ナルト、誘拐未遂!?

「コンコンコン・・・クゥゥゥン・・・」
木の葉には絶賛風邪流行中。
カカシの可愛い子狐さんも風邪ひき中。
「ナルト大丈夫!?」
現在ナルトは、あったかいという理由で、狐の姿でベッドで丸くなっている。
「コンコンコン・・・」
あきらかに大丈夫そうではない元気のない返事にカカシは、
「お薬買ってくるから!!おとなしくしてるんだよ!!」
大急ぎで薬局に走っていった。
「コン〜・・・コンコンコン・・・(カカシ・・・さみしいよぉ)」
風邪ですっかり甘えたさんになってるナルトは、ふらふらの体をなんとか支えて、カカシの出ていった方へ歩いていく。
もちろん、なんといっても上忍であるカカシの全速力に、風邪気味子狐が追いつくわけもなく、ふらふらとにおいを頼りに歩いていく
「コン〜・・・(カカシ〜)」



「おいみてみろよ!!狐だぜ!!こいつは毛づやがいいからよく売れるぞ!!」
なんと、ナルトの目の前には、忍と思しき男が二人。
「ホントだ・・・なんでこんな街中に?今日の呑み代くらいにはなるな」


ヒョイと掴まれ、慌てて暴れても、もともと子狐だし風邪ひき中でたいした抵抗にもならずに軽々と目前にぶら下げられる
「コ〜ン!!!!!」
デシデシと短い手で敵の鼻めがけて猫パンチならぬ狐パンチを繰りだすが、どうしても届かない。ナルトは泣きそうになりながら必死にカカシを呼ぶ。
「コン〜!!コン〜!!コン〜!!」
「なんか必死に鳴いてるぞ。仲間に助けでも求めてんのか?もっと呼べよ?俺らは儲かるし、お前は仲間がふえるぞぉ?」


「コンコンコンコ〜ン!!!」
ナルトのチャクラが里に響く。
不思議な鳴き声に、忍二人はあたりを見回す。
「なんだ?」
「ちょうど、風で響いたんだろ。こんな狐になにができるってんだよ」
つまんだままのナルトをおろすことなく、そのまま路地裏に連れさる。先ほどまでいた場所は、高級マンションの近くで里の中心にほど近い故に目立ってしまうと、考えたらしく、細い路地に入った瞬間に、忍二人が違和感を覚える・・・


「おい・・・たしか最近、はたけカカシさんが狐かってなかったか?」
「・・・たしか、さっきの高級マンションに住んでるよな・・・」
「・・・その狐は妖狐だって噂だったよな」
忍二人の考えが、最悪の方向へ向かう。
そして、二人が顔を見合わせて、それからさきほどからぶら下げている狐を見れば、風邪の影響か、小さく足の間に挟まっていて見えなかったが、尻尾が9本・・・
二人の顔色が真っ青になっていく・・・
彼らの足元に、ほうき頭の影があるからである。
それだけではない。さきほどのナルトの助けを呼び求める悲痛なチャクラを感じ取った者たちが集結しつつあるのだ・・・
「ナルト!!大丈夫!?」
カカシに抱きかかえられて安心したナルトがシクシクと泣きだす。相当怖かったことを表すようにして、声もあげずに泣いている
「・・・うちのかわいいナルトになにし腐ってくれてんのよ・・・」
ドスの効いた声と、ありえないほどの殺気に、腰を抜かして後ずさる。しかし、すぐに壁に当たる・・・壁なんてなかったはずの場所で・・・
「・・・俺の弟泣かすなよめんどくせぇ」
「ナルトを泣かせた罰として、新薬の実験台だな・・・毒薬でいいか?」
奈良家メンズ会である。
「ナルト〜!!!」
後方からは暗部の一小隊を従えた火影までかけてきている
「「すいませんでした〜!!!」」
抜けた腰をなんとかかんとか立て直し、土下座を決め込み、地面に頭を擦り付ける忍二人を、暗部は容赦なく連行する。


「ナルト〜?あぶないから一人で外でちゃダメって言ったでしょ?首輪付けるよ?」
「コン?(くびわ?)」

『ポン』
現れたのはパックン。その首に光るドッグタグ付き首輪。
「パックンの首についてるやつ。」
カカシは厳しい顔で、嫌でしょう?なんて聞いてみた・・・が・・・
ナルトはそれはそれは嬉しそうに「ハッハッ」と、息をして、首をカカシに差し出す。どうも、付けてほしいようである。
「・・・」




その後、カカシのへのへのもへじマークの首輪を付けたナルトが目撃されることとなる。狐の時も、男の子の時も・・・
そして、それを嬉々として見つめるカカシの姿も・・・

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