ナルト、ちいさくなる3

今日はカカシが任務に行かなきゃならない日。
カカシお手製の撤収ケースで造られたベッドに寝ているナルトを朝もはよからカカシが抱え出す。
そっと起こさないようにしているらしく、動作は至極ゆっくりと安定している。
「ん・・・」
ナルトが寝がえりをうったり、声をあげた瞬間に動きをとめて様子をうかがう。
なにをしているかって?
そりゃ簡単。
ナルトを任務に連れて行きたいカカシは、ナルトを忍服のポケットにいれております。
ただし、寝ているナルトを起こさないように、気づかれないように・・・。
なんでかって?
そりゃ・・・
「男の夢だよね・・・手のひらサイズの恋人。。。」
そんなワケです。
「でもな・・・このままだとイチャパラできないからなぁ・・・。ま、それも期間限定みたいだし、しょうがないか!今日の夜まではポータブルナルト♪」
そして、楽しそうなカカシは任務に向かう。


「おい・・・それなんだ!?」
その場所にいたのはアスマ。
今日はルーキーたちの合同遠征の下見。
危険のない任務だからこそナルトを連れて来たのではあるが、カカシは失念していたアスマの存在にちょっといやそうな顔をしつつ、なにを気にするでもない風に「ナルト」と答えてさっさと先に進んで行ってしまう。
「夜はサクラ、いの、紅のテントと、俺達のテントはれるな・・・。この場所なら獣よけも貼りやすいだろうし、なにより馬鹿げたやつらもいないだろうしね・・・」
カカシノ後ろで固まってしまってるアスマを余所に、カカシが下見をさっさと進める。
「おい!!そりゃ新薬だろ!?」
「そうだよ?」
「伝令こなかったのか??」
「なにが?」
「その新薬は副作用があるんだぞ!?」
「えぇぇぇっ!!??」
大きな声で叫ぶカカシにおもわず起きるナルト
「な・・・なんだってば!?」
その瞬間!!
なんと!
目の前には大きなナルト・・・。
数十メートルある木々に負けず劣らずのサイズのナルト・・・。
「ど・・・どうなってるんだってばぁぁぁぁ!!!!」
しかしカカシにはもっと気になることが・・・
「あぁぁぁぁぁぁっ!!!すっぽんぽんのナルト!?しかもデカイ!こりゃもう俺ごと入るしかないよね!!これも男のロマ・・・」
最後まで言い終わらずにアスマによって地面に埋められたカカシ。
その横で不安そうに瞳を揺らすナルトに、アスマが笑う。
「今日の夜には効果は切れる。それまではここでノンびりするんだな。俺は里に戻ってお前の服を持ってきてやるから、コイツが起きたら魚でもとってきてもらえ」
アスマが消えて、心細いナルトはそっとカカシを抱きしめてみる。
「カカシ〜」
「ごめんね?俺がへんな薬のませたから・・・」
こうかいしていると伝えるカカシにナルトが笑う。
「ラーメン風呂楽しかったってば。」


夕暮れが夜にかわるころ
『ポン』
音と共にもとのサイズに戻ったナルトは、カカシに抱っこされて眠りについた。
「そろそろでてきなさいヨ」
そういって遠くの木の根元に視線をやると、木のしたからオレンジの忍服が投げられて、そのままなにかが空をかけていった。  
 
  FIN

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