ナルト、きぇいきぇい・・・

「ナルト〜?お風呂できれいきれいしようか?」
今日もいっぱい遊んだナルトは泥まみれのやんちゃッ子丸出しで、任務終了と共に迎えに来たカカシに笑われる。
もちろん、笑うというよりほほえましいと頬を緩ませているだけであるが・・・
「今日はなにしたの?」
カカシが問えば、背中に背負われている大きな耳が嬉しそうにピクピク動く。
「きょぉはカクといっちょに木にのぼったのよぉ!!なぅとはじびゅんでのぼれるのよぉ!!」
どうも、今日はシカクに習ってチャクラを足に溜める練習をしていたらしい。だから屋外でしかもドロドロだったのか・・・



帰宅後、カカシはナルトの着替えを出し、ナルトが浴衣を上手に一人で脱いでいる間に湯を沸かす。
「かぁし〜!!なぅとチャポンは青なのよ〜!!!」
遠くでナルトが入浴剤の色を指定してくる。最近は青がナルトのお気に入りらしく、カカシは毎回せっせと炭酸ガスの○ブを購入している。ちなみにナルトは凝ると長いので毎回同じモノを大量買いするカカシ。

『♪〜♪♪〜』
そうこうしているうちにお風呂から準備完了とばかりに聞こえてくる音楽。
それと共にカカシは自分も服を脱ぎ、ナルトを抱っこしてシャワーを手早くかけて湯船に入れる。
「かぁし〜きもちぃねぇ?」
ナルトは上機嫌でカカシの膝の上でアヒルさんのおもちゃで遊んでいる。
カカシはそんなナルトの髪を撫でてゆったり・・・
「かぁし!!なぅとはもう成獣だからなんでもひとぃでできるの!!」
なにがどうなってそうなったかカカシにも良く分からないが、ナルトはいそいそと湯船を出て、ナルト専用お子様イス(風呂用)に座り、カカシがいつも使っているスポンジにボディーソープをシュポシュポして、いそいそと体に塗りたくり・・・もとい体を洗いだした・・・カカシは、ナルトが人間的な事を自らし出すことに深く感動を覚えつつも、ひそかな楽しみを奪われた複雑な表情でナルトを見守っている・・・
「アワッアワ〜シュワッシュワー・・・」
ここでナルトは困ったことになった・・・大きな耳は畳んでモミモミした。体もごしごしした。
・・・
・・・しっぽが
・・・ナルトのまだまだ短いお子様体系のナルトには、尻尾が付け根まで洗えない・・・一般の人であれば、ささっと届くものが、ナルトの立派な尻尾のせいで届かない・・・
「な・・・ナルト!?」
ぼんやりといい気分で浴槽から見守っていたカカシ驚愕!!ナルトが突然泣きだしたのである。浴槽にいるカカシになんとも憐れな「ヒ〜ン!!」という声と共に、涙目でカカシを見つめる・・・
「かぁし・・・なぅとまだ上手にできないにょ・・・かぁし・・・やって・・・」
「ぐは!!!!!!!!!!!!!」
カカシ悶絶・・・
目の前には、お尻をちょっと高く上げて、尻尾をちょっとあげたプリティ桃尻がフリフリしているのである・・・しかも、「ヤッて」という懇願付きで・・・
(ナルトが俺にヤッてって・・・!!尻尾あんなにあげて・・・お尻まるみえ・・・!!!しかも!!!しかも!!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・そんな上気した頬で!!涙目で俺を見つめないでぇぇぇぇ!!!)
カカシは必死に震える手を叱咤激励し、なんとかナルトご要望の尻尾の付け根を洗ってあげる。ついでにお尻も・・・と思ったら、さっさとナルトは態勢を戻して、自分で洗いだした・・・
カカシはちょっと残念そうに浴槽に戻って、ナルトを見守る・・・

ナルトが今度取り出したのは、シャンプーの際のキャップ。一度カカシがそれを忘れてシャンプーして目に入って以来、ナルトはちゃんとそれを装着しないと、お湯すらかけさせてくれないのである・・・しかし、なんとか自分で付けようにも、大きな耳が邪魔してなかなかかぶれない・・・
「かぁし・・・入れて〜?」
(ぬぉぉぉ・・・落ち付け俺!!あくまで、耳を入れてほしいんだ!!違うぞ!!!しっかりしろ俺!!できる子だろう俺!!里の誉れ高き上忍がこんなところで負けるわけないんだ!!頑張れ!!!俺!!!)
カカシはなんとか今回も己を叱咤激励して、ナルトの頭にシャワーキャップを付けてあげる。しかし、一向に動かないナルト・・・自身のやんごとなき事情により、浴槽からへそまでしか出せないカカシが、どうしたもんかと見ていると・・・
「かぁし〜!!かけて〜!!」
(落ち付け俺!!!!お湯をだ!!それ以外のナニがあるって言うんだHAHAHA・・・)
仕方ないなぁ・・・なんて、乾いた声を出したカカシは、ナルトに最適な温度か確かめてお湯を頭にかけ、次いでシャンプーをかける・・・が・・・
「グハッ!!」
ナルトの頭になんとも魅力的に、シャンプーが・・・
(グッハッ!!ナルトの耳から頭にかけて白濁色の粘性の液体が・・・あぁぁぁ・・・大丈夫だ俺!!ナルトはまだまだお子様だから、きっと俺の息子さんが元気でもごまかせる!!だから、冗談じゃきかない事だけはしちゃだめだ!!大丈夫!!まだやれる!!ん?ヤれる・・・ヤ・・・あぁぁぁ!!落ち付け俺!!)
ちなみに、しつこいようですが、ナルトの頭にかかっているのはシャンプーです。
もう一回妄想世界に飛び込んでしまうとなかなか抜け出せないカカシは、結局、
「かぁし〜!!きぇいになったの〜!!!」
ナルトがシャンプーを終え、勢い込んで湯船にダイブしてきて、折り曲げていた膝に激痛を受けるまで、妄想世界にダイブしていた・・・



この夜、達成感に満足して早々に眠りについたナルトをよそに、カカシは一人トイレで妄想炸裂自家発電にふけった・・・

[ 36/68 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
トップ



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -