カカシさんんと火影さん

そんなこんなでナルトの家へ。

「ナルトや。おかえり」
「ヨウコさんただいま〜!!」
普段は誰もいない家に誰かの気配があることがうれしいナルトは大きな声ではじめての言葉を口にする。
「お邪魔しま〜す」
と、にこやかに見つめあう二人をまさにお邪魔するかのように、カカシがナルトの後ろからヨウコとナルトの間に入る
「なんじゃ!!そなたは我とナルトの時間を邪魔するきかぇ!?」
「ヨウコさんこそ!!俺とナルトは今日はじめてカップルになったのだよ!?なんで家にヨウコさんがいるのよ!?」
一人の空間のはずの家に賑やかな声が響くことがナルトにはうれしくて
「二人とも一緒にご飯食べようってば!!」
と、なぜ二人が言い合いになっているのかしってかしらかずか(たぶん自分が原因とは思っていない)ナルトはニコニコとカカシを部屋に招きいれ、「ヨウコさんも座ってってば」なんて、二人にクッションを出す。人が来ることのなかった部屋は座布団なんてない。普段ナルトが寝ている枕代わりのクッション2つを二人に渡し、2つしかないコップに牛乳をいれた。



「・・・・・・・」
カカシはナルトの家をそれとなく観察する。
割れたガラス窓は段ボールが張られ、箪笥には無数の傷と落書き。入る時に見たドアには落書きがあったことも思い出す。
「酷かろう?」
ヨウコはカカシの視線をたどり、声をかける
「ナルトはこの部屋にいる時すら安心できんのじゃ。寝てる間に毎夜のように投げ込まれる石。割れた窓から侵入してきた者どもに荒らされる部屋。ナルトが寝ることを恐怖になったのはいつからであったか。我が強制的に眠りにつかせなければ、ナルトはとうの昔に死んでいたであろうな・・・」
カカシは胸を抑えた。日々元気に待ち合わせ場所で騒ぐナルトにこんなにつらい日常があったなんて知らなかった。好いていながら気付かなかったことへの自己嫌悪が胸を締め付ける。


「よし!!」
カカシが勢いよく立ちあがると
「ナルト!!ちょっと出かけてくるから!!」
カカシは台所から出てきたナルトに声をかけ、窓から颯爽と出て行った。
「なんだってば!?」
残るはナルトとヨウコのみ・・・二人は顔を見合わせ、首をかしげた。

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