アスマ、戦闘態勢

「アスマよ・・・カカシとナルトを助けてやってくれ。」
火影から直々に呼ばれ、式典の最中を颯爽とかけ抜ける影。
猿飛アスマである。
「アスマ先生!!私たちも向かいます!」
声をかけてきたのは、カカシ班のメンツ。こちらも火影からのお達しが出ているようで、一目散に誰もしらないはずの施設の方へ走っていく。
「・・・あいつらが行くのに、こっちは俺一人じゃ申し訳ないな・・・」
アスマは影分身を用いて、シカマル達に伝令を飛ばす。
きっととんでくるであろう部下たちに人知れず顔をニヤケさせ、アスマは歩を進める。




「アスマ!!!」
施設に到着する寸前。アスマを呼ぶ恋人兼部下の声・・・シカマルである。
「ここにナルトがいるのか?」
「・・・あぁ!!サスケ君もくるかしら!!」
シカマルは自分の足で立っているのにもかかわらず、他の二人はアスマの影分身に抱きかかえられている。
「お前ら・・・」
アスマが呆れていると
「緊急事態だ。こいつらが走るよりこの方が早い」
シカマルが簡潔に答える。機転を利かせたおかげて、アスマが戦地に入る前に魔にあったのではあるが、些か忍として恥ずかしい格好であることを、一人は食、一人は色、の欲でまったく考えていない。
アスマはさっと印を組んで影分身を消し、それと同時に地面に着地した二人に軽く視線を向け、事の経緯をかいつまんで説明した
「まずは守ることだ。ヨウコさんが出てきてから、もうナルトがなぜこの里で、避けられているか知っていると思うが、今回は本気でナルトの抹殺にかかろうとしている奴らが相手だ。まずは己を守り、仲間を守れ。
俺たち上忍が先頭で食い止められるだけ食いとめるが、こぼれたやつらはお前らの相手だ。連携して戦え。」
「「「はい!!」」」


アスマが背中にある忍刀を抜く。
それに従い、シカマル達もクナイをホルスターから取り出し、気配をうかがう。
現在はちょうど敵忍の後ろ側におり、その勢力を把握するにはもってこいの状態である。
「・・・年嵩のオッサンばっかじゃね〜か・・・めんどくせぇ・・・」
ぽつりと漏らす言葉にアスマが笑う
「おいおい・・・経験をつんでいるだけおまえらよりずっと強いぞ?チャクラの量とか、腕力とかの問題じゃねぇ・・・経験ってのはなによりも強いぞ?」
その言葉になんとなくシカマル。
「じゃあ、アスマは経験のない俺よりも経験豊富なボンキュッボンのねぇちゃんがいいのかよ?」
まったく話が途方もない方向に飛躍したことにあっけにとられたアスマがポカンと見つめる。シカマルは恥ずかしそうに「忘れろ」とつぶやいて、後方で隠し通路をあけているイノとチョウジの方へ走っていく。
アスマはそのうしろを追いかけ、小さく
「お前がいいから経験なんて関係ない」
とささやきシカマルの顔をさらに真っ赤にした。


自分も案外デレデレバカップルなシカマル馬鹿かもしれない・・・
とか思っていたアスマである。。。
しかし、この数時間後。全力デレデレバカップル木の葉隠れの里代表のカカシとナルトカップルのカカシの方が、真剣な戦闘の最中にガッツリのろけて戦闘を集結させることを、アスマはまだ知らない・・・

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