カカシ、予防線をはる

(どうしたものか・・・俺の恋人はどうしてこんなにかわいいんだろう・・・)
カカシは任務中のナルトたちをおいて、近くのお手洗いにおこもり中・・・不覚にも、ナルトの薄着をみてしまい、事故とは言え結構元気になってしまった自分自身の処理をしつつ、カカシは心底最近の悩みを考える。
快活さと、艶をもつ年下の恋人は、カカシが睨みをきかせていなければ、襲われてもおかしくはないほどに可愛いし、きれいだし、カカシに抱かれて色っぽさも持ち合わせている。そんなナルトに、カカシは少々困っている。
「俺に対して走り寄ってくるのはいいんだけどなぁ・・・」
走り寄ってくる際に、満面の笑顔と元気いっぱいの走る姿。カカシの胸に飛び込むナルトを、自分の元に走ってくる姿に置き換えて妄想しているやつらが何人いることか・・・カカシは、真剣に妄想していそうな面々を考えだす。
「サスケは絶対だな・・・あいつはとりあえず幻術でもかけてやる!!あとは・・・アスマはちょんまげIQガキにゾッコンだし・・・ナルトのほうがかわいいのに・・・イルカさんにはヨウコさんがいるし・・・ナルトの方がかわいのに・・・忍連中より、街中とか、きっとあぶないよね・・・ナルトが良く行くコンビニとか、スーパーなんて気を付けないと・・・今日は一緒に買いものに行こう!!よし!!そうと決めたらこんなところで油売ってる場合じゃない!!さっさと任務をおわらせないと!!」
そういって、元気よく立ち上がったカカシは、さっさとパンツをあげて、個室から飛び出すと同時に影分身を増員した。
「ナルト!!影分身出して!!早く終わらせてくれたら、俺がおいしいラーメン作ってあげる!!」
明らかに元気になっている担当上忍になんともドン引きな視線を送るサスケとサクラに目もくれず、ナルトが元気に「影分身のおかわりだってば!!!」と、術を発動しているのをニコニコと見守りつつ、忍犬たちと影分身に刈った草の処理を任せ、カカシはナルトの横で草刈りし出す。
「ナルト〜・・・今日の任務おわったら買い物に行こう?ナルトはいつもどこにスーパーで買い物してんの?」
「木の葉スーパーだってばよ?よく一緒にいくじゃん!!」
「一応ね?だって、ナルトは俺と一緒の買い物と、自分だけの買い物で行く場所違うでしょ?」
・・・どこまでもナルトフェチのカカシは、ナルトがどうしてそうやってここまで生活しているかを全部知っている・・・もちろん、一緒に住みだしてからなんて、離れている時間の方が短いというくらいだから、当然と言われればそうなのであるが・・・
「・・・だって!!カカシは俺がお菓子とかカップ麺とかいっぱい買うと怒るから・・・」
何とも歯切れの悪いナルトに、カカシがなおも質問する・・・
「じゃ、そのお菓子とかはどこで買ってんの?」
もちろんカカシは知っている・・・が、万が一自分が知らない場所で買い物していては、自分の目が届かなくて危ないと、カカシは丹念に探りを入れる。
「商店街のはずれにあるコンビニ木の葉だってばよ?」
これも、やっぱりカカシの知っている場所・・・
「じゃ、今日はスーパーで夕飯の買い出しして、コンビニでお菓子かってあげるね?」
何とも上機嫌にいうカカシに嬉しそうに喜ぶナルト・・・


しかし、この時、後方で草を刈っている優秀な下忍二人は、見てしまったのである。カカシのよこしまで邪悪なチャクラを・・・

「「触らぬ神にたたりなし・・・」」
優秀な下忍の二人は、忍犬共々さっさと視線を外し、なにも見ていないかのように、手を動かしたのであった・・・



    FIN

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