カカシ、大ピンチ

「こんばんは〜」
やっとの思いでなんとか里に帰ってきたカカシは、なんとも可愛そうなくらい疲れた顔で、奈良家を訪れた・・・
「あらあら・・・ナルちゃん。お迎えよ」
吉野が一旦、玄関に顔を出したが、すぐナルトを呼びに奥に入る。
「おうカカシ。帰還したか・・・大変だったんだな・・・どうしたんだ?」
カカシは目の下のクマをそっと撫でつつ、
「護衛の名目でそばについてから、プレゼント攻撃から始まり、自分がいかにお買い得物件かを話はじめ、しまいには、夜伽も任務のうちとか言われ・・・でも、俺あんな小娘には食欲わかないんで、丁重にお断りして、護衛の任務完了の場所までひたすら冷たくしてきました・・・でも、『そんな冷たいカカシさんも好き・・・』と、最後にいわれたので、幻術かけて来ました」
なんとも可愛そうなくらいにゲンナリした顔で言われてしまえば、シカクもなんともいいにくそうに
「ごくろうさん」
と、一言ねぎらうにとどまった・・・本来であれば、「素人相手に忍術を使うな」とか、いろいろいうことは多数あるのではあるが、如何せんカカシの状態があまりにも可愛そうで、シカクには何も言えない。きっと、このカカシを目の当たりにしてしまえば、火影とてなにもいわないであろう・・・


「じゃ、お世話になりました」
「カク〜!!よちのママ!!ばいばい!!!」
元気よくカカシに抱っこされて、去っていくナルトに手を振りつつ、奈良家はまた静かな日常に戻った・・・



「ナルト〜・・・ただいまぁ」
「かぁし!!おかぇい!!」
ニコニコと、カカシに捕まって遊んでいるナルトに、カカシがニコニコした顔で、頬にチューしたり、おなかに顔を押し付けたりして、ナルトの感触だったり、香だった李を確かめる・・・しかし・・・
「ナルト・・・俺もうダメ・・・眠いから・・・ごめん・・・」
任務の疲れによってもたらされた眠気に耐えることができず、カカシはナルトを上に抱っこしたままベッドに横になって、眠った・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みなさん。おはようございます。はたけカカシです。
俺は今、非常にピンチです。
なんでかって?
それは・・・
「かぁし〜!!あちゃよ!!おっき!!」
元気にナルトが、俺に乗って起こしてくれてるんだけど、ナルトのツルンでスベッな太ももが、俺の腹をきゅっと押さえてるんです・・・
俺、昨日疲れてて、ついつい任務明けの薄手のシャツで寝ちゃってて、油断してたんです・・・
「おっき!!!!」
おきちゃってるのよ・・・
「かぁし!!おきぅの!!」
いやいや・・・起きてますよ?でも起きれないんです・・・本来ならぐっすりおやすみになってていただきたい方が、完全に起床しちゃってるんです・・・ナルトの太ももに腹部を刺激されちゃって、起こしてはいけないモノが起きちゃったんです!!!!!
俺、チョーピンチ!!
どうすんのこれ?俺が起きないとナルトがどかないケド、俺が起きたら、俺と同居中の俺の中の野生がお目覚めなのモロバレ・・・
ドウスンノコレ?野生の生き物だから、イケるか?
でも、野生っつっても相手はナルト・・・まだまだお子様な俺のマイスウィートエンジェル・・・そんなナルトにいつかこの姿を見せる。そして、それをナルトが嬉しそうに、恥ずかしそうに笑うのを、見つめて、そっと・・・あははは・・・そんなこと考えてたら余計に収まんない☆
もう諦めて、さっさとさらしちゃおうかな・・・
いやいや・・・ここはちょっと頭を使おう・・・
いづれはこんな姿を見せて、ナルトにパクっなんてしてもらえる日を夢見るけど・・・今じゃない!!
いづれはこんな姿を見ただけで、ナルトのオケツマンコちゃんがキュンってなるくらいに仕込もうとか思ってるんだけど・・・
今じゃない!!!
こんなまだまだド天然のヒヨコちゃんにみせていいものじゃない!!
万が一これを見せて、火影のジジィにでもナルトがポロっと言っちまってみろ・・速攻でナルトがここから離される・・・
よし!!頑張れ俺!!とりあえず、ナルトをさっさとここから離すんだ!!
「ナルト〜・・・昨日、お土産に限定ほうじ茶プリン買ってきたから、スプーンとお皿用意してきてくれる?」
古今東西、ナルトには甘いもの。
キャッキャと去っていく可愛いエンジェルを、見送りつつ、さっさとトイレにおこもり・・・
「ナルト〜・・・俺、ちょっとポンポンイタイから、トイレから出らんないから、先に食べてていいよぉ」
トイレから叫べば、嬉しそうに包み紙をあける音・・・
よし。これでしばらく時間が稼げるぞ!!!
頑張れ!!
俺!!



FIN

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