ヤマト、被害にあう

俺の名前は「ヤマト」暗部では「テンゾウ」って呼ばれてたから、今でもその名で呼ぶ人がチラホラ・・・その筆頭は、里の至宝車輪眼を持つ木の葉最強の忍『はたけカカシ』僕の暗部の先輩で、正直厄介な人・・・昔は、毎日違う女の人と世間を斜に構えて見てたのに、今はそこらへんの女たちにまったく興味なし。僕は何年も先輩と行動したりしてたのに、見たことなかった財布から惜しげもなくたった一人のために中身を出す。それも、里一番の豪邸を立ててみたり、その子が密かに欲しがっているモノをリサーチしては、手に入れてくる。どうしても手に入れられないときは、火影様に依頼までだして手に入れているらしい・・・
なんでもその子を悪く行ったり、いじめたりしてるところを見つかってしまえば、命はないらしい・・・まぁ、あの子にはそれくらいがちょうどいいのかな?誰かに守られてないと、危険な部分もあるしね・・・
そのカカシ先輩の恋人って言うのは、この里で暴れまわった九尾の狐をそのへそに封印されている『うずまきナルト」っていう・・・男の子・・・。一応いっておくけど、カカシ先輩も男ですよ・・・


「やぁ」
噂をすれば、カップル登場!!
「テンゾウ。どうしてこんなところに?」
こんなところって、実はここは家具屋の2階、家庭用の様々な機器が販売されている場所です。僕は家の鍋がダメになったから買いにきたんだけど、きっとカカシ先輩たちはまたデートなんだろうなぁ。このカップルは里でもチョー有名なバカップルで、里の噂では彼らの通った後には死屍累々、屍の山になるらしい・・・どういう意味なんだろう・・・
「カカシせんせー。これほしいってば!!」
ナルトが手に取っているのは、最新型の家庭用オーブンレンジ。
しかも、その限定色でお値段も結構なもの・・・
「いいよ?あとはなにが必要なんだっけ?」
きがつけば、カカシ先輩の後ろには仰々しいほどの従業員さんの数。
「先輩。なにしたんですか?こんなにひきつれちゃって・・・」
僕も案外怖いものしらずだったんだなぁ。こんなこときいいちゃうなんて・・・
「ん?ナルトに欲しいものなんでも買ってあげるって約束しちゃってさぁ。いろんなの買うことにして、そこの担当者に色々話聞きたいってナルトがいうし、つれてきちゃった」
カカシ先輩は相変わらずなんにも気にしてないんだろうなぁ。店員さんたちはテンパってざわついてるし、周りのお客さんは触らぬ神になんとやらで近寄らない。すっごい異質ですよ!!そして、ナルトに向けてるその目!!妖しい・・・
「今までなに買いました?」
俺の好奇心にも我ながら呆れるな・・・でも、ソファーに座ってキャッキャッて騒いでるナルトに、先輩の目の前で親しげに話しかけたらきっとヤバいのはわかってるから、なるべく先輩に話しかけるんだ。
「ナルト用の初心者用キッチンセット(指が切れない包丁付き)、冷蔵庫、観葉植物いくつか、レンジ、ナルト用ジャージ、パン焼き用トースター、コーヒーメーカー・・・」
先輩はすっごい勢いで指折り教えてくれた・・・
「ナルトはさ、小さいころわがまま言える状況じゃ無かったワケでしょ?だから、きっと子どもの時にだれしもが通る「買って買って」の時代がなかったんじゃないかな?だから、今「買って買って」の時代になっちゃってるみたいなんだ・・・」
先輩・・・その時代に人間は家族にたしなめられて我慢を覚えるんです・・・なんて、さすがの僕でも言えない。行ったところできっと先輩は我慢なんてさせないと思うし・・・
「あ・・・」
「先輩?どうしました?」
「ナルトがあきてきたみたいだから、会計しないとなぁ・・・テンゾウ。お前も好きなもの買っていいよ?今から会計だから、そこの籠に突っ込んどいて?」
そういって、カカシ先輩は俺がめったに見たことのなかった財布から慣れた様子でクレジットカードを出す。へー・・・カカシ先輩のカードはゴールドか。さすが・・・
さて、カカシ先輩の気がかわらないうちにちょっと高そうな鍋かってもらおっと・・・


「い・・・以上で会計は完了でございます。これより機器の説明をさせていただきます。まずは・・・」
店員さんがとんでもない金額の会計をおっかなびっくり済ませて、カカシ先輩がクレジットを財布にしまったころ、それぞれの担当店員さんがざっとでてきて、機械の使い方を説明するらしく、それぞれの分厚い説明書を片手に並んだ。
うわ、めんどくさそうだな・・・これは、さっさと鍋も受け取ったしかえろ!!
『ガシッ』
あれ・・・この手はなんだ?俺の背後から服を掴むのは・・・先輩?
「じゃ、テンゾウ。聞いといて?あとで要点まとめた報告書よろしく」
そういって、カカシ先輩はおねむのナルトを大事そうに抱えて瞬身で帰って行った・・・残された俺は、丁寧な店員さんの説明を数時間に及んで聞き続け、家に帰って使い方マニュアルのような報告書を作成し、カカシ先輩の家に届けた・・・
こんなことなら自分で買えばよかった!!!!


  FIN

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