カカシ、自慢する2

それぞれのスペシャリスト達が、己の仕事ぶりと、出来栄えの美しさに感嘆しつつ、後ろにさがった。カカシの前に現れたのは、金髪碧眼の人形のように愛らしく、娼婦より美しい禁断の天使・・・
「きれいだね・・・」
カカシですら、褒める言葉が浮かばないほどの、形容しがたい美しさに、感嘆する。
「カカシ・・・俺ってば変じゃない?」
可愛く小首を傾げられてしまえば、きっと落ちない男などいないだろう。
「大丈夫。すっごいきれいだよ?」
そういってかがみの前に立たせれば、ナルトが笑う。
「最近の特殊メイクってすごいってばねぇ・・・」
キラキラした顔で言っているので、なんとも困ったもので、本人の自覚は全くないが、ナルトの顔が元がいいことがここで実証されたのである。
「ナァルト。これは特殊メイクなんかじゃないよ?ナルトの顔にちょっと化粧しただけだよ?顔がつっぱったり、重かったりしないだろぉ?それに、特殊メイクするくらいならナルトのチャクラなら、お色気の術で十分だったでしょ?」
言われてみれば、とでもいうように、しげしげと己の顔を見ているナルトに、カカシが最後とばかりにかわいらしいヒールをはかせる
「ヨウコさん。俺たち出かけてくるから☆」
強制的に鏡から遠ざけられ、抱えられるようにして腰を抱かれて外に連れ出されたナルト。
「どこに行くってば?」
「色街だよ」
(件のキャバ嬢はたしか色街の入り口近くでいつも客寄せに立っているはずだから、とりあえずあぶりださないとね)
まったくもって危険な思考をおこなっていることなど露ほども感じさせないアルカイックスマイルに、ナルトが照れているその顔は、世の男たちをひきつけて離さない。ナルトは今、とんでもなく庇護欲と情欲をかきたててくる思考の女性に変身しているため、街ゆく男たちはナルトみて、その美貌にまるで石にでもされたかのように堅くなったり、逆に骨を抜かれたようにふにゃふにゃになったり、街中が大騒ぎである。
「フフフ・・・」
しかし、そのままナルトを見続けようものなら、不敵に笑うナルトの横にいるガードマンに瞬殺されてしまう。ただし、それをわかってる人々すら虜にするくらいの威力なのである。


「いらっしゃいませ〜」
絡まるような甲高い甘ったれた声で客を引く色街の女性たち。
今日はやけに客が来ないと、皆が皆疑問に思っていた矢先。
はんなりとした頬笑みと共に、カカシに腰を抱かれて歩く絶世の美女。しかも、あのカカシが大事そうに、ゆっくり歩調を合わせて、数歩歩くごとに視線を合わせている・・・
「なにあの女!!!」
きれいに化粧を施した顔をゆがませて、カカシの方を見て、涙をためる。
それを、なんともしてやったりな顔で横目にしたカカシは、そっと、ナルトに言う。
「ほら。お前があんまりきれいだから、あのお姉さん嫉妬してるよ?」
そっとした耳打ちに、ナルトが笑う。
「じゃあ、俺ってば、あのお姉さんよりきれい?カカシは俺の方がきれいって思ってくれるってば?俺の方がずっと・・・」
なんとことはない。ナルトとて心配なのである。自分は男で飾り気もなければ、天性の美貌なぞもっていないと思い込んでいるナルトにとって、カカシが過去にした女遊びは、きっと派手で美しい女性なのであろうと、きっと己よりずっとカカシにお似合いだっただろうと考えたら不安でしかたなかったのである。敏いカカシが気付かないわけがない。、特に、愛するナルトの事であれば、なおのこと。
「ナルト・・・満足した?」
周りを取り囲むようにしてナルトをみている人々にも聞かせるように、わざと「ナルト」と、大きな声で呼び、髪飾りと一緒にウィッグを外す。
頬をさっとなぜて化粧を薄めれば、見えてくる三本痣と、奔放に跳ねまわるかわいらしい短髪・・・周囲のざわざわとした喧騒をおかしそうに流して、カカシはさっさとナルトを抱えて瞬身で帰宅する・・・


その後、ワンピース姿のままでおいしくいただいちゃったのは言うまでもない・・・

     FIN
おまけ
「ナルト〜!!また買ってきちゃった!!」
カカシは、ナルトの女装が大層気にいったらしく、カカシのお眼鏡にかなってしまったドレスや装飾品を、日々買い集めてしまい、豪邸の一部屋にナルト専用衣装部屋ができてしまった・・・。

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