ナルト、とシカマルの内緒

「かぁし〜?お茶よぉ?」
ヨテヨテとお茶を運ぶナルトを、カカシはお盆の上で半分くらいこぼれてしまっているお茶を慌てて受けとり、お手伝いをしてくれたナルトを撫で撫でしてほめちぎる。
「ナルトはちゃんと吉野さんのお手伝いしてえらいねぇ!!俺はまだシカクさんとお話しなくっちゃならないから、いい子にしててね?」
褒められて有頂天のナルトは嬉しそうにパタパタと走っていく。



「ほめれれた!!」
嬉しそうにシカマルと吉野に報告するナルト。
そんなナルトの様子に吉野とシカマルはニコニコと笑顔を返す。
さきほどナルトが行ったのは、シカクの書斎。別名「木の葉の隠れ要塞」である。そこにたどり着くまでに様々なトラップが存在していて、招かれていない者が近付けば、跡形ものこらないであろう場所である。ナルトはカカシの絶対的愛と、シカクの庇護の元、トラップの発動しないチ人物して認識されている。
「じゃあ、ナル君。お手伝いしてくれたからおやつにしましょう!!」
と、吉野が出してくれたのはふわふわの生クリームの乗った黄色いプリン・・・ちょっとざらざらした見た目に、ナルトは「?」と首をひねる。ナルトが知っているプリンはプルプルでもうちょっとクリーム色なのである。
「今日はパンプキンプリンよ」
吉野にスプーンを手渡されながら
「パンキプン?」
なんだかよくわからないようで、ナルトは首をかしげつつ、プリンとにらめっこしている。
「パンプキン!!かぼちゃだ」
シカマルが横から紙にひらがなで「ぱんぷきん」「かぼちゃ」とイラストまで入れて書けば、ナルトが「かぼちゃ!!」とはしゃぐ。
「いたらきましょ!!」
おおきな声でご挨拶して、ハグハグとちょっとざらざらしてるけどあまくておいしいパンプキンプリンを頬張る。
「おいし〜!!!」
ご機嫌である。そんなご機嫌なナルトの隣で黙々と食べるシカマル・・・
「ちなみにカカシさんと父さんのぶんないから内緒ね?」
吉野の一言にシカマルが凍りつく・・・
奈良家メンズの会であり、互いに互いを励ましてきた中であった父をわざとではないにしろ、シカマルは裏切ってしまったのである。これまで幾度となく、母である吉野のナルト溺愛の衝撃を味わってきたのにもかかわらず、シカマルは顔面蒼白でスプーンを落としそうになる・・・自分だけ・・・自分だけ・・・
そんな自己嫌悪に陥りつつも、あと半分を食べずにあげればいい・・・とかいう考えにいたり、残りのパンプキンプリンにラップをすべく、キッチンに持っていこうとすれば
「・・・シカマリュ・・・もういらないの?ちょうだい?」
弟のように可愛がってきた9本尻尾をプリティ天使に小首を傾げて手を出されてしまえば
「しょうがねぇなぁ・・・夕飯ちゃんと食えるって約束できっか?」
「ぁい!!!」
元気に手をあげて主張するナルトに半分のプリンを差し出す。



あっという間に完食して、ナルト大満足。
ちょうどそのころ
「ナルト〜!!かえるよぉ?」
カカシがナルトを迎えに来た
「もう終わったんっすか?」
シカマルが聞けば、ちょうどシカクが顔を出す
「もう終わった。これからは試験的にではあるが、ナルトに攻撃系の忍術も教えてイケるんではないかと思ってな。しかも、このチャクラの量から考えて、この子はおそらく、相当数の技を覚えられるぞ。。。」
シカクが熱弁するのも聞いているのかいないのか、カカシは「お世話になりました」と、吉野に頭を下げ、ナルトにも挨拶をさせる
「ありゃーとでした!!!」
ナルトが元気にあいさつをして、カカシの胸に収まるべく、カカシによじ登る。
奈良家の門から出る際に
「おばちゃん。ちしょーしゃま」
と、言って口を抑える
「どした?」
カカシの問いに
「内緒なの〜」
と、ニコニコと人差し指を口元に当ててニコニコしてるナルトにカカシはなにごとかわからないが、とりあえず吉野にごちそうさまでした。と告げて、さっさと人様の家の屋根をとんで家へ帰る。
残されたのは、手を振りつつ見送る吉野。気まずい汗をごまかすように珍しく全開の笑顔で手を振るシカマル。そして、号泣のシカクであった・・・


「シカマル・・・父さんをうらぎったのか?」
シカクがシカマルの肩に手を乗せて泣いているシカク
「なにいってるの?あなたの分もあるわよ?」
そういって颯爽と居間に戻った吉野は、泣きやまないシカクにおそらくスーパーで買ったと思われる市販のプリンを差し出す。
「今日はコレ」
吉野に差し出されて、シカクは
「シカマル!!疑ってすまなかったな!!」
などと言いながら、食していく
「やっぱり母さんの方がおいしいな」
とかご満悦で述べるのを苦笑いで聞いてるシカマルの視線の先には、ウィンクで合図してくる母・吉野が居るのであった・・・



++++++++++ココア様へ+++++++++++
すいません・・・シカマルの裏切りって言われて、アスシカでは浮かびませんでした・・・とりあえずこっちにしてみました。
これからかけそうなら他のものも書きますが、生温かい目で見てください・・・

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