ナルト、盗み食いをする1

今日も今日とてカカシは任務。
火影も忙しい決算期前で、今日も今日とて、ナルトは奈良家に預けられている・・・
「ナルちゃん。ご飯だから、カクパパを呼んできて?」
「ぁい!!」
今日も今日とて吉野のお手製デザートのにおいにウキウキと心を弾ませて、任務遂行のために、シカクが籠っている書斎に向かう・・・
「カク〜?ごぁんよぉ?」
ドアの前で可愛くクリンと首を横にかしげつつ、応答のない書斎のドアを開ける。
「カク〜?はいるのよぉ?」
おそるおそる・・・一歩一歩と進んでみれば、普通の人が見たら明らかに怪しい物体・・・でも・・・
「メロンのジェリー!!!!!!」
速攻頬張るナルト・・・確かに緑色のプルプルした物体である・・・でも・・・
「あーーーーーーーー!!!!!!」
ちょうど書斎の続き部屋である書庫から出てきたシカクが見たものは、先ほどまで自分が研究していた他国が開発した謎の物体を頬張ろうとしてるナルト・・・
「カ・・・・カクゥ・・・」
慌ててその物体を元の位置に戻して、
「なぅと食べてないにょ?」
一生懸命に知らんぷりを決め込むも、失敗・・・なぜなら、謎の物体は不格好に一部がなくなっている。しかも、ナルトの喉が『ゴクン』と、動いた・・・
「・・・」
「・・・な・・・なんともないのか?」
シカクのもっともな問いに
「カク〜?こぇぉいちくにゃい・・・」
ヌヌヌ・・・と、下に広がる不快感をあらわにした顔で次第に涙があふれてくる。
「ふぇぇぇぇ・・・」
ナルトが泣きだしたその瞬間・・・
『ポン』
ナルトがいた場所に現れたのは、金髪碧眼の美しく可愛いどこか見たことのあるような、大きな耳と9本の尾を持つ、頬の三本痣が印象的な10歳〜12歳くらいの少年・・・
「カク〜?小さくなった?」
「・・・ナ・・・ナルト・・・?」
シカクはそのまま、ダッシュでナルトのカバンを漁り、緊急用の巻物をあけてカカシを召喚した・・・


「あらら・・・ナルトが大きくなってる・・・」
開口一番に事実確認を行うようにして、まじまじと見つめつつ、自分に抱きついてくる9本尻尾の美尻を見つめる・・・
(おちつけ俺・・・シカクさんがいってただろう・・・ナルトはすぐに元に戻るんだ・・・こんな美尻を触れるのは、今だけだ・・・だから尻だけでヨシとしようじゃないか・・・いいか、俺。尻触るのだってこんなに成長した姿を触るのはあと7年は我慢しないといけなかったのに、こうしていま堪能出来てるんだ・・・それだけで十分じゃないか・・・なぁ、息子よ・・・)
カカシの脳内会談を知る由もなく、ナルトがニコニコと笑う
「カカシ〜?ナルト大きいでしょ?可愛いでしょ?カカシ〜!!」
そりゃもうカカシが太鼓判を大盤振る舞いに押してついでに拇印まで押しても足りないくらいに可愛いナルトである・・・それが、ほぼ裸でカカシに抱きついているのである。カカシの下半身のやんごとなき事情も相まって、
「すいません・・・一旦ナルト連れて家に帰ります。身なり整えて、もうちょっとナルトが落ち着いたら火影邸に行くので・・・」
早口で言い残して消えるカカシに、「相当慌ててるのだな・・・」なんて悠長なことを考えつつ、吉野への説明に頭を悩ませるシカクであった・・・


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