ナルト、たぬきねいり

春です・・・今日は里の上忍連中が花見の席を設けております。
里を代表するメンツの勢ぞろいににわかに沸き立つ花見会場には、普段は事務をしているであろう女性忍が大勢お手伝いという名目で狩りに来ています・・・お目当ては当然・・・
「はたけ上忍・・・おかわりお注ぎします」
そういって、寄って来たのは、紅よりも谷間が見えているムンムンな女性・・・。それでもしおらしくうつむき加減で言うのは、計算なのか、それともカカシの圧力に目をそむけたのか・・・
「あの・・・カカシ・・・その隣にいるちんこいのは・・・」
普段は遠征任務が多い上忍仲間が、ナルトに寄ってくる。その中には、先日北方の任務地でナルトと似たような形態の妖狐に遭遇し、殺されかけたという輩までいた。
「北方の山では妖狐は神格化され、妖狐の住まいである奥山に入ることすら禁忌でした。そこに入っていくために編成された任務でしたが、妖狐の山にある薬草をとりに行っただけで、4人編成のうち3人が重傷でした・・・でも、こんなにかわいい感じではなかったですが・・・」
そういって、おそるおそるナルトの髪を撫でる
「コンコン・・・?」
カカシの横でおとなしくおすわりしていたナルトは、耳を寝かせて撫でられるままにしている。
「あぁ・・・ナルトはねてていいよ?膝来る?狐型ならずっと寝てて大丈夫だよ?」
さすがのカカシも片めの地面にあぐらでナルトは重いらしく、今日は横でねかせていたのであるが、こう人が多くては、ナルトが寝そべっているのも邪魔と言うもの・・・と、いうか、カカシの横を独占するナルトに、女子連中からの攻撃が来るのではないかと気が気ではないのだ。百歩譲ってそれを全力で防ぐにしても、その他の連中がナルトを撫でにくるのもなかなか気にくわないカカシは、ナルトが狐化した瞬間にさっさと抱っこして、膝に乗せてしまった。


「カカシさぁん・・・酔っちゃった・・・」
花見の時間が長くなってくれば、それだけ酔っ払いも増えるというもの・・・
カカシはしなだれかかって谷間を押し付けてくるケバイ女に辟易しつつ、ナルトを起こさないように体を動かしてかわす。
「あぁん・・・もうだめぇ・・・カカシさん・・・どっかいきましょ?」
そっと囁く言葉を笑ってかわし、アスマに助けも求めるべく、その巨躯をさがす・・・が・・・

「アスマさん・・・」
「アスマさん・・・」
アスマの里の中で非常に優秀な忍である。
カカシ程ではないにしろ、そのまわりには女性が群がっていた・・・が、
「ちょっとアスマ!!さっさと断りなさいい!!」
アスマの最愛の恋人が助けに行く。
「アスマを誘うなら、アタシを倒してからにしな!!」
そういって立ちはだかる紅に、アスマはウルウルしながら、
「やっぱ俺には紅しかいねぇ・・・」
なんて、ささやいて幸せそうに笑っている・・・
アスマの状況をみたカカシは、そっと寝ているナルトを抱っこし直して、
「かえろうかな・・・」
そういって、まわりに旋毛風をおこしつつ、さっさと家に引き上げるのでした・・・


バカップルは俺たちだけでじゅうぶん!!


「ナァルト?帰って来たよ?起きて?ご機嫌治った?」
「・・・かぁしはなぅとのなの!!」
そういって抱きつくいとしい存在に、カカシの顔はゆるみきってだらしなくさげられた目に、満足げな光が浮かんでいた・・・

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