえってくる前に戻るべく、ちょっと早足で歩くのでした


  
  FIN
その後、プレゼントをもらったカカシが、お返しにナルトのほしいものすべてを買いそろえ、木の葉のおもちゃ屋さんは品薄状態になったとか・・・


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