ナルト、バイトする1

里は12月に入って一気にクリスマスムードになり、ナルトもサンタさんが来るのを指折り数えている日々・・・
「あら?ナルト?」
ピンクの髪のサクラが大きな荷物を抱えて大通りを歩いていると、テコテコお散歩中の9本尻尾の狐に出会い声をかける。
『ポン』
さきほどまで暖かそうな狐姿が一気にひとにかわり、サクラのほうへ走り寄ります。
「しゃくらちゃん!こんちは!!」
元気にあいさつをしたナルトに「こんにちは」と返して、あれやこれやと話していると、
「おっきぃね?」
ナルトが荷物を指さして小首をかしげれば
「あぁ・・・もうすぐクリスマスだから、大切な人のために買ったのよ」
サクラが笑いながら教えてくれた。
手を振ってナルトを見送るサクラを背に、ナルトが悩ましげに唸りながら歩いていきます。
ナルトの中で立派にインプットされた「クリスマスは大切な人へプレゼントをする」という難題を実行すべく、ウンウン唸るのでした。


その夜
「コンコンコン!!!コ〜ン!!」
「バフッ!!」
「わんわんわん!!!」
木の葉の夜、公園の隅にたむろする犬たち。
忍犬だったり、ペットだったり、はたまた狐だったり・・・
わんちゃんたちの集会が行われています・・・
「わんわん(お前も大変だよね・・・この前の任務のときにけがしたって?)」
「ワゥゥゥ・・・(そうなんだよ・・・ご主人様は俺をかばって足に怪我しちまった・・・)」
「ワウゥワン!!(お前大事にされてんだよ!!おれなんておとりに使われてる忍犬見たぜ!!)」
「ワン!!(そりゃヒドい!)」
「コンコンコン・・・(みんな大変なんだねぇ・・・)」
ここに混ざる狐に、最初こそ犬たちも違和感を覚えていたが、最近ではなじんでいる。
カカシが抱っこでわんちゃん集会に連れてきてくれて、二時間くらいすると迎えに来る。そんな光景にも慣れてしまった
「わんわん(お前はいいよなぁ・・・言葉喋れるし、何よりあのカカシさんのペットだもんなぁ)」
『ペット』という言葉がよくわからないナルトであるが、カカシがほめられたのがうれしいらしく、しきりに尻尾を振っている。
「コンコンコン!!!(カカシはすごいんだよ!!)」
誇らしげに胸を反りかえしてるナルトに、一匹の忍犬が寄って行く。
「バゥワゥ!!わんわん!!(俺のご主人様に俺の言葉を伝えてくれないか?頼む!!!)」
それは、先日の任務で主人たる忍に守られた忍犬。
「コン〜・・・(うまくできるかなぁ・・・)」
不安げなナルトに、
「ワンワンワン!!(ご主人様に頼んでご褒美貰えばいいんだ!!そしたらやってくれるか?)」
「コン!(やるっ!!)」


そんなわけで、今日のところはカカシのお迎えもきてしまったので、また後日・・・
「ナルト?なんかうれしそうだねぇ?」
「にんむしゅんの!!!」
「ん?」
カカシの脳内がクエスチョンマークでいっぱいなことなどいざ知らず。カカシの腕の中で鼻息も荒く帰宅するナルトなのでした・・・



つづく・・・

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