ナルト、変化の術を使う

無事に任務を終えたカカシとナルトはその足で火影の元へ向かう。
『コンコン』
抱っこしているカカシに代わり、ノックするのはナルトの役目。
「じぃじ〜?なぅとよぉ?」
「おぉ・・・はいりなさい」
ドアの向こうから聞こえてきた声に、ナルトとカカシはニコリと笑いあって室内に入る・・・火影びっくり・・・抱っこされているナルトに加え、カカシのリュックに収まっているナルト・・・オリジナルチャクラ的な観点から考えてカカシに抱えられている方であろうが、リュックに入っているのもナルトなのは事実・・・火影は目を疑い、焦ったようにしてカカシを見つめる・・・
「カカシ・・・どうなっておる?」
もっともな質問にカカシはいきさつを説明し、ついでに一回見ただけで術を使えるナルトがいかにすごいかを力説し、ついでに今回の任務はナルトがいたから早く終わったからナルトは天才だと延々語った。カカシ同様にナルトを目に入れても痛くないどころかできるならしまっておきたいくらいに可愛がっている火影はただ聞き入っている・・・その間にナルトが眠くなってきたらしく、『ポンッ』という音と共に、リュックに収まっていたナルトが消えていった。


事情をきいた火影は、すぐにイルカを呼んだ。現在アカデミーで忍術を教えているイルカであるならば、ナルトに正しく術を教えることができると踏んだからである。どんなにきびしくとか思っていても、カカシも火影も結局はナルトに甘いし、どこまでナルトに教えればいいものかも良くわからない・・・
『コンコン』
丁寧なお辞儀と「失礼します」という声と共にイルカ登場・・・
「こんにちは」
イルカのあいさつにナルトはカカシの足元に隠れて「こにゅちゎ・・・」とか小さな声であいさつをする。寝ぼけ眼で、耳は垂れ、尻尾は縮んでいるナルトに、イルカがニコリとほほ笑んで「おいで」といえば、ナルトがカカシの足元から出てきてイルカを見上げる。
「ナルトは影分身が使えるんだって?僕にみせてくれるかな?」
イルカにいわれるがままに影分身を出して見せるナルトに、イルカが驚く。上級忍術である影分身を3歳くらいの子がやってのければとうぜんであろう。しかも、難なくこなしてカカシに撫でられた頭を嬉しそうにキャッキャと触っている。
「この子はすごいですね・・・とにかく、ちょっと試してみましょう・・・」
イルカがおもむろにナルトに
「これはできるかなぁ?」
とか言って目の前で変化の術を使う。
「変化!!」
ボフンと言う音と共にイルカの姿が消え、目の前にはカカシがふたり・・・ナルトが混乱しつつ、クンクンと二人のカカシの足元のにおいをかいでいる。
「・・・かぁしこっち」
本物のカカシの足元にチョコンとお座りをしているナルトに、カカシ悶絶・・・
「ナルト〜!!!!!!」
抱っこしてもらったナルトはご満悦でカカシに扮しているイルカを見る
「やってごらん?」
なんて言ったら、やっぱり簡単に
「変化ぇ!!」
という声とポンッなんていうかわいい音と共にナルトは姿を消し、現れたのは小さい狐・・・
「ナルト!?」
「・・・元が狐のナルトにはちょっとむずかしかったですかね?」
「うむ・・・しかし・・・これはこれで良いのではないか?敵の目を完全に欺ける」
尻尾が一本の普通の狐に変化したナルトは、「褒めて」と言わんばかりにカカシの足元でハッハッときらきらした目を向けている。イルカと火影の分析を尻目に、カカシは腹を出して待っているナルトを撫でまわし、ナルトが眠くなって変化が戻るまでずっと「かわいい」とか叫びつつ写真を撮ったり、撫でまわしたりと、忙しそうに動き回っていた。


「火影様・・・」
「なんじゃ?」
「ナルトは忍に向いていますが、あのままだったら無理でしょう・・・」
「やっぱりおぬしもそう思うか?」
「はい」
「「やはりあの強烈な保護者をなんとかしないと・・・」」
里一番の責任者と、里一番の教師にため息をつかれた強烈保護者は、眠っているナルトを抱っこして、
「やっぱりこのままのナルトが一番可愛い!!」
とかいいながらかえっっていくのでした・・・


      FIN

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