カカシ、盛大に甘やかす

「・・・俺のくつがねぇってば!!」
今日は久しぶりに二人揃っての休み。
ナルトがカカシをさそって、二人でラーメンを食べに行こうとした矢先・・・
「えぇ〜?ナルトの靴は常に10足以上あるんだよ?一足もないの?」
そうなんです・・・ナルトかわいさのあまり、カカシは常に洋服やら小物やら靴やバッグにあたるまで、とんでもない量を買いそろえているのです。
ショーウィンドウでナルトに似合いそうなものを見れば買い。
ナルトが見つめていたら買い。
果ては、同僚が恋人にあげていたものの2ランク上をいくようなものを勝手に買い張り合う・・・
ナルトとしては困った行動でも、結局はナルトのためだと言いくるめられれば、毎日ローテーションで着たりはいたり使ったり・・・


「・・・今日はラーメンの気分だったのに・・・」
心底しょんぼりナルトを、カカシが心配そうにのぞきこむ。
ナルトはカカシが目線を合わせてしゃがんでくれたことで、カカシに抱きついて泣き出す。
ナルトの背後で、カカシの優秀な忍犬たちがナルトの靴を隠し持って移動しているともしらずに・・・

「なんじゃナルト?泣き虫さんかぇ?」
そこへタイミングよくヨウコさんが登場!
「ヨウコさん!!俺ってば靴がなくなっちゃったってば!!!」
泣きながらヨウコに事態を訴えるナルトと、その背後でまったくもって目を合わせないカカシ。
だいたいの大まかな事態を察したヨウコは、
「カカシや。我はイルカと温泉に行きたいんじゃが・・・」
とか、一言そえてから
「カカシにだっこしてもらって外へいけばいいじゃろう?靴も買ってもらえ。」
ヨウコは誰でもがうっとりしてしまうほどの素敵な笑顔でナルトをそっとなでて、部屋に戻ってしまった・・・周囲にいた忍犬たちを己の部屋に引き入れて・・・


「グスグス・・・ウゥゥ・・・カカシ〜だっこぉぉ」
もう抱きついているにもかかわらず、ナルトがだっこと言いながら両手をあげる。
「ん?じゃ、いきますか?」
何事もなかったかのようにだっこしてゆっくり歩きだしたカカシ。
イロイロ考えが廻っているらしいナルトは、スンスンとはなを鳴らしてまだ泣いている。小さな声で、「妖精さん・・・俺の事嫌いなのかな・・・」とか、「だれから家に入ってきたのかな・・」とか、靴失踪事件の真相をイロイロ考えているようだ。
実際問題、里の住人達はナルトとカカシの愛の巣に入るほどの勇気は全くない。と、いうかカカシの強烈なトラップに引っかからずに入れるのは、招かれるか死を覚悟の上の軌跡のどちらかしかない。
もし敵忍だとしても、カカシが熱心に張ったトラップと、カカシ邸からあふれ出す恐ろしいピンクなチャクラをもってくれば、まず入ることはかなわない・・・
そんなことになったいるなど知らないナルトは、結局わけがわからずにまだグズグズと泣いている。
「さ、着いたよ?」
下ろされたのは一楽のカウンター・・・
「カカシ!!靴かてくれるって!!・・・うぅぅ・・・くつぅぅグズ・・・ぅえぇぇ・・・」
泣きだしたナルトに
「その前にご飯食べよ?きっとご飯食べたらナルトの泣き虫さんも収まるかなっておもってさ」
きれいな白い歯を惜しみなく出して笑えば、ナルトがまだぐずりつつもミソチャーシューメン大盛りをがっつり注文した。

「おいしいねぇ」
「うん!!」

カカシにさりげなく野菜炒めを食べさせられつつも、ナルトはニコニコとラーメンをすする。
「「ごちそうさまでした」」
二人仲良く手を合わせて言えば、カカシはナルトを椅子から抱きあげる。
「じゃ、いきますか」
「靴買いに行くってばよ!!」
念を押すナルトに
「でもナルトは一楽の後はアイスでしょ?」
なんて言って、近くの某31アイスに入る。
「何にする?」
にっこり笑顔のカカシに椅子に下ろされたナルトは、
「グスグス・・・うぇぇぇ・・・チョコとまっちゃぁ・・・グスッ」
なきながらアイスを選ぶ。
カカシはそれを買いにいきつつ、まだエグエグ泣いているナルトを見つつ、こっそりとほくそ笑むのでした・・・



この後、結局だっこで連れまわされたナルト。
里では、ついにカカシがナルトの足を使えないようにした・・・とか。
カカシがナルトを繋いだ・・とか。しばらくの間、不穏なうわさが流れた・・・


FIN

おまけ
「イルカ。商店街で温泉旅行があたってなぁ・・・行かぬか?」
そっと宿泊券を差し出すヨウコに、イルカは「またぁ!?」と、驚きつつも一緒におでかけしたんだとか・・・

[ 55/81 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



トップへ


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -