ナルト、ごはんの時間

「ナルト〜?ごはんだよぉ?」
カカシが寝室に顔をのぞかせてナルトに声をかければ、ダブルベッドの上のアヒルさん毛布がもそもそと動き出す。
あきらかに起きているのに、ナルトは顔を出さない。ナルトはカカシに優しく起こしてほしくて仕方がないのである。幼少のころより森で一人で暮らしてきたナルトは、全力で甘やかしてくれるカカシになんでもかんでもやってもらうのが大好き。
もちろん、自分でやろうとすればできることも、カカシが休日の日はなんでもやってもらう。
「ほら。お寝坊さん。おはよう?」
こうやって毛布をやさしくめくられて、
「おぱよぉ・・・」
眠気眼をこすって起き上がれば、抱っこされてリビングに連れて行ってもらう。
まだまだ開き切らないまんまるな目をちょっと冷たいタオルでコシコシしてもらって、ちょっと目が覚めたら、目の前にはおいしそうなトーストとミルク。
「ナルト。今日はナルトの大好きなプリン付けてあげる!!」
プルプルのプリンが出てきた瞬間にナルトは大きな目をぱっちりと開けて、プリンの乗ったお皿を持ってテーブルの下に潜りこむ。
「だれもとらないから座ってたべな?」
カカシが覗き込んで声をかけてもお構いなしに、興奮気味に尻尾をユラユラと動かしつつ、
「ぃたらきまちゅ!!」
『パン』と元気に手を合わせる音と共に聞こえてくるのは、プリンを食べるちゅるちゅるした音と、尻尾がテーブルにあたるガタガタとした音・・・
「はい。プリン食べ終わったらちゃんと出てきて手を洗ってからごはんね?」
ナルトにめっぽう弱いカカシは、ナルトが出て来るまで待って、抱っこして洗面台まで連れて行って手を洗わせてから、食事にする。
カカシはナルトになんでもしてくれるし、ナルトはなんでもカカシにしてほしい。。。けど、甘いものは別。

「ナルト〜?もし今、俺かプリンがナルトの前からなくなるとしたらどっちがいい?」
「・・・」
「・・・」
「・・・キュ〜・・・」
耳がたれ、尻尾が下がり、モキュモキュとトーストを頬張っていた動作がとまり、突然泣き出したナルト・・・
「あれ?えらべなかったのかな?」
カカシは拍子抜けしたように泣きだしたナルトを抱っこしようとすると、ナルトが突然カカシの手を握り、テーブルの下に引っ張り出す・・・
「ナルト?」
「かぁちかくれりゅの!!そしたら盗られないの!!!」
力説。野生の知恵力説!!ナルトは満足げにカカシを隠したテーブルで朝食をとり、カカシはナルトが盗られないと納得するまでテーブルの下で、浴衣の隙間から見える見えそうで見えない可愛いナルトの誘惑と戦うはめになった・・・

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