ナルト、朝の風景

今日も今日とて、木の葉の里の大豪邸に響くナルトの絶叫・・・
「カカシ!!!朝だってばよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
毎日毎日カカシとともに遅刻せずに任務の集合場所に向かうことがナルトの日課・・・と、いうか、最近の使命・・・。
毎日慰霊碑に立ち寄ってその前に立って哀悼の意・・・と、いうかナルトから見ればただぼぉっと物思いにふけり、それから集合場所に向かうカカシを定時に行かせるには、8時集合の今日は5時に家を出ないの間に合わないのである。
ナルトとて眠いのである。
そりゃもう眠い。
「もう!!なんで起きないだってば!!もう一回・・・か〜か〜しぃぃぃぃぃ!!!あさだってばよぉぉぉぉぉぉ!!!」
どうしてこんなにさけんでいるのかというと、ナルトは寝室の外から叫んでいるのである。なぜ外なのかというと、近くで揺り起こすのが一番なのであるが、カカシはいつも揺り動かしてくるナルトの手をとってさっさと自分の隣に引き込んで、抱き込んで眠ってしまうのである。
ナルトとて眠い。
カカシの寝ているベッドの中は、もちろんさっきまで自分が寝ていたベッドでもあるわけで寝心地が悪いわけもなく、大好きなカカシの腕にがっちりホールドされてしまえばいやなことなんてあるはずもなく・・・結局一緒に寝てしまって遅刻してしまうのである。慰霊碑の前にいるカカシを無理に動かすのは良くないと分かっているナルトは、いつも先に行ってはサクラやサスケに謝り倒すしかないのである。
それに、完全防音の寝室中よりも廊下のほうがいい面はもうひとつある。
「ナルトや。おはよう。朝も早うから何を騒いでおるのじゃ?」
目をこすって現れた浴衣姿のヨウコさん・・・
ちなみにヨウコさんは浴衣で寝るか、イルカのYシャツを着て寝るかの2択である。
本人いわく、『女は彼氏と一緒のときは彼氏のYシャツで寝るのがこの世の決まりだと紅とやらに教わったのじゃ』らしい・・・ヨウコさんがYシャツを着ているときは離れにイルカが泊っている証拠なのである。
話を戻して、ヨウコさんをみたナルトがにこっと笑って朝の挨拶を済ませた後、ナルトが事情を説明しようとすると
「いつもの寝ぼすけかぇ?」
慣れた様子でものすごい殺気を出してドア越しにカカシを見据える。
「ナルトッ!!大丈夫!?」
すさまじい勢いで飛び上がってクナイ片手に隣で寝ていないナルトを心配してこちらに飛び出してくるカカシ。
「「おはよう」」
ヨウコさんとナルトに迎えられてドアを背にしてしゃがみこむ。
「・・・また?」
「そうだってばよ?カカシが起きないから」
そういったナルトを抱き寄せて「ごめん」って笑いながら誤るカカシにナルトが「こちらこそ」って言って、改めておはようのチューをして朝を迎える。
木の葉の里の大豪邸の朝のいつもの光景なのでした。

  FIN

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