カカシさんと小悪魔ちゃん3

『ジャァァァァァァァァ・・・』
「アワアワ〜アワアワ〜シュワシュワ〜♪」
カカシに膝抱きされて大きな風呂に入浴中のナルトは情事のあとの気だるい体をものともせずに上機嫌にうたっている。もともと風呂が大好きなナルトは初体験の泡風呂にご満悦なのである。
「カカシせん「カカシでしょ?」
「あッ・・・カカシぃ」
照れて目を合わせてくれないがナルトが自分を呼んでくれるのが本当にうれしくてしょうがないカカシはデレデレとした顔をナルトの旋毛の上に乗せて「なぁに?」と答える。
「このおうちは本当にどこもかしこも広いってばねぇ・・・お風呂も大きくて俺嬉しいってばよ。でもカカシは『稼ぎ頭だ』ってイルカ先生が言ってたってば。カカシはどうしてマンションに住んでるんだってば?」
ナルトは泡で手遊びをしながら最近の悩みを聞いてみる
「一人だったし、マンションならセキュリティもばっちりだからめんどくさくないかなっておもってさ。いきなりどうしたの?」
カカシは質問の意図が見えず、ナルトの手に自分の手を当てて自分の方に向かせつつ、首をかしげる
「・・・アスマ先生とシカマルが一緒に住みだしたって知ってる?」
そういえばあのアスマが最近仕事の都合上可愛い恋人と会える時間が減ったとかで一緒に住むんだとか言っていたような・・・恋人ってシカ丸だったのか・・・
イヤイヤ・・・なんでシカマル・・・ナルトの方が数千倍かわいいのに・・・
でももしナルトがアスマの手に堕ちてたら今頃はあいつの首はつながってなかったからなぁ・・・でもナルトの方が数万倍可愛い・・・
ちょっとした思考の異世界に飛んでいたカカシであるが、それがなぜ自分がマンションであるかきかれた理由がわからない・・・
「知ってるけど、それがどうかしたの?」
「アスマ先生はシカマルのために一軒家買ったんだってば・・・そんで、シカマル用に研究室とかショサイ?とか、俺らが来た時用の遊び場まであるんだってば・・・」
ナルト君爆弾発言!!「ナルト!?要は俺がアスマに・・・あの髭熊より劣っていると!?あいつらがうらやましいと・・・そう言いたいのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」と、心の中で頭を抱えつつも、大人なカカシは
「じゃぁ、家買う?どんな家がいいかナルは要望とかあるの?かなえられる範囲で叶えてあげるよ?」
とか甘いマスクで言いつつ、叶える気満々。自分の財布の中にも、力量にも自信満々なカカシは「お風呂あがったらゆっくり考えてね」と、真剣な顔してうんうん唸っているナルトの髪を洗いながら、ナルトが目をつむっている隙に影分身を出し、閉店間近の不動産屋さんへ行き、いくつかの候補地の見積もりを出させた。



ナルトはカカシに髪を乾かしてもらいながら、なにやら紙に書いている。
1、修行ができそうなくらい広い庭。
2、大浴場
3、家庭菜園
4、ふかふかの毛布がある大きなベット
5、ゲームができる大きなテレビ
6、みんなが泊まれる大きな部屋
7、
8、
9、




とりあえず要望が多い・・・が、カカシにはさしたる問題でもない。
常人が1年かかってやっと行くか行かないかの金額を一回の任務で支給されるカカシにとって、ナルトの望みをかなえるのは物理的に無理な事以外であれば叶える気満々なのである。それに、今のところナルトが書いている紙には無理難題は書かれていない。
カカシは影分身が持ってきた資料を見つつ、その中でも一番広く、ナルトの要望を叶えられそうなものにしるしをつけると、翌日の朝に来るようにとの伝言を託し、影分身を不動産屋さんへ送った。


「カカシ・・・我の部屋は和室で頼むぞ?」
「ヨウコさん!おかえりぃ」
今の今までどこかへ行っていたヨウコはドロンとばかりにカカシの後ろに現れ、カカシが見ている土地の調査書を見て
「フム。良い土地じゃ。空気も良いし、悪いチャクラも流れておらん。しかし、少々街
に遠いのう・・・それになんじゃその後ろの森は。。。なんとも不気味な・・・」
と、まるでその場所にいるような口ぶりで話しだした。
「ヨウコさんは写真でわかるってば?」
「我はこれでもそなたたちよりは色々なことができるでな。ナルトや。その紙に我の部屋は和室と書いておいておくれ。」
ナルトがカリカリと紙に書くのをニコニコと見守るヨウコはカカシに耳打ちをする「そなたの今日の分の任務は我が片付けてきた故・・・」
カカシはひそひそと話すヨウコににっこりと笑い「今日の夕飯は油揚げ増量しときますよ」と、影分身に買い物に行かせた。
そんな光景を見ていないナルトは「カカシは最近休みがおおいってば」とかちょっと思ってはいても、とくに気にも留めずに家への要望をカリカリとしたためる。




                            
そんなこんなで建設中のカカシ邸。広い敷地の割には小さな邸宅(一般的には大豪邸)を見上げてナルトはニコニコと「いつできるってば?」と、カカシにすり寄り、それに相好を崩したカカシは
「昼夜3交代制で24時間体制で作ってるから、すぐできるよ。俺の後輩でテンゾウってやつがいてね。そいつが木遁使えるから、庭とか大まかな家の柱とか作ってもらったから、1カ月もすれば入れるよ」
サクラとサスケは耳を疑った。最近木の葉病院に担ぎ込まれた暗部の名前は確か「テンゾウ」暗部が里の商店街付近で倒れているところを発見され、里内に震撼が走ったのはつい3日前・・・その暗部の倒れた原因は極度のチャクラ切れ。里内でチャクラ切れを起こすほどのことがなんであるか、里中が首を捻った事件であったが、今、その謎が解明された。
二人の脳裏に浮かんだ言葉は『触らぬ神にたたりなし』である。




                                 END


おまけ
「最近なんで夕飯にいっつも油揚げの煮物があるんだってば?」
「「ギクッ」」
「ヨウコさんもいっつもいないし・・・」
「「ギクギク」」
       

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