イルカの受難

「い・や・じゃ!!!」
「そういわれても、引率をOKしちゃったから1泊2日だし・・・」
「いやなものはいやなのじゃ!!」
里の父性といわれるまでのヤサ男、イルカが困惑顔でヨウコに対峙している。
とは言ってもそれほど険悪な雰囲気ではなく、ただ単にごねているヨウコをイルカがなだめているのである。
きっとイルカといきたがるであろうヨウコだが、今回の旅行にかんしては火影の命令で里外に出すわけにはいかないのである。


数日前、イルカは火影の執務室に呼ばれ、引率を頼まれたのである。その際、火影から今回の件についてヨウコの処遇についての説明を受けた。
「ヨウコさんほどの巨大な力が里の外にでるとなるとさまざまな弊害がかんがえられるんじゃ。
しかし、普段はのぅ・・・お主の言葉に絶対逆らうことはないし、ふたりきりならヨウコさんにかかりっきりでもへいきなのじゃが、今回は引率という立場上、ついてきてしまうと動きづらくなってしまう。お主が引率としての責任を果たせなくなってしまう恐のはワシとしては避けたい。もちろん、そのために上忍二人をつけたのであるが、いかんせん今年のルーキーたちは上級な血系が多くそのぶん狙われやすい。
いざという時に戦う上忍のうしろで絶対的防御に徹することのできる人物が必要なことはわかるな。
もちろん、戦力としてのヨウコさんはこれ以上ない味方じゃが、もしも他里にその存在が知れれば里自体が危機に追い込まれることになるのはワシは絶対に避けたい・・・。
そうなってしまっては、きっとヨウコはナルトとナルトが大切にしてる仲間たちを連れてどこかへ逃げてしまう。奴らの意識を奪ってでも里をつぶしてでもヨウコさんはお主たちを守るだろう。己がきらわれることとなっても・・・な」
火影の予測はそこまで達している。
そうさせないためには今回の旅行にはヨウコをいかせないのが一番・・・
と、紆余曲折の説明を受けたイルカは納得のうえでヨウコを里に置いていくべく説得をしているのである。イルカとてきっとヨウコがいたらきっとそちらに目が言ってしまう自信があるし、実際にそうなのである。
さてさて、困ったことにヨウコは頑として譲らない・・・
「いやじゃ〜!!!ナルトと旅行に行くんじゃ!!約束したんじゃ!!我は吾子との約束を破ることはせん!!!!」
どうも家で二人でニコニコ計画していたらしい・・・どうしたものか・・・
「よしッ!!!カカシさんの家に行きましょう!!」
もう自分ひとりでは説得できないと分かったイルカはさっさとカカシ邸へ行くのでした。


話を知っているカカシが、自分も引率に組み込んで、イルカをヨウコさん専用の見張り番にして、自分が生徒を見ると火影を説得しようとしていることを知らずに・・・


  FIN

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