カカシ、追憶される

私は、「クレハ」。この里の中忍で、今日、某国の大名の護衛という長期任務から帰還した。
今日は、数か月ぶりにカカシに愛に行こうと決めているの。
だって、私の恋人だもん・・・カカシは、誰のことも好きじゃない。告白成功率は100パーセント。常に、いつどこで誰に告白されても・・・だから、カカシの恋人はきっと私だけじゃない。呆れるくらいに無節操で、呆れるくらいにだれにでも平等なカカシ・・・それって、誰もみんなおんなじにしかみえてないってことでしょ?
それってきっとカナシイよね・・・
そんなカカシを支えてあげたいと思う・・・私だけのカカシでいてって思う・・・でも、それは土台むりなはなし・・・だってカカシにとっての私は、きっと平等に人。きっと、カカシの中にいる誰かにはなれない・・・アスマさんや、紅さんのようにはなれない。私はカカシがこんなにすきなのに、カカシにとっての私は、きっとそんなに価値はない・・・

「クレハ〜!!!」
仲のいい中忍の友達が数人。今日は私の帰還パーティしてくれるんだって・・・
「カカシはきてくれるかしら?」
そんな私の言葉に、友達はみんな笑う。
「カカシさんがくるはずないよぉ!!だって、カカシさんは一途だもん・・・」
なにをいってるんだろう。たしかにここにいる友達はみんな事務方だから、しらないのかな・・・カカシは一途なんかじゃないよ?だって、私が恋人なのに、いっぱいしらない人と歩いてたし、私が恋人だと誰かに言ったら別れるって・・・
「カカシさんは今は恋人と一緒に暮らしてるよぉ?ヤッバイ豪邸!!さっすが里の稼ぎ頭っだよ!!太っ腹にもほどがあるっての!!」
わらいながら話してる友達の言葉についていけない・・・
私の知ってるカカシは、デートの後のホテル代すら私に払わせてたよ・・・?
どういうこと?一緒にすんでる?
一晩すら一緒にいてくれないよ?
どうして私じゃないの?
「もう!!クレハはカカシさん信者だもんね・・・じゃあ、一緒に行く?はたけ邸に・・・」


そういって連れて行かれたのは、里のはずれの森付近にある私が任地に赴く際にはなかった立派な豪邸・・・
「ココがカカシさんの家?」
私がそっと、中をのぞけば、見えてきたのは陽だまりの中、カカシさんの忍犬にもたれて眠るうずまきナルト・・・里の禁忌・・・
「なんでうずまきが・・・」
私のささやきに友達が教えてくれた・・・カカシさんの最愛の恋人なのだと・・下手にうずまきナルトに手を出すと、カカシさんに殺されると・・・
カカシさんの中にいる誰かに、あの子はなったんだ・・・
あの子は、カカシさんにとってその生活を一変させるだけの何かがあったんだ・・・私にはないなにか・・・カカシさん・・・よかったね・・・でも、私はとってもさみしいよ・・・
いつか伝えたいと思ってたの「私だけのものになって?」って。でも、もう手遅れだよね・・・きっと、あなたは私のことなんて覚えてないんじゃないの?きっと、私がいってしまったら、私とあなたの関係は私の記憶ごとあなたに奪われてしまうでしょう・・・だって、カカシさんにとっての私との関係はきっと、消し去りたい過去何だと思う・・・
今も、うずまきナルトをこっそりみてる私に、明らかな殺気を向けてきてる。ここでなにか行動を起こせば、きっと私は消される・・・カカシさんにとって、同里の私を殺してでも守りたい関係であり、存在なんだね・・・
私は、そのままさっさと里の中心街に戻った。
いつも、隣にいたかった大好きな貴方。あなたにとっての私は、ただの人。それでも、束の間でも、あなたの横にいれるのがうれしかった。いつか、あなたの隣は私の席になればいいって思ってた。
やさしそうにいつくしむ瞳に映し出されていた最愛の少年・・・
そんな姿をみせられたら、うそでもこぼしてささやくしかないよ。「よかってね」ってさ・・・
素直な気持ちは、永遠に言えない・・・





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