カカシ、おなべの季節

木の葉の里にも等しく来る季節・・・
「はぁぁぁ・・・寒い・・・」
はたけカカシにも、冬は来る。
「カカシィ・・・さむいってば」
なんて、ナルトが言えばカカシはナルトを抱っこして庭に出る。このカップルにだけは冬なんてない。
「ヨウコさんは寒くないですか?」
「寒くはないが、抱っこは好きじゃ」
おっと・・・ここにも冬が来ない・・・


今日はみんなで鍋パーティー。
ただし、鍋で使う野菜を取りに家庭菜園へ向かう途中。
霜柱ができている畑の周辺
「ヒャーーー!!!」
カカシの腕の中から抜け出してキャッキャと踏みしだくナルトに、ヨウコも興味心身で足を踏み出せば
『ザック』
なんとも楽しい踏み心地。
うれしそうにはしゃぐヨウコとナルトを余所に、大人二人は手ごろな白菜や小松菜などの野菜を抜いていく。
「ナルト〜。ヨウコさ〜ん。戻るよ〜?」
カカシの声にナルトとヨウコが走り寄ってきて、各々の腕の中に戻っていく。
寒そうにフルフルしつつ、真っ赤なほっぺをふくふくと楽しそうに微笑ませてナルトがカカシに抱っこされて屋敷に戻る。ちなみに、ヨウコもイルカに抱っこされてはいるがその尻尾が十分に暖になっていて、イルカは苦笑いである。
「カカシや・・・我は魚が食いたいのぅ?生とは言わぬゆえ、魚を入れてくれぬか?」
ヨウコが池を見ながら問えば、
「大丈夫ですよヨウコさん。鍋の主役は魚ですから」
なんて、カカシが答えた瞬間
「鍋には肉団子だってよ!!!魚もいいけど、俺ってば肉団子が主役だってば!!俺のそだてた白菜さんたちも主役のダブルキャストだってば!!!」
ナルトが抱っこされながらの主張!!
鼻息荒く主張!!
「・・・ナルト。肉団子ないって言ったら・・・どうする?」
カカシがそっと・・・
そぉっとつぶやけば
「じゃ、カカシの膝には座んないってば!!」
「・・・今から買いに行ってくるから・・・」
「じゃ、先に食べて待ってるってば。」
「・・・俺の膝でアーンしてくれないの?」
「だって、俺ってばおなかすいたってば!!!」
カカシショック!!
そりゃもうショック過ぎてその場で式を飛ばしてアスマに
『至急鍋用各種肉団子購入の上、来られたし。さもなくばシカマルの命はない』
なんていう要請までしちゃうくらいショック・・・
「だって・・・鍋って言えば魚だって思ってたからさ・・・」
ナルトになんとか言いつくろって己の膝の上に座ってもらうべく大忙しである。
もうすぐ自宅の玄関に入る・・・玄関に入ってしまえば、寒さなんて関係なくなって住まうから、ナルトがカカシの腕から下りてしまう・・・それまでに肉団子が間に合わなければ、きっとナルトのご機嫌は損なわれてしまう・・・
カカシ危うし・・・


「カカシ〜!!!!!!!!!バカかてめぇ!!!!」
そこに現れたのはスーパーの袋を突き出して、シカマルを抱えたアスマ
「お!!!クマにしてはいいタイミングでくるじゃない!!
ナルト!!アスマがちょうど偶然にも肉団子買ってきてくれたから、今から一緒にみんなで鍋できるよぉ」
カカシがニコニコ言えば、純粋なナルトはそれを信じる
「アスマ先生ナイスタイミングだってばよ!!!あれ?シカマル?そうだ!!!みんなで一緒に御鍋だからアスマ先生に連れてきてもらったんだってばね?わかるってばよ〜?寒いから俺も歩きたくなくて、カカシに抱っこしてもらってんだってば!!」


そんなこんなで居間に入った面々が見たものは、ラブラブなヨウコとイルカが用意した御鍋せっと(刺身と油揚げ付き)であった


  FIN


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