カカシ、ある日のできごと

今日も今日とて木の葉の里の樹海前通商「カカシ邸」は愛あふれるピンクチャクラを飛ばしに飛ばしながら朝を迎えるのです・・・
「カカシ〜?今日は任務ないから俺ってば出かけたいんだってばよぉ!!」
「・・・ん〜?じゃ、一回にしておくね?」
そう言ってカカシの手はナルトのかわいい胸元に伸びていき、ナルトがガウガウ文句をいっているのにもかかわらず気にせずにその手を下半身に伸ばそうとしたとき
『ピンポーン』
まさかのタイミングでのインターフォン。
ここは招かれざる客=死を意味するトラップと愛のオーラが守るカカシがナルトのためを思いナルトとの生活を最善にすべく作った要塞・・・つまり、ナルトかカカシが許している一部の人間しか入れない・・・つまり見知った人物が来訪しているとうこと。
「・・・はいってばぁぁぁ!!!」
カカシの腕から這い出してきているものの居住まいを正してそそくさとインターフォンに向かうナルトを、しょうがないとでもいうようにみおくるカカシ。


「カカシ〜!!!大変!!!!」
ナルトの声にカカシが上半身裸のままにベッドルームから走って玄関に向かえば、いつものナルトのお友達連中(シカマル、キバ、チョウジ)が玄関で泣きそうな顔で立っていた。
「どしたのよ?」
チャクラでそいつらが来たことが分かっていたんだけど、ちょっと空気が暗いってか重いってかでカナリびっくり。だってm、こいつらが来る=ナルトを遊びにさらっていくと思っていたから・・・
「これ」
シカマルがめずらしくめんどくさそうな顔せずに差し出した手の中には、小さな小さな犬。まだ目もあいていないような生後数時間であろう犬。
「俺んち、とおちゃんもかあちゃんも任務でいねぇんだ!!赤丸にきいてもどうしたらいいかわかんねぇっていうし・・・」
「で、俺達で話し合ってカカシ先生なら忍犬いるし、どうにかしてくれるんじゃないかと・・・」
キバとシカマルが矢継ぎ早にしゃべる。
とにかく子犬を受け取ったカカシは心音と呼吸を確認する
「大丈夫。この子は元気だよ。眠っているだけみたいだから、心配いらないよ。」
そう言って、おもむろに全員をリビングに招き入れて、座らせる
「ナルト。みんなにホットミルク入れてあげて?」
そう言って自分はソファに座って子犬の体のあちこちを調べている。
「ん〜・・・だれかの犬ってわけでもなさそうだし、この子は野良犬さんのお子様かな?呼吸も心音も安定してるし、なによりこんなぐっする寝てるから心配いらないとおもうケド、みんなが落ち着いたら一回獣医さんに連れて行こうか・・・」
そういってカカシにみんなが一様にうなずく。
そして、タイミング良くナルトが持ってきたホットミルクを飲んで『ホウ』なんて一心地着いた。
「おちついた?」
カカシの問いにナルトまでがうなずいて、深呼吸する
「・・・この子はおなかすかないの?」
自分のポテチをボリボリ食べながらチョウジがふと口にすれば、カカシが困った顔をする
「ん〜?おなかはすくんだけど、いまこの子にあげられるモノがなにもないから、獣医さんに店にいったらそのままペットショップかな。」
目を覚ましておなかがすく前にいかなきゃね。なんて、カカシが一人ごとのようにモゴモゴ言っていたら、全員が熱いはずのホットミルクを一気飲みした(チョウジはすでに完飲済)
「よし!!行くぞ!!」
「おう!!」
「いくってばよぉ!!」
完全に行く気になっているみんなにカカシはほっこりする気持ちを隠しもせずににこやかにほほ笑む


「騒々しいのう?おでかけかぇ?」
その騒ぎのなかはんなりと現れたのは、着物をきれいに来たヨウコさん。
「子犬を拾ったんだってば!!」
ナルトがカカシの手の中をズビシッ!と指させば、ヨウコがコロコロ笑う。
「それは犬ではないぞぇ?」
カカシすら目をひんむいて驚いている。
「それは犬神の子じゃ。きっと母神からおっこちてしまったんだと思うぞ?」
どう見ても和犬の子供にしか見えない子犬をまじまじと見つめる・・・
「母神が探しに来るかもしれぬゆえ、我が見つけやすいように妖気を発しておこう。子供らはそのまま、その子を見守っておれば良い。カカシや。その子に良く触っておくとよいぞ。犬神は恩を忘れん。きっとソナタらを助けてくれよう。」
そういって、ヨウコさんは瞬身で屋根まで上ると、一声遠吠えをあげた。


「それにしても・・・もし母神が来なかったらどうしよ・・・」
カカシの腕の中にすっかりぐっすりな子犬神を見て、カカシがちいさくため息を吐く。しかし、ナルトが育てるってば!!とかはしゃいでいるのを見れば、そのため息は軽いモノへ代わる
「簡単じゃ。犬神の子は母のチャクラで育つゆえ、我がチャクラをやればよい。あとは普通の犬と一緒じゃ。時が来れば、我のように人型にもなりえるし、犬型でもしゃべることは可能故、きっと楽しい。」
にっこり笑って子犬神の頭をなでるヨウコさんが、クンと上を向いた
「おやおや。母神が来たようじゃ」
そう言ってヨウコさんが手を振った瞬間、天井から降ってくる巨大な犬・・・
「私の坊や!!!!」
でっかい声にびっくりする面々を余所に、カカシからふんだくるようにして子犬神を抱く巨大な犬神は、いつの間にか人型に変わっていた。
「これ。犬神よ。礼儀を欠くつもりかえ?」
そういったヨウコさんの声にはっとして、
「もうしわけありません、木の葉の里上空を通過中に末の息子をおとしてしまいまして、探していたのですが、まさかかのような強固な結界内にいるなんて・・・もうだめかと諦めかけていたところに、九尾様からの遠吠えで坊やがいると聞き、こちらに急いでまいりました、。わたくし、犬神一族のシロと申します。」
丁寧にお辞儀をされて、子供たちはカカシのそばによって行く
「この子供らが木に引っ掛かっていたそなたの吾子に気づいてなぁ。助けてくれたんじゃ。そして、そこの男がこうして、子犬神を温めておった。」
ヨウコさんの説明にいちいち「ありがとう」と応えていくシロに子供たち全員が照れて
しまう
「本当にありがとう!!なにかお礼をさせてください。この子の命の恩人なんですから・・・そうだわ!!この子に名前を付けてくださいな!!」
そういって、母神は愛おしそうに己の子をみんなの前に出しだす。


そこから会議が始まった・・・
「犬だからワンコってのはどうだってば!?」
「いや!!白いからシロマルだ!!」
「犬っておいしいのかな・・・チャーシューなんてどぉ?」
「・・・」
シカマルが頭を抱えている。
こういった話し合いの議長は昔からだいたいシカマルで、毎度毎度なやまされるのだが、一つの命の名前となれば、面倒だなどといってられない。なんとかこの三人を黙らせるべく、シカマルが思案に暮れる・・・と
「じゃ、コノハなんてどう?この里の子供たちに助けられたんだし・・・」
カカシがそっとほほ笑みかければ、みんながこれに賛成する。
「コノハですか。良い名をいただきました。わたくしはまだ群れを待たせておりますゆえ、これにて失礼させていただきます。皆様、本当にありがとうございました」
緩やかに頭を下げて、そっとまたあげてほほ笑んだ瞬間、子犬神を抱いた母神はその場から姿を消し、木の葉には突風が吹き荒れた。
「行っちゃったってば・・・」
さみしそうに言うナルト。
カカシが抱き寄せようと近寄る・・・が
「よし!!気晴らしに遊ぼうぜ!!ここの家はなんでもあっからな!!」
そういって、キバがさっそく玄関に走る。
「じゃ、釣りでもしようぜ」
シカマルも一緒に走り出した。
「じゃあ。釣った魚でお昼はシーフードバーベキューだ。」
チョウジが鼻息を荒くして追いかける
「待つってばよぉぉ!!」
出遅れたナルトはパタパタと走っていく
今日も一日賑やかになるなぁ・・・なんて、悠長に考えつつ今日は非番であるアスマと紅に連絡を付けて、昼から盛大にバーベキュー大会でもしましょ・・・と、一人ほほ笑むカカシなのでした。。


  FIN



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