ナルト、いじわるされる

『ヒィアアァァァァァァァァァ!!!!』
恐怖映画を見るのが怖いのに、ナルトは、カカシがなにげなくテレビをまわした瞬間にちらっと映った悲鳴と共に血を流しながら追いかけてくるゾンビ達と戦う女性の映像が気になって気になってしかたがない。
「かぁし・・。なぅと怖くないよ?」
カカシにそれとなく訴えかけてみても、カカシは「やめときな」とほほ笑んであたまを撫でてくれるだけだった。
「かぁし・・・なぅと大人だもん!!」
カカシの手を振り切って、ぷりぷりと自分は大人だから見られる!!との主張をするナルトに、カカシは嘆息しつつ、縋りついてくるナルトを想像の視野に入れつつも、
「無理だったら自分でテレビかえなさいね?」
と、リモコンを渡しつつ、チャンネルを変え、音量を少し下げる。
「・・・うん・・・」
ナルトはすでにちょっぴり怖いらしく、カカシの膝の上に移動すると、カカシの腕を自分の体に巻きつけるようにして抑え、力んでいる。
「ナルト・・・かえる?もっとおもしろいのきっとやっているよ?」
カカシがリモコンをテレビに向けると、フルフルと首を振って、見ると主張するも、その尻尾は明らかに小さくなっている。
そんなナルトに抑えられたて手をちょっとずつ動かして、なんとか引っこ抜いて、カカシがそっと印を組む・・・
影分身で出てきた己に、ニヤッとした笑いを向けつつ、そっと目配せをする。



ゾンビの根絶と共に世界の平和を取り戻し、エンドロールが流れるころ。
「かぁし・・・なぅと平気だった・・・」
と、明らかな涙目と、プルプル震える手ですがりながらの宣言に、カカシは吹き出しそうになるのをこらえつつ、
「すごいね」
と撫でてやれば、ナルトが
「といれ・・・」
と、小さくささやく
「いっといで?」
ついつい意地悪をしていしまうカカシは、ついてきてほしそうにこちらを見ているナルトに気付かないふりをして、さっさとキッチンに行ってしまう・・・
「かぁしぃ・・・」
一方で泣きながらカカシの後ろをついていくナルト。明らかにひとりになれないようで、カカシは笑いをかみ殺しながら、ナルトの視界が一瞬自分から離れるように、
「カップとって」
とか言って、さりげなく一瞬で影分身と入れかわる。
影分身の顔には、ゾンビメイク。
「かぁし・・・なぅと・・・トイレ・・・」
もう一度チャレンジしたナルトの目に映ったのは・・・
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
ゾンビメイクの影分身。

『どうした!!!!』

あまりにもな叫び声に、隣で昼寝中のアスマまでカカシ宅に乗り込んできた。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
とにかく恐慌状態のナルトは、あすまの出現にもびっくりしすぎて叫ぶ。
「・・・お前・・・カカシ本体はどうした?」
さすがは上忍である。アスマはカカシの影分身を見抜き、ナルトを抱っこしつつ、かかしの気配を探せば、天井に張り付いているカカシ発見。
「バレタ?」
ニコニコとほほ笑むカカシ。それと同時にゾンビのカカシは消えた
『ジョ―――――』
それと同時にナルトがお漏らしをしながら大泣きし出した


その後、アスマからこっぴどく叱られ、ナルトから遠巻きにされたカカシは、酷く反省した・・・

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